エルキュール・ポアロとは?
ミステリー作家アガサ・クリスティーが生み出した名探偵。
ベルギー人だがフランス人に間違われることが多い。卵型の頭に黒い髪、跳ね上がった口ひげをたくわえた小柄な男性で、几帳面な性格。「灰色の脳細胞」と自らの賢さを自称する誇り高さもあるという設定。
何気ない会話から相手の特徴や矛盾点、真意などを見抜く推理力に長け、物的証拠と心理分析から事件の真相を暴いていくスタイルが得意。
スタイリッシュでアクティブ! 新しいポアロ像を確立
ケネス・ブラナー
『オリエント急行殺人事件』(2017)で“世界一の名探偵”ポアロをスクリーンに復活させた時、それまでのポアロを演じた俳優たちと違って、ぐっとスマートでスタイリッシュ、列車の屋根の上にまで上がるなどアクティブに謎に立ち向かうという印象をこの有名キャラクターに加えたブラナー。
しかもポアロを演じながら監督も務めるという前例のないケースを成功させ、新しいポアロ像を確立した。
『オリエント』に続き、『ナイル殺人事件』(2022)、そして本作『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』で三度ポアロを映画で演じたのは、ピーター・ユスティノフに並ぶ記録。
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TVシリーズで原作に忠実なポアロを演じた
デヴィッド・スーシェ
1989年から2013年までの長きにわたってTVシリーズ「名探偵ポワロ」で原作に最も近いと称賛されたポアロを演じ、原作をほぼ制覇した。
スーシェはポアロをライフワークとして演じるために徹底的に原作を研究したという。またポアロを演じる前にピーター・ユスティノフ主演のTV映画「エッジウェア卿殺人事件」ではジャップ警部を演じたことも。
ユーモラスなキャラを強調し人気を博した
ピーター・ユスティノフ
最初に映画化された『ナイル殺人事件』(1978)が好評で、『地中海殺人事件』(1982)『死海殺人事件』(1988)の3本の映画と3つのTV映画で6回もポアロを演じ、年代によってはポアロと言えばこの人をイメージするファンも多い。
原作よりだいぶ巨漢なポアロだが、ユーモラスな人柄やジェスチュアをまぶして、堅物のポアロに親しみやすさを与えた。
ポアロ役でアカデミー賞主演男優賞候補に
アルバート・フィニー
1974年に製作された『オリエント急行殺人事件』でポアロを演じたアルバート・フィニーは、素顔はまったくポアロらしくない風体、しかも演じた時点で年齢は38歳だったというハンディを演技力と扮装で克服。
特徴のあるセリフ回しと、小男に見せるためずっと猫背で演技を続けていた。おかげでオスカー主演男優賞候補になった唯一のポアロでもある。
ほかにもこんな俳優がポアロを演じている
最初にポアロが映画に登場したのは「アクロイド殺し」を1931年に映画化した『Alibi』(原題)という作品で、ここではオースティン・トレヴァーというアイルランド俳優が演じ、彼は計3回ポアロを演じている。
またTV映画化された作品では2001年に製作された『オリエント急行殺人事件』ではアルフレッド・モリーナが、2018年に製作された「ABC殺人事件」ではジョン・マルコヴィッチがそれぞれポアロに扮している。
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『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』
2023年9月15日(金)公開
アメリカ/2023/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
監督:ケネス・ブラナー
出演:ケネス・ブラナー、ミシェル・ヨー、ティナ・フェイ、ジェイミー・ドーナン
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