今回登壇できなかったキアヌのメッセージを伝えてくれたスタエルスキ監督
本作『ジョン・ウィック:コンセクエンス』は伝説の殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ・リーヴス)の壮絶な復讐を、切れ味鋭いアクションと独自の世界で描く人気シリーズの第4作。「ジョン・ウィック」シリーズ公開のたびに来日し、前作『ジョン・ウィック:パラベラム』以来4年ぶりの来日となったチャド・スタエルスキ監督。
レッドカーペットでファンとの交流後に登壇したスタエルスキ監督は、「『ジョン・ウィック』シリーズを応援してくださって本当にありがとうございます。また、日本で撮影させてくださってありがとうございます。長年にわたって僕らは日本からたくさんのインスピレーションを頂いていることにも感謝申し上げます」と日本のファンへ挨拶。
まず、全編通してどんなことを感じたか問われると「まあまあ」と日本語のジョークを挟みつつ、「(キアヌが)ここに立てないことをがっかりしていました。というのも、日本は毎回プロモーションツアーの最後に訪れ、そこから新しい旅路がいつも始まっていたからです。彼からは『皆さんを愛してる』そして『最高な皆さんの幸運を祈りたい』というメッセージを預かりましたので、お伝えします」とキアヌからのメッセージを集ったファンに届けた。
本作ではシリーズで初めて日本が舞台の一つになっている。そのアイデアがどこから生まれたかについて監督は「キアヌも僕も日本の映画やマンガやアニメ、黒澤明監督のアクション映画や『座頭市』などに長年影響を受けてきました。『ジョン・ウィック』の1作目から3作目は日本での撮影は叶いませんでしたが、ご覧になれれば日本からの影響を感じられると思います。今回は幸運、そしてお金もあったので撮影することが叶いました」と明かした。
真田広之、そしてドニー・イェンらが参加した本作。アクションスターたちの演出について監督は「監督としてできることで一番最善なのは『彼らのあるがまま』に過ごせる場を作ることなんです。その中で最高の物を皆さん出してくれるので、ファイトコレオグラフィやキャラクターのアイデアもそこから生まれるんです」と世界中で愛されるレジェンドたちの魅力を引き出す秘訣を明かした。
今回、アーティストのリナ・サワヤマが真田演じるシマヅの娘・アキラとして出演。世界中からキャスト候補を探す中でサワヤマのYouTubeを発見し、すぐさま沢山の動画を観たというスタエルスキ監督は「彼女の仕事ぶりを見ていれば、パフォーマーとして、シンガーとして、ダンサーとしてどのくらい努力しているかは自明です。チームとも話して、サワヤマさんだったらこの役を演じられると思ったんです」とオファーの経緯を明かした。
キアヌの一番強い所は、ハート、そして意思の強さ
ここで特別ゲストとして、俳優の藤岡弘、と柔道家の阿部詩が登場し監督に花束を贈呈。シリーズのファンだという二人。藤岡は「本当っにすばらしい。監督が自ら戦い方のすべてを総合的に知っていないとできない演出、プロのエキスが随所にありますので、どうか楽しみにご覧になってください」、阿部は「すべてのアクションが魅力的で、柔道の要素も少し入っていて、本当に迫力があります」と本作のアクションを大絶賛。
ふたりが質問する一幕も。藤岡から「刀剣や兜が出てきますが、監督の趣味も反映されていますか?」と問われたスタエルスキ監督は「ロスでは刀剣を身に着けて歩けないので、映画の中に登場させています(笑)。侍ものや、武士道、歴史、どのようにそれらが進化してきたかについてはとても興味がありますね」と日本文化への高い関心を見せた。
そして藤岡がキアヌの壮絶なアクションについて絶賛すると監督は「キアヌの一番強い所は、ハート、心なんです。そして意思の強さ。自分がコミットすると決まれば、成し遂げるために何でもするんです」と映画に対するキアヌの姿勢を明かし、続けて「本作に着手したときに前作より良いものにしたいと話し合いました。つまり、ジョン・ウィックがより良いジョン・ウィックでなければいけない。そのためにはキアヌがよりベターにならなければならない。トレーニングもより強化しなければなりませんでした。前作で6カ月なら、今作では1年トレーニングする。ヌンチャクも身に着け、ドライブテクニックが必要であれば5か月間特訓する。今から映画を観ていただきますが、あれはトリックではないんです。全て彼の練習と努力の結晶なんです」とパワーアップしたアクションの背景にあるキアヌの壮絶な努力について語った。
また、阿部から格闘技経験が映画に活かされたポイントについて問われると監督は「(格闘技という)バックグラウンドがあるので同じ“言語”で語ることができるんです。中国やインドネシア、フランス、ドイツ、日本の出身であっても、“動き”を理解しているのでコミュニケーション上で役に立ちます」と明かした。
最後までユーモアと誠実さにあふれていたスタエルスキ監督
そして大ヒットを祈願した鏡開きを実施し、最後に監督が挨拶。
会場に来ていた川本耕史ら日本のスタントチームへ「ありがとうございました(日本語)。本当に素晴らしい仕事をしてくださいました。たくさん倒れてくれましたよね」と感謝を伝え、そして観客たちに「映画、そろそろ観たいですよね?ありがとうございました!映画を楽しんでください!」と伝えた。拍手に包まれる中、藤岡と道を譲り合いながら退場し、イベントは終了した。
『ジョン・ウィック:コンセクエンス』
9月22日(金)全国公開
配給:ポニーキャニオン
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