その誕生から現在まで長きに渡ってエンタテインメント映画の頂点に君臨する「007」シリーズ。第1作『ドクター・ノオ』の日本公開から60年となるこのアニバーサリー・イヤーに、これまで製作された全25作品のうち、4Kレストアを施した10作品が日本のスクリーンに復活することが決定。歴代6人の男優が演じてきた“世界一有名なスパイ”ジェームズ・ボンドを、それぞれの魅力で一挙に味わうことのできる貴重な機会だ。そこで6人のボンドたちそれぞれの魅力を再確認してみよう。(文・米崎明宏/デジタル編集・スクリーン編集部)

「BOND 60 007 4Kレストア」第1弾の5作品は2023年9月22日(金)より、第2弾の5作は2023年11月17日(金)より全国順次公開。
配給はREGENTS、提供は「007 4K」配給委員会。

※『スカイフォール』『ノー・タイム・トゥ・ダイ』はレストア版ではありません。※上映環境により2K上映となる場合があります。

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5代目ジェームズ・ボンド
ピアース・ブロスナン

画像: 5代目ジェームズ・ボンド ピアース・ブロスナン

1953年、アイルランド生れ。

3代目ムーア降板の後、ブロスナンも4代目候補に挙がっていたが、テレビ「探偵レミントン・スティール」に出演中だったため断念。ダルトン降板に続いて5代目に就任。

コネリーが持っていたハードさとムーアが持っていたユーモアを兼ね備え、それまでのボンド像の集大成的なイメージをファンに与えたブロスナン作品は、最初の『ゴールデンアイ』から大ヒットを記録。あっという間にブロスナン・ボンド人気を定着させた。

また時代に合わせて、それまで恋のお相手という存在だった共演女優たちが、そろって強いヒロイン的なキャラに変更されていったため、女性たちと共闘するボンドという新生面も生み出した。続投を希望していたが4作に主演して降板。

第17作『007/ゴールデンアイ』(1995)

画像1: 第17作『007/ゴールデンアイ』(1995)

9月22日より上映

前作から6年ものインターバルが空いたため、メイン脚本家のリチャード・メイボームらスタッフが相次いで死去。

製作のアルバート・ブロッコリも第一線引退を表明し、マイケル・G・ウィルソンとバーバラ・ブロッコリの義兄妹が製作に当たる新体制の第1作にして、5代目ブロスナン・ボンドのデビュー作で、世界的に大ヒットとなった。

監督はマーティン・キャンベル。謎の国際犯罪組織ヤヌスがロシアの宇宙兵器管理施設からゴールデンアイと呼ばれる極秘ディスクを盗み出した。

そのディスクは世界の防衛拠点を無力化する人工衛星を作動させる鍵で、ヤヌスはこれを使用して世界経済の混乱を企む。ロシアに向ったボンドだが、黒幕は意外な人物だった。

画像2: 第17作『007/ゴールデンアイ』(1995)

『007/ゴールデンアイ』
監督:マーティン・キャンベル
出演:ピアース・ブロスナン 、ショーン・ビーン
時間:2時間10分

6代目ジェームズ・ボンド
ダニエル・クレイグ

画像: 6代目ジェームズ・ボンド ダニエル・クレイグ

1968年、英チェシャー州生れ。

現在のところ最新のボンドとなるクレイグが、いかに「007」シリーズを現代風のアクション・シリーズに変革したか、その功績は計り知れない。

これまでのボンドのイメージを一新するため新人時代からスタートしたクレイグ版ボンドは、粗削りな原石が次第に一流スパイに磨かれていくというストーリー性があり、そこに真実味を与えたクレイグは、選ばれた当初は、「ボンドに相応しくない(金髪で、身長も低め、悪役顔と散々なことを言われた)」と否定的な意見が多かった逆境を見事に跳ね返し、初代コネリーを凌ぐほどの人気を獲得した。

リアルでハードなアクションを自らもこなしたため大けがも多かったが、5作を残して惜しまれながらボンド役を退いた。

第23作『007/スカイフォール』(2012)

画像1: 第23作『007/スカイフォール』(2012)

11月17日より上映

クレイグ版ボンドの第3作に当たり、旧シリーズでは触れられてこなかったボンドの過去が少しずつ明かされ、それは次回作『スペクター』に繋がっていく。監督のサム・メンデスは重厚な人間ドラマと過激なアクションを両立させ、本作をクレイグ版の最高傑作というファンは多い。

敵のアジトという設定で長崎の軍艦島が外見のみ使われているが、ここが映画に収められるのは史上初。

MI6から奪われた極秘リストが強奪され、それを取り返す使命を帯びたボンドだったが、助手イブの誤射で深い谷底に落下し死亡したと判断される。だがボンドは生きていた。自らのスパイとしての生き方に疑問を持ちながら酒浸りとなる彼の元にMI6本部爆破という驚愕の報せが入る!

画像2: 第23作『007/スカイフォール』(2012)

『007/スカイフォール』
監督:サム・メンデス
出演:ダニエル・クレイグ 、ハヴィエル・バルデム
時間:2時間24分

第25作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021)

画像1: 第25作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021)

11月17日より上映

コロナ禍など様々な事情で前作『スペクター』から6年を経て全貌が明かされたクレイグ版ボンド最後の作品。

前作のラストでMI6を辞職したボンドは引退している設定で、英諜報部では新たな007は女性が襲名する。上映時間はシリーズ最長の163分。監督はキャリー・ジョージ・フクナガ。

引退してジャマイカにいたボンドは旧友の頼みで誘拐された科学者の救出を請け負う。だが簡単な任務に思えたこの一件は予想以上に困難なものに。さらにボンドは別れた恋人マドレーヌと再会するが、彼女には秘密があると獄中の宿敵ブロフェルドに宣告される。

そんな時に現れたのはマドレーヌとも因縁を持つかつてないほど凶悪な人物サフィン。果たしてボンドの運命は?

画像2: 第25作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021)

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
出演:ダニエル・クレイグ 、ラミ・マレック
時間:2時間43分

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