コカインでキマッた〝クマ〞が大暴走する斬新なパニックムービー
野生動物がモンスターと化すパニックムービーは、ひとつのジャンルとして愛されてきた。映画ファンもその展開はある程度、予想がつくものだが、ここまで斬新な設定の作品は珍しいかも!?
ちょうど日本でも牛を襲う凶暴なヒグマがニュースになったように、陸上の野獣の中では最も恐れられるクマ。ただでさえ目の前にしたら人間は成す術もないのだが、そのクマがなんと大量のコカインを食べてしまい、大暴走する映画が誕生した。
プロデュースを務めたのは、今年の大ヒット作『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』などを手がけたフィル・ロードとクリストファー・ミラーのコンビ。トンデモな設定を、スリルと衝撃、ブラックな笑いも絶妙に絡めたエンタメに仕上げる手腕は、この天才2人ならでは。
そしてクマのビジュアルを担当したのが「ロード・オブ・ザ・リング」や「アバター」で革新的映像を届けてきたWETAデジタル。外見はリアル感満点なうえに、コカインでキメたクマの超危うい行動で、呆然となるシーンが多数。
2022年に急逝したレイ・リオッタらクセ者ぞろいのキャストが、クマとどんな対決をみせるのか。一瞬先も読めない人間たちのサバイバルに最後の最後まで目が離せない!
あらすじ
1985年、麻薬王の指示により、ジョージア州の森の上空を行くセスナ機から大量のコカインのバッグが投下される。麻薬王は息子とその親友にコカインの回収を命じるが、コカイン落下の事実を知った警察も捜索に向かうことに。
しかし森ではコカインを大量に摂取したクマが凶暴化。次々と人を襲い始めていた。スケッチのために森に入った子供や、森林警備隊員、地元の不良少年らが、大量のコカインと“コカイン・ベア”を巡って過激な運命を強いられる。
キャラクター紹介 2組の親子がカギに!
コカイン・ベア
森に生息していた母グマ。森の中に大量にバラまかれたコカインを食べ、ハイになってしまう。森林公園を散策するハイカーを襲うなど、どんどん凶暴化。コカイン中毒になる一方、突然寝てしまうなど行動は予測不能に。
サリ(ケリー・ ラッセル)
看護師。娘の危機を知り、決死の捜索を試みる。
ディーディー(ブルックリン・ プリンス)
滝の絵を描くために森に入り、行方不明に。
シド(レイ・ リオッタ)
(画像右)
麻薬王。森に投下されたコカインの回収を命令。
エディ(オールデン・ エアエンライク)
(画像中央)
妻を亡くして傷心。父シドの指示でコカインを探す。
ここに注目!
ありえないって? 映画の原点は実話!
あまりに突飛&過激なこのストーリー、なんと実話が基になっている。
飛行機でコカインを密輸する業者がブツを地上に投下して回収する事例が相次いでいた1985年、FBIの尾行に感づいた密輸業者が、ジョージア州北部の上空でコカインを詰めた3つのバッグを投下。自らもパラシュートで脱出するも地上で撃墜死した。
その後、森で発見されたクマの死体を解剖すると、胃には15kg以上ものコカインが残っていたという。クマが凶暴化して人を襲ったかどうかは……不明。
登場人物続々増加! つまり…そういうこと!
この手のモンスターパニック映画は、多くの登場人物が犠牲のターゲットになるが、本作はその「ループ」の勢いが凄まじい。
コカインを探す麻薬王一味と、捜索する警察側を基本に、森のハイカー、迷子の子供たちなど、事件が連鎖しながら新キャラが登場。それぞれコカイン・ベアと闘うハメになる。
しかも容赦なく犠牲者が増え、ノンストップ感が半端じゃない! 生き残りそうな人があっさり最期を迎えたり、ラストまで予測不能のノリをキープ。
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『コカイン・ベア』
2023年9月29日(金)公開
2023/アメリカ/1時間35分/配給:パルコ ユニバーサル映画
監督:エリザベス・バンクス
出演:ケリー・ラッセル、オシェア・ジャクソン・Jr、オールデン・エアエンライク、ブルックリン・プリンス、レイ・リオッタ
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