『ハント』リアルと映画のギャップが強烈！ 盟友バディがスパイ役で大激突！

"北"のスパイを探し出せ！ 1980年代を舞台に描く壮絶な諜報戦

「イカゲーム」（2021）でエミー賞のドラマ・シリーズ部門主演男優賞に輝き、「スター・ウォーズ」のTVシリーズ最新作「The Aco lyte（原題）」（2024）も控えるイ・ジョンジェ。俳優活動が絶好調の彼が、監督、製作、脚本、主演の4役に挑戦したスパイ・アクション。韓国の安全企画部（旧KCIA）に勤めるふたりの男が、互いを北朝鮮の二重スパイだと見なし、調査を始める。相手の尻尾を先に掴まなければ、自分が裏切り者に仕立てられかねない。そんな極限状態の中、大統領暗殺計画が明らかになったことで、事態は思わぬ方向に急転していく。

『太陽はない（原題）』（1998・日本未公開）以来、23年ぶりの共演を果たしたイ・ジョンジェとチョン・ウソンが、敵対する諜報員たちを熱演。イ・ジョンジェが演じるのは、安全企画部の海外チーム次長パク・ピョンホ。情報収集に優れ、冷静に任務をこなすパク次長を、抑えた演技と激しいアクションで魅せている。チョン・ウソンが演じるのは、軍人出身の国内チーム次長、キム・ジョンド。自身の信念を絶対に曲げない強靭なキム次長を、貫禄たっぷりに演じている。追いつめられた時の憔悴と狂気の表情演技にも注目だ。

脇を固めるキャラクターにも、演技派の俳優陣が集結。パク次長とともに二重スパイを追うパン・ジュギョン捜査官役に『白頭山大噴火』（2019）のチョン・ヘジン、キム次長の忠実な右腕チャン・チョルソン捜査官役に、「イカゲーム」でイ・ジョンジェと共演したホ・ソンテ。パク次長の亡き相棒の娘であり、次長から援助を受けている大学生チョ・ユジョン役に、ドラマ「還魂」（2022～2023）のコ・ユンジョン。パク次長とキム次長に二重スパイの捜査を命じる安全企画部のアン部長を『アシュラ』（2016）のキム・ジョンスが演じる。

映画の舞台である1980年代に合わせて、セットと衣装は当時の雰囲気を忠実に再現。韓国、東京、バンコク、ワシントンD. C.のそれぞれ異なる街並みや風景が精巧に作り上げられている。衣装は『お嬢さん』（2016）のチョ・サンギョンが手掛け、スーツや小物に至るまで、こだわりの1980年代のスタイルで作品にリアリティをもたらしている。

あらすじ

1983年、ワシントンD.C.。米韓首脳会談を前に、大統領暗殺未遂事件が発生する。後日、北朝鮮の亡命希望者から、組織に潜むスパイ“トンニム”の存在を知らされた安全企画部のパク次長。時を同じくして、北に部隊を送り込む“417特殊作戦”が、待ち受けていた北の軍の襲撃によって失敗に終わる。トンニムが北に情報を流しているのか…？安全企画部のキム次長は、上官に命じられ、パク次長と仲間たちの調査を開始する。

チェックポイント

豪華カメオが人望を物語る！ イ・ジョンジェ初監督作

本作が初監督作となるイ・ジョンジェ。当初は出演のみのオファーだったが、自ら監督、製作、脚本も手掛けることに。さらにファン・ジョンミン、チュ・ジフン、キム・ナムギルら豪華俳優陣のカメオ出演を実現させ、人望の厚さを見せた。イ・ジョンジェは本作で第43回青龍映画賞などの新人監督賞を受賞し、華々しい監督デビューを飾っている。

銃撃戦にカーチェイス！ 重厚なアクション・シークエンス

精巧でリアリティのあるアクションも、見どころの一つ。『名もなき野良犬の輪舞』（2017）などのスタントコーディネーター、ホ・ミョンヘンがアクション演出を手掛けている。バンコクの広場で繰り広げられる激しい銃撃戦とカーチェイスは、本作のハイライト。男たちの信念が入り乱れる一連のシークエンスに、手に汗握ること間違いなしだ。

裏切り者は誰なのか― 男たちの本当の目的とは

二重スパイの証拠を探して、パク次長が援助する女子学生ユジョンにスパイの嫌疑をかけるキム次長。一方パク次長も、軍事関連企業とキム次長の癒着をあぶり出す。互いの関係と状況が悪化の一途を辿るなか、誰も想像しえなかった、男たちの真の姿が明らかに。抑えてきた感情をむき出しにぶつかり合う、衝撃のラストシーンに注目だ。

『ハント』
2023年9月29日（金）公開
2022／韓国／2時間5分／配給：クロックワークス
監督：イ・ジョンジェ
出演：イ・ジョンジェ、チョン・ウソン、チョン・ヘジン、ホ・ソンテ、コ・ユンジョン

© 2022 MEGABOXJOONGANG PLUS M, ARTIST STUDIO & SANAI PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.