名優のキャリアを中心にその道のりを振り返る連載の第30回。今回取り上げるのは、ガイ・リッチー監督との3度目のタッグ作『オペレーション・フォーチュン』が公開を控えている、近年は悪役としての活躍ぶりが光るヒュー・グラントです。(文・大森さわこ/デジタル編集・スクリーン編集部)
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いかがわしすぎる! ヒューの悪役っぷりを堪能する出演作4

ユーモラスな悪役として開花
『パディントン2』(2017)

画像: ユーモラスな悪役として開花 『パディントン2』(2017)

マイケル・ボンド原作の児童文学の映画化。善良で人に愛されるクマのパディントンが主人公で、ヒューは変装が得意で、今は落ち目の人気スターの役。絵本に隠された謎を解き、宝物を手にいれようとする。彼のせいで刑務所に入ったパディントンは、やがては罪が晴れ、事件の謎を追うことに…。

最後に刑務所内で派手なミュージカル場面があり、ヒューのふりきった演技に目が釘づけとなる。ユーモラスな悪役として新境地を切り開いた。

画像1: 『オペレーション・フォーチュン』出演のヒュー・グラント/役は違えどユーモアで魅せる

Blu-ray+DVDセット: 4950円 (税込) /発売中
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駆け引きもクセになる怪演ぶり
『ジェントルメン』(2020)

画像: 駆け引きもクセになる怪演ぶり 『ジェントルメン』(2020)

『コードネーム U.N.C.L.E.』(2015)で組んだガイ・リッチー監督とヒューの2度目のコンビ作。ヒューはギャングたちにゆすりをかけようとする映画好きの私立探偵。見かけもアヤしく、言うこともゲスい。そんな役をヒューが下町訛りの英語を駆使して演じる。

彼とチャーリー・ハナム扮するギャングの右腕との駆け引きも最高におもしろい! ヒューはロマコメ時代のスイートなキャラクターとはまるで違う役を怪演してみせる。

画像2: 『オペレーション・フォーチュン』出演のヒュー・グラント/役は違えどユーモアで魅せる

Blu-ray:5280円(税込) /発売中
発売元:キノフィルムズ /木下グループ
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ファンタジー世界でもこずるい悪役で煌めく
『ダンジョンズ&ドラゴンズ /アウトローたちの誇り』(2023)

画像: ファンタジー世界でもこずるい悪役で煌めく 『ダンジョンズ&ドラゴンズ /アウトローたちの誇り』(2023)

RPGを映画化したファンタジー・アドベンチャー。ヒューが演じるのは魔法の力を使い、土地の君主となった詐欺師の役。

かつては彼の仲間だった主人公の無垢な娘をだまして、まるで自分の娘であるかのように可愛がっていたはずが・・・・・・ゲス野郎はどこまでもゲス、という展開にも苦笑。

特撮で作られた数々の奇妙なモンスターも登場するスケールの大きなファンタジーで、とぼけた顔でこずるい悪役を演じるヒューの演技も楽しい。

画像3: 『オペレーション・フォーチュン』出演のヒュー・グラント/役は違えどユーモアで魅せる

ブルーレイ+DVD:5280円(税込)/発売中
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裏しかない武器商人役でいかがわしさ全開
『オペレーション・フォーチュン』(2023)

画像: 裏しかない武器商人役でいかがわしさ全開 『オペレーション・フォーチュン』(2023)

ヒューとガイ・リッチー監督とのコンビ3作目。ジェイソン・ステイサム主演のボンド映画を意識したような型破りなスパイ・アクションで、ヒューが演じるのは億万長者の武器商人。華やかなライフスタイルを好み、ごひいきの映画スターや魅力的な女性に会うとエキサイト。

一見、軽くて、実はしたたか。どこまでも裏しかない怪しげな富豪役で、ヒューのいかがわしい個性が生きる。ジェイソンとのスリリングな駆け引きも見もの。

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“悪役のほうが楽しいからね”
ヒュー・グラント、『オペレーション・フォーチュン』について語る

画像: Photo by Jesse Grant/Getty Images for Paramount Pictures
Photo by Jesse Grant/Getty Images for Paramount Pictures

―ガイ・リッチー監督との再タッグはいかがでしたか。

「本作は『ジェントルメン』に続きリッチー監督との共同作業だ。従来のやり方とは違って、面白い撮影方法だ。一般的な撮影では脚本を覚えて本番に臨み、現場でのセリフの調整はわずかなものだ。でも本作では脚本はひな形にすぎない。撮影が始まると窓から投げ捨てられるんだよ。

シーンは俳優と監督によって現場で形作られるんだ。僕のような人間は不安に思うこともある。特に覚えきれないセリフが突然出てくるとね。でもワクワクするし、即興は嫌いじゃない」

―ジェイソン(・ステイサム)たちとの共演はいかがでしたか。

「ジェイソンとの共演は初めてだったが、今では彼のファンだ。ナイスガイだよ。自分を知っているしね。自分の好みや長所を把握し、まさにプロだ。彼の出演作品を観始めたが実に見事だ。共演できて最高だ。

ジョシュ(・ハートネット)とは気が合い、数年前にニューヨークで一緒に飲んだ。再会はうれしかったね。オーブリー(・プラザ)は皆を笑わせてくれるし、他のキャラクターの配役もすばらしい。優れた英国俳優たちが集結している」

―演じたグレッグ・シモンズについて教えて下さい。

「僕が演じるグレッグ・シモンズは富豪の武器商人だ。彼の人生を突き動かしているのはお金だね。カネの亡者だ。でも自分は善人だと考えているタイプだ。世界中で武器を売りながら戦災孤児のための慈善活動を主導している。

彼は自身のことを価値ある人間だと思っていて、自身の人生を愛し彼の取り巻きや仕事仲間に対しても熱心だ。とにかく何に対しても熱い男だ。キャラクターを演じる際は楽しむことが重要だが、グレッグ役はまさにそうだ」

―教えて下さい。善人と悪人、演じるならどちらがいいですか?

「俳優は悪人を演じるのを好むものだ。悪役のほうが楽しいからね」

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『オペレーション・フォーチュン』
2023年10月13日(金)全国公開
配給:キノフィルムズ

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