その男は気高き英雄か恐るべき悪魔か?
世界の歴史に名を残すフランスの英雄ナポレオン・ボナパルト。フランス革命後の混乱の中、彼はなぜ軍人・政治家として揺るぎない成功を収めることができたのか。そして“英雄”と呼ばれる一方、“悪魔”として恐れられた男の本当の素顔とは?
これまでのイメージを覆し、“人間”ナポレオンを新解釈で描く壮大な歴史スペクタクルが誕生する。
監督を務めるのは『グラディエーター』『キングダム・オブ・ヘブン』(2005)など数々の歴史大作を手掛けてきたリドリー・スコット。今年で86歳となる今も精力的な創作を続ける巨匠が、長年魅了されてきたというナポレオンの物語に挑む。
主演は『ジョーカー』(2019)でアカデミー賞主演男優賞に輝いたホアキン・フェニックス。監督とは『グラディエーター』以来、23年ぶりのタッグとなる。
そしてナポレオンにとって人生最大のキーパーソンとなる妻のジョゼフィーヌ役には「ミッション:インポッシブル」シリーズのホワイト・ウィドウ役などで知られるヴァネッサ・カービー。奇妙な夫婦関係だった二人の愛、信頼、そして葛藤に物語の焦点が当てられる。
脚本を手掛けたのは、監督と『ゲティ家の身代金』(2017)でも組んだデヴィッド・スカルパ。“アウステルリッツの戦い”や“ワーテルローの戦い”など生涯で61もの戦闘を指揮したナポレオンの数々の歴史的な戦いを描くため、大規模なヨーロッパロケを敢行。
歴史映画の名手であり合戦シーンの達人であるスコット監督が、総勢8000人のエキストラが入り乱れる大規模な戦闘をカメラ最大11台の同時撮影で鮮烈に切り取った。
撮影監督は「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズを手がけ、監督とは10年にわたるタッグを組む名匠ダリウス・ウォルスキー。
あらすじ
1793年、フランス。市民によるフランス革命によって王妃マリー・アントワネットが処刑され、国内の混乱が続く中、若き軍人ナポレオン(ホアキン・フェニックス)は天才的な軍事戦略で諸外国から国を守り、皇帝へと上り詰めていく。
そして最愛の妻ジョゼフィーヌ(ヴァネッサ・カービー)との奇妙な愛憎関係の中で、フランスの最高権力を手に何百万人の命を奪う幾多の戦争を次々仕掛けていく。
国を守る“英雄”から、いつしか侵略と征服に身を投じる冷酷な“悪魔”へと変貌していくナポレオン。彼を狂気に駆り立てたものは何だったのか?
英雄ナポレオンとは?
フランス革命期の指導者で、フランスの初代皇帝。歴史上もっとも偉大な軍人・政治家の一人として知られる。
近代的法典の基礎とされる「ナポレオン法典」を発布し、一時はヨーロッパ大陸の大半を勢力下においた。「余の辞書に不可能の文字は無い」の名言でも有名(本人の言葉かは諸説あり)。
「英雄」「暴君」など様々なイメージで語られ、その生涯は多くの映画や書籍等の題材となり、最も映画に登場してきた歴史上の人物ともいわれる。
登場人物
ナポレオン・ボナパルト(ホアキン・フェニックス)
革命の混乱に揺れるフランスで目覚ましい才能を発揮し、国家の長へと上り詰めていく。年上で二人の連れ子がいるジョゼフィーヌにほれ込み、反発を押し切って結婚。
ジョゼフィーヌ・ ド・ボアルネ(ヴァネッサ・カービー)
ナポレオンの最愛の妻。亡き夫が愛用していた軍刀をきっかけにナポレオンと親密な関係になり、正式に夫婦に。ナポレオンの溺愛ぶりとは裏腹に、別の男と関係を持つ。
『ナポレオン』
2023年12月1日(金)公開
アメリカ=イギリス/2023/2時間38分/配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
監督:リドリー・スコット
出演:ホアキン・フェニックス、ヴァネッサ・カービー、タハール・ラヒム、ルパート・エヴェレット