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※『マーベルズ』「ロキ」のネタバレに触れている箇所がありますのでご注意ください。
2024年はMCU、DCU以外の注目作も
コロナ禍が一段落したと思ったら、今度は俳優ストライキ。その影響でハリウッド映画の製作スケジュールは大幅に狂ってしまった。
マーベル・シネマティック・ユニバース/MCUに至っては『デッドプール3』一本、またジェームズ・ガン体制下のDCユニバース/DCU第一弾の『スーパーマン:レガシー(原題)』は2025年公開。
というわけで2024年はアメコミ映画ファンにとってちょっと寂しい年になる?と思ったらとんでもない。MCU、DCU以外のアメコミ・ヒーロー映画の注目作もあるのだ。
『デッドプール3』がMCUを大きく変える?
ライアン・レイノルズのデッドプールとヒュー・ジャックマンのウルヴァリンが共演というだけでもすごいのに『デッドプール3(仮題)』は今後のMCUを大きく変える可能性がある。
というのも本作は映画『マーベルズ』、そしてドラマ「ロキ」シーズン2での特大級のサプライズを直接うける作品になりそうだから。
まずそのサプライズから説明しよう。『マーベルズ』のポスト・クレジットシーンにおいてMCUの別バースにX-MENがいることが確認された。そして『ロキ』シーズン2で、なんとロキはマルチバースを司る神となり、TVA(時間変異取締局)はどうやらマルチバースを守る組織となる。
『デッドプール3』にはTVAが登場すると言われており、デッドプールはもともとX-MEN系のキャラである。つまり『デッドプール3』はこれからのMCUで重要な役割を果たすと言われているTVA、X-MENという2つの要素が絡み合っているのだ。
『デッドプール3』が新しいMCUの入り口になる可能性は大だ。
『デッドプール3(仮題)』
日本公開未定
型破りヒーローがついにMCU初参戦
無責任な“俺ちゃん”ヒーローの活躍を描くシリーズ第三弾。初のMCU作品として制作され、2024年公開の唯一のMCU作品になる予定。ウルヴァリン役ヒュー・ジャックマンがまさかの参戦。
監督:ショーン・レヴィ
出演:ライアン・レイノルズ、ヒュー・ジャックマン
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
スパイダーマン関連の映画(SSU)が3本公開
SSUとはソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(SPUMC:ソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベル・キャラクターと呼ばれることもある)。
歴代スパイダーマン映画や『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』等を手掛けるソニー・ピクチャーズがMCUとは別に展開するマーベル映画世界。
ソニーはスパイダーマンのコミックに登場するキャラ(ヴィラン等含む)の映画化権を持っており、『ヴェノム』(2018)『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021)『モービウス』(2022)を発表してきた。
そのSSUが2024年は3本公開される。『マダム・ウェブ』『クレイヴン・ザ・ハンター』、そして『ヴェノム3(仮題)』。
ヴェノム以外になじみのない2作だが原作コミックにおいてマダム・ウェブはサイキック能力を使いスパイダーマンを助ける神秘的な女性、クレイヴンはスパイダーマンを捕まえることに執念をもやす現代のハンター。映画版はコミックに登場するこれらのキャラを独自の解釈でアレンジしている。
気になるのは現在脚本作りがスタートしたというMCU(=トム・ホランド)版の『スパイダーマン4(仮題)』で、マルチバース関係にあるMCUとSSUがクロスオーバーすると言われている。
もちろん『マダム・ウェブ』『クレイヴン・ザ・ハンター』も単品の映画としても楽しみだがヴェノムやモービウスとどうつながるのか? そしてスパイダーマンの存在・登場を示唆するなにかがあるのか?も注目。
『ヴェノム3(仮題)』
日本公開未定
主演トム・ハーディがSNSで撮影再開を報告
スパイダーマンの宿敵としても知られるダークヒーロー、ヴェノムの活躍を描く人気シリーズ第3弾。先日のストライキ終了後に主演トム・ハーディが撮影再開をSNSで報告。
監督:ケリー・マーセル
出演:トム・ハーディ
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
『マダム・ウェブ』
2024年2月23日(金・祝)公開
生死を彷徨う事故で“未来予知”に目覚めた女性
『スパイダーマン』のソニー・ピクチャーズが贈るマーベル初の本格ミステリー。生死を彷徨う事故で予知能力を得た救命士(マダム・ウェブ)はある“3人の少女”を守ることに。
監督:S・J・クラークソン
出演:ダコタ・ジョンソン、シドニー・スウィーニー
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
© & ™ 2023 MARVEL
『クレイヴン・ザ・ハンター』
2024年公開
マーベル史上最も悪名高きヴィランの誕生の物語
原作コミックでは宿敵スパイダーマンを狩ることに執念を燃やす、百獣の王にして最強のハンター、クレイヴンの誕生の物語。残虐描写満載でソニー・マーベル初のR指定作品に。
監督:J・C・チャンダー
出演:アーロン・テイラー=ジョンソン、アリアナ・デボーズ
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
MARVEL and all related character names: © & ™ 2023 MARVEL
ジョーカー続編にはレディー・ガガ参戦
ジェームズ・ガン監督のDCユニバース/DCUの本格的ローンチは2025年からだが、DCUによらないDC映画(DCエルス・ワールドと呼ばれる別のライン)から、あの『ジョーカー』の待望の続編が登場。タイトルが『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(原題)』で監督は前作同様トッド・フィリップスが務めるほか、ホアキン・フェニックスが続投。
ここで注目なのはレディー・ガガが出演すること。なんと彼女はあのハーレイ・クインを演じる。別のDC映画(『スーサイド・スクワッド』系)でマーゴット・ロビーが演じている“女ジョーカー”ともいうべき人気キャラ。
さらに注目なのが、タイトルの意味。“フォリ・ア・ドゥ(Folie à Deux)”とはフランス語で直訳すると“狂気の2人”だが、感応精神病を意味する言葉でもあるらしい。感応精神病とは、1人の妄想が他の1人に感染し、2人で同じ妄想状態になる、みたいなこと。
ということは主人公アーサー/ジョーカーの妄想に感染した女性がハーレイということか? それにしてもなぜレディー・ガガがこの役なのか? 実は本作はミュージカル仕立てになるとの噂があるのだ。
『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(原題)』
2024年公開
日本でも社会現象を巻き起こした『ジョーカー』に待望の続編
心優しい男が悪のカリスマに変貌する姿を描き、主演ホアキン・フェニックスがアカデミー賞に輝いた衝撃作『ジョーカー』の続編。ハーレイ・クイン役でレディー・ガガが参戦。
監督:トッド・フィリップス
出演:ホアキン・フェニックス、レディー・ガガ
配給:ワーナー・ブラザース映画
2025年に公開延期された作品も期待大
いかがだっただろうか? 2024年も注目作がいっぱい。
そして2025年はDCU『スーパーマン:レガシー』、2024年から公開が延びたMCUの『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド(原題)』『サンダーボルツ(原題)』などが控える。アメコミ映画の進撃はまだまだ続くのだ。