現地時間1月15日に授賞式が開催された、米TVドラマ最大の祭典〝第75回エミー賞〞。なんと今回は、作品賞に輝いた3本の作品が各部門で大量受賞するという結果に。エミー賞の話題をかっさらった「BEEF/ビーフ」の魅力をご紹介します。(文・池田 敏/デジタル編集・スクリーン編集部)

もう我慢できない…!ストレス限界突破の二人が激闘

画像: もう我慢できない…!ストレス限界突破の二人が激闘

A24などが製作し、1月発表の第75回エミー賞でリミテッド/アンソロジー作品賞など8部門を制した、Netflixの秀作「BEEF/ビーフ」。

米国で暮らすアジア系の男女2人が、些細なきっかけから対立しはじめ、やがてそれは命懸けの激闘に発展する。ブラックユーモアがふんだんなコメディながら、「分断」「格差」といった時代のキーワードを隠し味とし、スリルと笑いの後に感動が待っている、全10話の斬新なドラマだ。

主演はドラマ「ウォーキング・デッド」や映画『ミナリ』で知られる、韓国系のスティーヴン・ユァンと、中国系とベトナム系がルーツのスタンダップコメディアン、アリ・ウォン。物語には彼らの実体験も取り入られたといい、マイノリティのアジア系として感情を出さず、ストレスをためて生きてきた男女が怒りを爆発させる姿をリアルに熱演。

日系米国人のパティ・ヤスタケが共演し、監督が日本の大阪で生まれたHIKARIなどというのも、人種の壁を越えて世界で勢いづく、アジアンパワーの最先端と感じさせる。

絶賛を受けてシーズン2の製作も決定。ハリウッドの大物、ジェイク・ギレンホール、アン・ハサウェイも出演するという説も!

あらすじ

カリフォルニア。家族経営のモーテルがつぶれ、収入が安定しない韓国系男性ダニーはいらいらする毎日。一方、ビジネスで成功したが、会社を売る話がまとまらず、家庭にも問題が多い中国系女性エイミーもいらいら。

2人はホームセンターの駐車場で互いに車をぶつけそうになり、腹を立てたダニーは車のナンバーからエイミーの住所を調べる。いたずら半分のダニーだが、エイミーの怒りがエスカレートすると、彼女に対抗心を燃やす。

登場人物

エイミー(アリ・ウォン)

画像: エイミー(アリ・ウォン)

人種イメージの押し付けにうんざり

ビジネスで成功し、リッチな家で夫や娘と暮らす。精神は不安定。

ダニー( スティーヴン・ ユァン)

画像: ダニー( スティーヴン・ ユァン)

うまくいかない日々にイライラ

韓国移民の一家の息子で、引きこもりの弟と同居。生活は不安定。

今後も気になる海ドラに参加! 気鋭の映画スタジオ「A24」

画像: 「THE CURSE/ザ・カース」U-NEXTにて独占配信中 ©2023 Winning Spirit and Sons LLC and Showtime Networks Inc. All rights reserved.

「THE CURSE/ザ・カース」U-NEXTにて独占配信中

©2023 Winning Spirit and Sons LLC and Showtime Networks Inc. All rights reserved.

映画界の風雲児、A24はドラマにも積極的。本作やゼンデイヤ主演「ユーフォリア/EUPHORIA」が絶賛を浴びる一方、エマ・ストーン主演「THE CURSE/ザ・カース」(U-NEXTで配信中)が話題。

今後も、映画「13日の金曜日」のドラマ版「クリスタル・レイク(原題)」、西島秀俊、YOUらが出演する「サニー(原題)」などに参加。

〈リミテッド/アンソロジー部門〉で無双! アジア系初の主演女優賞など8冠

画像: 受賞スピーチでは両親と娘に感謝したウォン Photo by Getty Images

受賞スピーチでは両親と娘に感謝したウォン

Photo by Getty Images

第75回エミー賞でリミテッド/アンソロジー作品賞を受賞した上、同部門ではダニー役のユァンが主演男優賞を、エイミー役のウォンが主演女優賞を受賞。特に後者はアジア系がエミー賞で主演女優賞に輝いたのは史上初だ。番組を企画したイ・ソンジンが同部門の監督賞・脚本賞に輝くなど、全8部門で受賞した(今年第2位)。

「BEEF/ビーフ」(原題「Beef」)
Netflixシリーズ「BEEF/ビーフ」独占配信中
クリエイター:イ・サンジン
出演:スティーヴン・ユァン、アリ・ウォン、ジョセフ・リー、ヤング・マジノ、パティ・ヤスタケ

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