アニメ「ブルーロック」主人公・潔 世一役の浦和希。今年3月には「第十八回 声優アワード」主演声優賞を受賞。多くの人気アニメで主要キャラクターを担当している。自身の声優人生に大きな影響を与えたという潔役を通して浦が得たこと、『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』(公開中)の主人公・凪誠志郎役の島﨑信長からの刺激とは。(文・タナカシノブ/写真・稲澤朝博/デジタル編集・スクリーン編集部)
画像1: 『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』浦 和希(潔 世一役)インタビュー

浦 和希 プロフィール

10月18日生まれ。大阪府出身。ヴィムス所属。主な出演作に『終末のハーレム』(土井翔太役)、『シャドウバースF』(真壁スバル役)など多数。第十八回声優アワードでは『ブルーロック』潔 世一役が評価され主演声優賞を受賞した。

画像2: 『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』浦 和希(潔 世一役)インタビュー

潔 世一 (声・浦 和希)

無名の高校生FW。いつか日本代表のエースストライカーになり、W杯で優勝するのが夢。県大会決勝でゴール前のチャンスでありながらパスを出した選択を悔いている。夢を叶えるため、そして人生を変えるために“ブルーロック(青い監獄)”プロジェクトに参加する。

──TVシリーズ、劇場版と演じてきた潔 世一への思いの変化などはありますか?

TVシリーズは、県大会での後悔で泣くところから始まり、世界一のストライカーになりたいという思いが芽生え、『生まれ変わるなら今だ!』という成長曲線が描かれます。すごく自分自身とリンクしている気がして、インタビューなどでも“自分と似ている部分がある”と答えていました。

でも、自分自身が成長したからこそ見えてきたことがあります。それは、潔は僕なんかよりも成長に貪欲だということ。僕はすごくおこがましいことを言ってきたなと、恥ずかしい気持ちになることがあります。

──キャラクターが見えてきたからこその気づきなのでしょうか。

潔の気持ちをひとつずつ積み上げてきた過程で気づいたことは、彼の本質は最初から変わらないという点です。CMでまだアニメ化されていない潔のセリフを演じる機会があり、収録前は自分にはまだ辿り着いていないところに手を伸ばしているような感覚があったのですが、いざ収録するとすごくすんなり言葉が出てきたんです。

自分の中にある潔の軸のようなものが、正解に導いてくれたような気がして。潔っぽさを出すことをいろいろと考えた時期もあったけれど、僕がやってきたことは間違ってなかったと思えた瞬間だったし、潔はもう僕の中に宿ってくれていたと感じてすごくうれしかったです。

──気持ちいい瞬間ですね。

もちろん、同じセリフをアニメで演じるときには、僕自身も成長しているから、お芝居に変化が出るはず。それはそれで楽しみだし、もしかしたら数年後、『あの時はまだ理解しきれていなかったんだ』と今の自分の発言にツッコミを入れることもあるかもしれないけれど(笑)。でも“潔が染み付いている”という感覚があったのは事実。今でもあの感覚をたまに思い出すことがあります。

画像3: 『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』浦 和希(潔 世一役)インタビュー

──『ブルーロック』は浦さんにとってどのような作品になっていますか?

声優としてのあり方を変えてくれた作品です。作品を通していろいろな経験をさせてもらったことはもちろん、役者としてもすごく参考になる作品です。今まで自分が積み上げてきたものを一回ゼロにしてでもまた生まれ変わって成長していく。そういう決断はなかなかできないこと。

僕も声優としてキャリアを重ねる中で、なんとなく自分の型のようなものに頼ってしまうことがあります。安全に平均点が取れるお芝居に逃げたくなる事も正直あるんです。でも、世界一のストライカーを目指す潔たちの姿を見て、それではダメだなと。必死に考えて、外してもいいからとにかく全力のシュートを打つ。平均点なんて論外、200点を目指す! くらいの熱量を今の僕は持っています。

──話し方からも熱量が伝わってきます。そのアツさは浦さんがもともと持っていたものなのでしょうか?

僕の中に眠らせていたものだと思います。頑張るのがカッコ悪いとか、誰かにどう見られるのかとか関係ない。誰がなんと言おうと全力で頑張る。それが恥ずかしくないことだと教えてくれたのが『ブルーロック』。眠っていた自分を呼び覚ましてもらった気がします。

hair&make・ 髙山 愛梨(M's hair&make-up) /styling・ホカリキュウ

『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』公開中

画像: 『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』公開中

「めんどくさい」が口グセの高校2年生・凪誠士郎は、日々を無気力に生きていた。W杯優勝を夢見る同級生の御影玲王が、その才能を見つけだすまでは。

玲王に誘われるがままにサッカーを始めた凪は、圧倒的なサッカーセンスを発揮。ある日、“ブルーロック(青い監獄)”プロジェクトの招待状が届く。そこで待ち受けていたのは、潔 世一、蜂楽廻、糸師凛ら、全国から集められた選りすぐりのストライカーたちとの出会いだった。玲王とはじめた世界一への挑戦が、凪をまだ見ぬ世界へと連れて行く…。

『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』
公開中
日本/2024/配給:バンダイナムコフィルムワークス
監督:石川俊介
声:島﨑信長、内田雄馬、興津和幸、浦 和希

©金城宗幸・三宮宏太・ノ村優介・講談社/「劇場版ブルーロック」製作委員会

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