「猿の惑星」シリーズを振り返る
フランスの小説家ピエール・ブールのSF小説を、20世紀フォックスがフランクリン・J・シャフナー監督、チャールトン・ヘストン主演で映画化した1968年製作の大作『猿の惑星』は、人間が猿に支配される惑星が舞台という衝撃的な内容と、当時驚かれた猿のメイク技術、さらに「絶望的な人類の運命」を暗示させる映画史に残るラストシーンなどの話題があいまって大ヒット。
批評家からの高い評価も受け、第41回アカデミー賞では特殊メイク担当のジョン・チェンバースが名誉賞を受賞した。
この大成功を受けて、早速シリーズ化が検討され、1970年には『続・猿の惑星』を製作。さらに『新・猿の惑星』(1971)『猿の惑星・征服』(1972)『最後の猿の惑星』(1973)と次々新作が作られたが、評価的には徐々に振るわなくなっていった。
そして映画版が終了すると、1作目の続きのストーリーに当たるテレビ・シリーズ「猿の惑星」(1974)が作られるほど一般ファンには愛され、誰もが知るSFシリーズとなった。
1980年代に入ると「猿の惑星」再始動の計画が持ち上がったが、なかなか実現に至らず、1999年になって大きな動きが見られ、ついにティム・バートンが監督に就任する。こうして2001年に『PLANET OF THE APES 猿の惑星』(マーク・ウォールバーグ主演)が公開。リメイクではなく、新たに一から仕切り直すリ・イマジネーションと呼ばれた。
こちらは続編は作られなかったものの、「猿の惑星」を続ける企画は再び進行し、2011年、『猿の惑星』の起源を描くリブート版となる、ルパート・ワイアット監督の『猿の惑星:創世記』が公開。主人公シーザーをアンディ・サーキスがモーション・キャプチャーで演じ、以後の2作(『猿の惑星:新世紀』『猿の惑星:聖戦記』。監督はマット・リーヴス)も連続して同役を熱演した。
この3部作では猿が知性を持ち、人間との最終戦争に至るまでを描いた。そしてシリーズ完全新作『猿の惑星/キングダム』(2024)はさらに今から300年後の世界を描く。そのラストには、1作目に匹敵するような衝撃の結末が待っているという。
『猿の惑星』『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』ディズニープラス配信中
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『猿の惑星/キングダム』
2024年5月10日(金)公開
アメリカ/2024/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
監督:ウェス・ボール
出演:オーウェン・ティーグ、フレイヤ・アーラン、ケヴィン・デュランド、ピーター・メイコン、ウィリアム・H・メイシー
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