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“フュリオサというキャラクターを全力で守ることが私の責任だと感じました”
(アニャ・テイラー=ジョイ)
“前からアニャのファンでしたがこんなに圧倒されるとは思っていませんでした”
(クリス・ヘムズワース)
2016年のアカデミー賞で最多部門を受賞し、日本でも多くの熱狂的ファンを生んだノンストップ・カーアクションの金字塔『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。その「マッドマックス」サーガの新たな物語となる『マッドマックス:フュリオサ』がいよいよ5月に日本公開を迎える。
前作でシャーリーズ・セロンが演じたフュリオサの若き日を演じるのは『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』でピーチ姫の声を演じるなど話題作が途切れない人気女優アニャ・テイラー=ジョイ。そしてその宿敵ディメンタス将軍役を「マイティ・ソー」シリーズのクリス・ヘムズワースが演じる。
先日行われたアカデミー賞では短編&長編アニメーション賞のプレゼンターとして登壇し、宮﨑駿監督作『君たちはどう生きるか』の受賞をアナウンスする役目も担った二人。今回のインタビューは、砂漠での過酷な撮影を“仲間”として乗り越え、お互いにリスペクトしあう二人の関係性が伝わるものとなった。
──アニャ・テイラー=ジョイへの質問です。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でシャーリーズ・セロンが演じたフュリオサの若き日を演じるのは、あなたにとってどれほどチャレンジングなことでしたか?
アニャ・テイラー=ジョイ(以下アニャ) シャーリーズの(役への)解釈を通してこのキャラクターに恋をすることができたのは、とても幸運だったと思います。『怒りのデス・ロード』を観たとき、私は世界の他の人たち同様に、もう一本の映画があるとは想像もしていませんでした。シャーリーズの演技は本当に完璧で、私の魂だけでなく多くの人々の魂に忘れがたい印象を残したと思います。
この(『マッドマックス』の)世界がとても豊かに描かれていて、脚本に描かれている人物に強いつながりを感じられたことは、とても幸運でした。フュリオサを全力で守ることが私の責任だと感じました。願わくば自分が良い仕事をしているといいんですが…。
クリス・ヘムズワース(以下クリス) 君は本当にそれをやったよ。
アニャ ありがとう。
──クリス・ヘムズワースへの質問です。予告編の中で、あなたが赤いマントを羽織っているショットがありました。あなたはちょっとソーのようでしたが、ヒーローではなく悪役を演じるのはどんな感覚でしたか?
クリス 僕はそれ(悪役)を演じるのが大好きでした。とても新鮮でしたね。ヒーローにはあるルールや期待というものがあって、いつもそうだとは限らないけれど、そういったことに忠実である必要がある。だから、そうした期待やルールで僕自身を縛らないのは、とても楽しいことでした。そこから生まれる予測不可能な自発性みたいなものがあったんです。
それからマントの話は興味深いものでした。僕がジョージ(ミラー監督)にその話をしたら、ジョージは『ああ、(ソーのマントと)ちょっと似てるね』と言いました。それで僕が『ちょっと似たものにならないか心配なんだけど』 と言ったら、彼は『そうかもしれない。(でも)多分それはいいことかもしれない。わからないよ』と答えたんです。そうやってジョージ流に質問を退けて、僕たちは赤いマントでやり続けたんです。
アニャ (マントは)とてもかっこよかった。映画を見れば、それは完全に納得がいくはず。
クリス 赤いマントになったのにはクールな理由があるんだ。そのことは…
アニャ ソーとは関係ない。
クリス ソーの赤いマントは…なんて言ったらいいのかな。僕は赤いマントが大好きなんだ。次はスーパーマンをやるよ(笑)
──「マッドマックス」の世界での経験はお二人にとってどんなものでしたか?
クリス アニャとの仕事は大好きです。以前からアニャのファンではありましたが、今回の撮影を通して、こんなに圧倒されるとは思っていませんでした。僕は何年もの間、(演技で)誰かと向かい合って、怖気づくことはありませんでした。でも、アニャと向かい合って彼女の魂を覗き込み、膨大な知的経験、物凄い奥深さを見たんです。
特にあるシーンでは『なんてことだ。(新人だった)20年前に出演したテレビドラマの撮影初日に戻った気分だ』と思ったのを覚えています。それぐらいナーバスになったんです。でも、そういうことが自分を奮い立たせ、『さあ、行くぞ。ペースを上げて、自分のゲームをやるぞ』と思わせてくれたのは最高でした。
アニャのフュリオサというキャラクターへの献身や激しい情熱にとても感謝しています。彼女と同じように情熱を傾けようという意欲が、僕の中でさらに湧きましたから。
アニャ それはとても素敵。
クリス 僕は(君の)ファンなんだ。
アニャ 私はクリスの寛大さと謙虚さを本当に尊敬しています。というのも、こういった大作を作り始めると、私たちがなぜこの仕事に携わっているのかという気持ちは二の次になることがあると思うのです。
私自身は、この仕事が本当に好きな人は、華やかさや、自分が大物だと思われるためにこの仕事をしているのではないと信じています。人や世界を創造し、物語を語るためにそれをやっているんです。クリスはまさにその見本のような人で、一緒に仕事をするのは本当に素晴らしい経験でした。
私はこの映画の多くの部分でとても孤独でした。でも実際に撮影現場に足を踏み入れる前に、私たちは一緒に時間を過ごして、クリスに駆け寄ってこう言いました。『ここに仲間がいてくれて本当にうれしい』と。クリスについてはいくら褒め言葉を言っても足りません。
クリス 僕たちのやりとりの多くは、お互いにセットの向こう側にいるような感じでした。彼女が手を振ったり、睨みつけたり、叫んだりしながらのシーンで、近い距離でのやりとりは数回しかありませんでした。そして、それはとても激しいシーンでした。でも本当にジョイ(喜び)でした。
アニャ 私も同じ。
クリス (アニャ・テイラー)ジョイだね。(それが洒落なのは)意図していなかったけど、今は意図して言っているよ。
『マッドマックス:フュリオサ』2024年5月31日(金)公開
2015年に公開された『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に続く「マッドマックス」サーガ最新作。前作でシャーリーズ・セロンが演じた怒りの戦士フュリオサの新たな物語が明かされる。
若きフュリオサ役で主演を務めるのは、ハリウッド最旬の俳優として熱い視線を集めるアニャ・テイラー=ジョイ。対する宿敵ディメンタス将軍役にはアベンジャーズの“マイティ・ソー”役でおなじみのクリス・ヘムズワース。
『マッドマックス:フュリオサ』
2024年5月31日(金)公開
監督:ジョージ・ミラー
出演:アニャ・テイラー=ジョイ、クリス・ヘムズワース
配給:ワーナー・ブラザース映画
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