直木賞をはじめ数々の賞を受賞し、昨年の11月5日に100歳を迎えた作家・佐藤愛子のベストセラーエッセイ集が実写映画化された。『九十歳。何がめでたい』(6月21日(金)公開)である。主人公の佐藤愛子を草笛光子が演じ、監督を前田哲が務める。このたび、木村多江が演じる、編集者の妻・吉川麻里子の場面写真が解禁された。

原作はシリーズ累計発行部数178万部の大ベストセラー

佐藤愛子のベストセラーエッセイ集「九十歳。何がめでたい」は2016年5月まで1年に渡り「女性セブン」(小学館)に連載され、90歳を迎えヘトヘトになった作家自身の日々の暮らしと世の中への怒り、戸惑いが綴られている。

書籍化されるやその「老い」や「現代社会」に対する歯に衣着せぬ物言いと独特のユーモアで「人生100年時代」といわれる現代を生きる老若男女に多くの共感を得た。その後98歳を迎え、ますますヘトヘトになった日々の暮らしを綴った続編「九十八歳。戦いやまず日は暮れず」も刊行され、シリーズ累計発行部数は178万部の大ベストセラーとなった。

実在の主人公・作家佐藤愛子を演じるのは、昨年の10月22日に“90歳”を迎えた草笛光子。近年では映画『老後の資金がありません!』で、主人公を悩ますチャーミングな浪費家の姑役、映画『次元大介』では、世界一の銃職人役と、幅広いキャラクターを演じており、本作では“世の中を痛快に一刀両断する90歳の作家”という役どころに挑んだ。

「草笛光子が主演を務めるなら」と喜んでオファーを受けた木村多江

このたび解禁されたのは、木村多江が演じる愛子の担当編集者・吉川の妻・麻里子の場面写真。仕事に没頭し、家庭を顧みない夫の吉川(唐沢寿明)に不満を抱えながらも、娘のためを思って家族を支えてきた麻里子。

しかし、奇しくも夫が担当する愛子のエッセイの歯に衣着せぬ言葉に感化され、離婚を決意。自身の幸せを求めて起業し、新たなチャレンジを始めることになる。解禁された場面写真からはそんな麻里子の思い悩む姿や一転して吹っ切れた表情を見ることができる。

日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞を受賞した『ぐるりのこと。』(08)をはじめ映画・ドラマを中心に活躍を続けている木村。本作への出演について、「草笛光子が主演を務めるなら」と喜んでオファーを受けたという。さらに「台本を読んだときにとても温かくて、勇気をいただいたような気持ちになった」と振り返る。

また共演歴が多く、ドラマ「24 JAPAN」(20/EX)などでも夫婦役を演じたことのある唐沢との共演については「いつもとは違うビジュアルで、何度も唐沢さんとは夫婦役をやらせていただいておりますが、全く違う唐沢さんと出会えました。役作りの話を聞いて(唐沢演じる)吉川のパワーに(麻里子は)押され気味だったんだなと想像して役を作らせていただきました」と語り、共演が多いからこその信頼関係の中でこれまでにない夫婦の形を作り上げていったことを明かしている。

果たして麻里子は愛子のどんな言葉を受けて自身の幸せを見つめ直し、新たな人生を踏み出すことになるのか。そして、その決断は夫の吉川にどんな影響を与えることになるのか。木村と唐沢が演じる吉川夫妻の行く先に注目したい。

『九十歳。何がめでたい』 
2024年6月21日(金)全国公開 
原作:佐藤愛子「九十歳。何がめでたい」「九十八歳。戦いやまず日は暮れず」(小学館刊)
監督:前田哲 
配給:松竹 
©2024映画「九十歳。何がめでたい」製作委員会 Ⓒ佐藤愛子/小学館

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