『フィリップ』が6月21日(金)に公開される。このたび、痛々しいフィリップの姿を捉えた本編特別映像が解禁された。
トラウマから感情が凍り付いた男の孤独
このたび公開された映像は、自らの孤独を<復讐>で埋めようとするフィリップを捉えたもの。
「独りはもうイヤ」「ヨハンがロシア前線から戻ってくるのは4ヶ月も先なの。早く会いたい」。いつものようにプールサイドでナンパしたドイツ人女性から、情事の最中に甘えた言葉を投げかけられたフィリップ。寂しい心を埋めてもらいたい、優しくしてもらいたいー女性の無邪気な言葉だったが、それは、もう2度と恋人に会うことが出来ない彼にとっては苛立ちでしかなかった。
「何年もあとにロシアのどこかの塹壕で彼の遺体が見つかる」「俺は男娼と違う。軽く見るな」と、容赦ない言葉を次々と浴びせていくフィリップの姿は、痛々しいほどの哀しみに溢れたものとなっている。
監督はミハウ・クフィェチンスキ。1990年代よりテレビプロデューサー兼演出家としてキャリアを重ね、21世紀に入って以降はポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダ監督作品のプロデューサーとして、後期代表作である『カティンの森』、『ワレサ 連帯の男』、そして遺作『残像』まで製作を勤め上げた。
本作の映画化の大きな理由のひとつとして「ポーランドで愛する人を亡くしたユダヤ人の主人公は、そのような状況下で何を感じるでしょうか? 私はティルマンドの本を心理的で緻密な映画にし、トラウマから感情が凍り付いた男の孤独を研究することに決めました」と明かしている。
『フィリップ』
6月21日(金) 新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国公開
配給:彩プロ
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