ラウール プロフィール
2003年6月27日生まれ。東京都出身。2020年、Snow Manとして「D.D.」でCDデビュー。パリコレへも参加するなどモデルとしても注目を集めている。ダンスの才能を高く評価されるとともに、単独初主演映画『ハニーレモンソーダ』(2021)では端正なルックスの奥に優しさと孤独を抱えた高校生を、Snow Man主演映画『おそ松さん』(2022)ではトド松を演じて、コミックやアニメの実写化でも映える魅力と表現力を印象づけた。
──ラウールさんが演じる威吹荒邦のみならず、奥平大兼さん演じる染島澄彦ら錚々児高校3年4組のクラスメイト全員が、出口夏希さん演じる赤羽骨子のボディガード。破天荒な世界観のなかで、荒邦にはどういうスタンスで臨まれましたか。
登場人物も多いですし、序盤からものすごい情報の波が押し寄せてくるのが心地よくて、脚本を読んだときはワクワクが止まらなかったです。自分がやる意味や実写化する意味を考えると、日常をナチュラルに描く作品では感じられないようなキャラクター感溢れる瞬間を届けるのがいいのかなと。
荒邦の軸だけは原作からいただいて、ビジュアルや動きは忠実に守っていきながら、そういう部分を全開にして行ってやろうみたいな。なので、現場にいるときも、ステージに立ってるかのような感覚はあったかもしれないです。
──荒邦はケンカっ速さとイカつい見た目で恐れられているインパクトの強いキャラクターです。
最初は自分とはかけ離れている印象があったんですけど、やっていけばいくほど自分に近い要素が見えてきて。たとえば何か物事があったときに、僕も周りに自分の気持ちを話すタイプだったり。チームでひとつの目標を成し遂げていくときに生まれる絆の感覚も、グループで活動している自分がいつも感じてるところに近い。
そういう要素を自分と重ね合わせるというか、自分の要素を0にするのではなくて、ちょっと変化させて荒邦に持っていく感覚だったので、後半のほうはすごく楽しく撮影できました。
──石川淳一監督とは、どのようなお話を?
できるだけ振り切ってやってみようという感覚を最初にお見せしたときに、“いい感じかもね”というリアクションを監督からいただいたんです。おかげで、自分の感覚を信じてできたのかなというのはあります。あと、“このシーンの荒邦はどういう気持ちになってるんですかね”とか、自分から監督に聞きに行くことのほうが多かったですね。
生徒が集合するシーンでは、何か事態が動いたら、荒邦のリアクションやセリフがひとつ入ることが多くて。そこの自分のテンション感がクラスメイトのテンション感に繋がりますし、登場人物の数も多いので、自然な感じのリアクションよりは、振り切ったものを見せてもいいんじゃないかなという話はよくしてました。
──ラウールさんは、どんなところに荒邦の魅力を感じますか。
やっぱり、真っ直ぐさ。少年漫画の主人公と言えばこういうヤツだよなっていう。その真っ直ぐさに一瞬の曇りもないというか、計算高さもないし。だけど、いざというときにちょっとした賢さや男気みたいなものを発揮するのが愛されポイントなのかなって。
その真っ直ぐさを表現するために、ひとつのことしか考えないようにしてましたね。自分はいくつものことを考えちゃうタイプだけど、彼はその瞬間はひとつのことしか考えてないので、すごく単純な思考回路でいようと意識してました。わかりやすく喜怒哀楽がクルンクルンと変わる、みたいな(笑)。
──骨子の命を狙う敵が次々と襲いかかるだけに、戦うシーンも多いです。どのような準備をされましたか。
今回はアクションというよりは、リアルに人間同士が殴り合うような芝居だったので、人がケンカしてるようなデンジャラスな映像とかいっぱい見てました。ケンカってしたことなかったので。アクション映画も観たんですけど、そこまでフィットしなかったというか。アクション部の人にも“荒々しく、ケンカらしく戦うほうがいいよね”とずっと言われていたので、ケンカってどんな感じなんだろうっていうのはすごく意識してました。
実際、現場ではいろんなアクションの練習や勉強の時間は長めにあったんですけど、撮影当日はそのことを忘れてじゃないけど、気持ちで行くことを意識してたのかな。
──『ハニーレモンソーダ』のときは恥ずかしくて、ヒロイン役の吉川愛さんの顔を見られなかったとおっしゃっていましたが、今回は?
骨子は幼馴染みですし、ずっと喋ってるキャラクターなので、出口さん本人も現場でもずっとその感じというか。おかげで自分もいい意味で緊張感なくできたのかな。出口さんは、心をつかむお芝居をする方だなと思いました。骨子の心が動く瞬間に出口さんのスイッチが入ってるシーンがあるんですけど、その表情を見たときに自分もすごく刺激を受けて。それもありがたかったです。そのシーンには、出口さんきっかけで生まれたおたがいの雰囲気が詰まっているので。
──さまざまな特技を持つクラスメイトを演じるキャストも個性的。現場で生まれるものの力を感じることも多かったのでは?
荒邦はクラスメイトに煙たがられている一匹狼的な存在だったのが、ひとつの目標に向かって徐々にみんなが結束していきだす瞬間があるんです。監督的にはそこでちょっと嬉しそうな荒邦の笑顔を撮りたいということで、そのシーンはみんながいじってくれたりして、笑わせてくれました。それもすごくありがたかったし、自分も自然と嬉しくなれたので、ひとつ距離が近づいたなという瞬間は、確実にそのシーンにあるのかな。
──ちなみに、推しキャラはいますか。
うわ、誰だろうな。ムズイですけど…。モグライダーの芝(大輔)さんが演じる海代(朱雀)さん。味があるというか。ご本人は40歳ですよね? その年齢差で同級生を演じさせてもらう嬉しさもある。“ダブルスコアだもんね。俺の子供でもいけるもんね”という会話を現場でもよくしてました。
hair&make/TAKAI styling/横田勝広(YKP) 衣装/Ayne Instagram:@ayne_tokyo、@ayne_doppio
『赤羽骨子のボディガード』
とある事情から100億円の賞金をかけられた赤羽骨子の幼馴染である威吹荒邦。大好きな骨子を守るためにボディガードとなった彼に与えられたミッションは、彼女にバレることなく、守ること。だが、クラスメイト全員もまた、それぞれの特技を駆使して骨子を守るボディガードだった!
斬新で刺激的なストーリーで人気の丹月正光の同名コミックを、『変な家』(2024)の石川淳一監督で実写化。ヒロイン赤羽骨子に出口夏希、クラスメイトの司令塔である染島澄彦に奥平大兼をはじめ、さまざまな特技を持つボディガードたちをバラエティ豊かなキャストが演じている。
威吹荒邦(ラウール)
幼馴染みの赤羽骨子のボディガードとなったヤンキー高校生。自分のことを怖がらずに気さくに話しかけてくれる骨子に好意を抱いている。錚々児高校3年4組。
『赤羽骨子のボディガード』
2024年8月2日(金)公開
日本/2024/配給:松竹
監督:石川淳一
原作:丹月正光
出演:ラウール、出口夏希、奥平大兼、髙橋ひかる/遠藤憲一/土屋太鳳ほか
©丹月正光/講談社 ©2024映画『赤羽骨子のボディガード』製作委員会