名匠リチャード・リンクレイター監督が、グレン・パウエルを主演と共同脚本に迎えた『ヒットマン』。ノワール、ロマンス、スリラー、コメディとさまざまなジャンルの要素が組み合わさった、コミカルでスリリングな今作の魅力をご紹介します!(文・相馬学/デジタル編集・スクリーン編集部)

リチャード・リンクレイター監督 インタビュー

画像: リチャード・リンクレイター監督 インタビュー

—トーンやジャンルがつかみにくいところのあるこの映画をどう表現しますか?

「この映画は、コメディ、ノワール、スリラー、心理学など、さまざまな要素を盛り込みながら、アイデンティティという概念と、私たちの人格がいかに固定的であるか、あるいは固定的でないかを検証しています。『ヒットマン』では、フィルム・ノワールやちょっとセクシーなスリラーのようなアプローチをして様々なジャンルが混在していますが、コメディが他のすべてに勝っています。それがこの映画の特徴だと思いますし、いろいろなことが描かれているので、何を描いているのか短い言葉では説明できません。でも筋書きとしては、ちょっと深入りしすぎた男の話なのです。彼の情熱は、他の誰かになりすましながら、恋する相手を欺く方向へと向かっていくのです」

—グレン・パウエルとは彼が10代の頃から一緒に仕事をしていて、今作は共同で脚本を書いていますね。彼との仕事のどんなところが好きですか?

「彼は素晴らしい仲間です。彼はまさにチームのキャプテンで、みんなに寄り添い、助け、勤勉です。私はいつも、スポーツチームに例えるのですが、チーム最高の男が、最もよく働く男だとしたら?勝てるかもしれない。でも、もしキャプテンが面倒くさがり屋だったら、みんなにとっていい結果にはならない。つまり制作現場全体の士気を下げてしまいます。その人が他の役者に寛大で、すべてを捧げ、素晴らしい仲間であることが本当に重要です。それがグレンなんです。彼は賢いから『彼らがダメなら、私もダメだ。これは良くない』と理解する。そんなふうに彼はみんなに寄り添うんです」

リチャード・リンクレイター監督 プロフィール

1960年7月30日、アメリカ合衆国テキサス州生まれ。オースティン映画協会の芸術監督を務める。主な長編映画は「ビフォア」3部作(95-13)、『スクール・オブ・ロック』(03)、『6歳のボクが、大人になるまで。』(14)、『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』(16)、『バーナデットママは行方不明』(19)など。

『ヒットマン』
2024年9月13日(金)公開
アメリカ/2023/1時間55分/配給:KADOKAWA
監督:リチャード・リンクレイター
出演:グレン・パウエル、アドリア・アルホナ、オースティン・アメリオ、レタ、サンジャイ・ラオ、モリー・バーナード

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