これまでに経験した最も楽しい撮影は、親友リヴァー・フェニックスとの撮影だと語るキアヌ。今もなお、彼にとってリヴァーという存在は“美しい魂”そのもの。今回は、2人に何度もインタビューした金子裕子さんに、印象深いエピソードや言葉と共に、その歩みを振り返ってもらいました。
(文・金子裕子/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:『マイ・プライベート・アイダホ』写真:Album/アフロ

長い時を超えても
色褪せないリヴァーへの思い

 キアヌがリヴァーの訃報を知ったのは『スピード』(94年)の撮影中(93年10月)。彼にとっては家族を失うのに匹敵するくらいの悲しい出来事だったが、その日もカメラの前に立ちひたすら演技を続けていたという。俳優としていい仕事をすることが、友へのいちばんの弔いであるかのように……。

 あまり私生活を明かさない秘密主義のキアヌだが、2021年の「Esquire」で、珍しくリヴァーについて語っている。それも「He is…」と現在形で語り始め「彼のことを過去形(He was)と語るのは嫌いなんだ」と前置きをしてから。

「彼は本当に特別な人だった。独創的でユニークで頭がよく才能があって、猛烈にクリエイティブだった。思慮深い。勇敢で、そして面白い。闇でもあり光でもあったよ。彼と知りあえて本当に良かった。心を揺り動かされた。いまでも会いたい」

 長い時を超えても色褪せない友への想いに、泣かされる。そして、その悲しみを公に語ることができるようになったキアヌに、大人の成熟と、公私共に充実と幸せに満ちた“いま”を感じてしまうのだった。

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