『恋を知らない僕たちは』猪狩蒼弥インタビュー

2024-09-14

スクリーン編集部 @ SCREEN

　大人気少女漫画の実写化映画『恋を知らない僕たちは』に、映画初主演の大西流星（なにわ男子）や、窪塚愛流、齊藤なぎさ、莉子、志田彩良といった話題の若手キャストと共に出演し、主要キャラクターを好演している猪狩蒼弥。同年代が集結した撮影現場についてや、本作への出演をきっかけに新たに挑戦したことなど、たっぷりと語ってもらった。
（文・清水久美子　写真・野口貴司（san drago）／デジタル編集・スクリーン編集部）

猪狩蒼弥プロフィール

　2002年9月20日生まれ。東京都出身。「HiHi Jets」のメンバー。数多くのバラエティ番組や、TVドラマ「恋の病と野郎組」（19）、「全力！クリーナーズ」（22）、「トモダチゲームR4」（22）、映画『オレたち応援屋!! We are Oh&Yeah!!』（20）、『先生の白い嘘』（24）などに出演。

──『恋を知らない僕たちは』に出演が決まるまで、少女漫画は特に読んだことがなかったそうですね。

「そうなんです。恋愛系のキラキラした作品は、あんまり柄じゃないと思っていたので、お話をいただいてビックリしました。でも、原作を読ませていただいたら、瀬波太一は自分に近いキャラクターだったので、こういう役だったら確かに俺にピッタリかもしれないと思いました」

── 酒井監督とは、役についてどのようなお話をしましたか?

「撮影が始まる前の打ち合わせの段階で、『あまり台本を意識しなくていいですよ』とおっしゃられて。どこまでがセリフで、どこまでがアドリブか分からないくらいの感じで、太一として盛り上げてほしいといったことを言われました。監督が意図して、俺と太一のキャラクターを混ぜてくれたんだと思います。なので、撮影はすごくやりやすかったです」

── 実際に出演してみて、恋愛作品への印象は変わりましたか?

「この作品は、俺のイメージしていた恋愛ものとは全然違いました。少女漫画って、奇跡の連続の末、最終的に結ばれるという感じだと思っていたんですが、本作には良い意味で裏切られたというか。本命にはなかなか向かっていけず、それでいて『そこが付き合うんだ!』と驚くような展開になって。恋愛漫画のお約束やセオリーを裏切っていくところに、逆にめちゃくちゃ興味を持ちました」

── この映画の特に魅力的だと思うところは?

「登場人物の多さと、その一人一人を細かく描いているところですね。原作は11巻あって、メインの6人それぞれの物語がありますが、それを2時間ほどの映画でも丁寧に描くというのは、すごいことだと思います」

── 本作には同年代の人たちが集結していますが、撮影現場はどんな感じでしたか?

「距離感の近い現場でした。恐らくこの6人が同じクラスだったら、こんな感じになるだろうなという予想ができる、盛り上がり感がずっとありました。カメラが回っていない時は『ワードウルフ』をやって遊んだりしていました（笑）」

── 太一は高校に入学して、英二と仲良くなりますが、英二役の大西さんとは、撮影前に何かお話しされましたか?

「特に話すチャンスがなくて。大西君と知り合ったのはは8年以上前で、彼が関西から東京に来た時は一緒にご飯に行ったりもしたんですけど、最近は機会がなかったんです。なにわ男子ではどちらかと言うと、みっちー（道枝駿佑）や（高橋）恭平との距離の方が近かったので、今回の映画の出演が決まって、みっちーに大西君について聞いてみたら、すごくいい人だと教えてくれて、本当にその通りでした。いたずらっ子っぽいところもあって、バランサー的な人と言うのかな。一緒にいて楽しい人です」

── 本作は青春映画でもありますよね。猪狩さんは中学・高校とお仕事をしながら学生生活を過ごしてきたので、太一とは少し違うと思いますが、青春の思い出と言うと何が浮かびますか?

「高校の友達とは今でもめちゃくちゃ仲が良いので、青春が継続している状態です。高校時代はボーリングに行ったり、ちょっと背伸びして渋谷に買い物に行ったり。そのドキドキ感は良い思い出ですね。同じ会社の仲間で言うと、岩﨑大昇や、昔仲の良かった子たちと過ごした思い出も、たぶん青春。その頃の感覚はもう戻ってこないし、同じことをしても、同じ気持ちにはなれないから、それが青春なんだろうと思います」

── 太一の青春は、軽音楽部のバンドでギターを弾くことだと思いますが、猪狩さんは今回がギター初挑戦だったそうですね。

「初めてでした。ギター専門の先生に指導していただいて、一生懸命練習しました。すごく好きになったので、これからも続けていきたいです。もともと曲作りが好きなんですが、これまでは鍵盤ベースで作っていたから、やっぱりリフを入れたいなと思った時に、ギターが弾けると、一気に自分の中で音楽の幅が広がるなと。そういう意味でも、今回はすごく良い機会をいただけたと思います」

※全文はSCREEN2024年10月号に掲載

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