今回で37回目を迎える東京国際映画祭。昨年から「東京から映画の可能性を発信し、多様な世界との交流に貢献する」という映画祭の理念を掲げているが、今年はその理念に則り「世界との交流」「未来の人材育成」「女性への視座」のポイントで映画祭を盛り上げていく。ナビゲーターに女優・菊地凛子を迎え、海外からも多くのゲストが来場、注目の企画も目白押し! この特集で期待作、イベントをチェックしてあなたも参加してみては?(文・米崎明宏/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:『十一人の賊軍』©2024「十一人の賊軍」製作委員会

ガラ・セレクション

画像: 『ブラックドッグ』 ©2024 The Seventh Art Pictures (Shanghai) Co., Ltd. All Rights reserved

『ブラックドッグ』
©2024 The Seventh Art Pictures (Shanghai) Co., Ltd. All Rights reserved

 世界の国際映画祭で話題を呼んだ作品、巨匠の最新作、本国で大ヒットした娯楽編など日本公開前の最新作をプレミア上映する人気部門。今年のカンヌ国際映画祭「ある視点部門」で最優秀作品賞を受賞した『ブラックドッグ』をはじめ、香港映画歴代1位のヒット作でルイス・クー、サモ・ハンら共演の『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』、ジェシー・アイゼンバーグ監督・主演の『リアル・ペイン~心の旅〜』、『ワンダー 君は太陽』の“もうひとつの物語”『ホワイトバード はじまりのワンダー』、大ヒット官能映画の新解釈版『エマニュエル(原題)』、エイミー・アダムス主演最新作『ナイトビッチ』、、カトリーヌ・ドヌーヴ、竹野内豊らが共演した『Spirit World(原題)』、映画草創期の映像集の続編『リュミエール!2(仮題)』、ディーン・フジオカが日本兵を演じる『オラン・イカン』といった世界各国の最新作や、日本からも『劇映画 孤独のグルメ』(松重豊監督・主演)、『サンセット・サンライズ』(菅田将暉主演)、『ルート29』(綾瀬はるか主演)、『雪の花ーともに在りてー』(松坂桃李主演)が劇場公開に先駆けて上映される。

画像: 『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』 ©2024 Media Asia Film Production Limited Entertaining Power Co. Limited One Cool Film Production Limited Lian Ray Pictures Co., Ltd All Rights Reserved

『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』
©2024 Media Asia Film Production Limited Entertaining Power Co. Limited One Cool Film Production Limited Lian Ray Pictures Co., Ltd All Rights Reserved

画像: 『リアル・ペイン〜心の旅〜』 ©2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved

『リアル・ペイン〜心の旅〜』
©2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved

画像: 『ホワイトバード はじまりのワンダー』 ©2024 Lions Gate Films Inc. and Participant Media, LLC. All Rights Reserved

『ホワイトバード はじまりのワンダー』
©2024 Lions Gate Films Inc. and Participant Media, LLC. All Rights Reserved

画像: 『エマニュエル(原題)』 © 2024 CHANTELOUVE - RECTANGLE PRODUCTIONS - GOODFELLAS - PATHÉ FILMS

『エマニュエル(原題)』
© 2024 CHANTELOUVE - RECTANGLE PRODUCTIONS - GOODFELLAS - PATHÉ FILMS

画像: 『Spirit World(原題)』 ©m.i.movies ©Zhao Wei Films ©WildOrangeArtists ©KNOCKONWOOD Inc.

『Spirit World(原題)』
©m.i.movies ©Zhao Wei Films ©WildOrangeArtists ©KNOCKONWOOD Inc.

アジアの未来

 長編3本目までのアジア(日本・中東含む)のフレッシュな作品を世界に先駆け上映するアジア・コンペ部門。日本=台湾=米合作の牛と男の物語『黒の牛』、新世代Jホラー『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』はじめ、アンソニー・ウォンが牧師を演じる香港製ドラマ『赦されぬ罪』、イランから斬新なサスペンス『冷たい風』と夫が自死した女性の不自然な行動を描く『春が来るまで』の2作、トルコ期待の女性監督のデビュー作『昼のアポロン 夜のアテネ』、マレーシアの女性たちの厳しい現実を描く『幼な子のためのパヴァーヌ』、アフガニスタンを舞台に対照的な女子大生2人を描く『シマの唄』、さらにコロナ禍の物語『三匹の去勢された山羊』と3時間に及ぶ長編『海で泳げない鯨』は共にアメリカ製作で中国系監督のデビュー作。ここから「アジアの未来 作品賞」が贈られる。

画像: 『黒の牛』 ©NIKO NIKO FILM / MOOLIN FILMS / CINEMA INUTILE / CINERIC CREATIVE / FOURIER FILMS

『黒の牛』
©NIKO NIKO FILM / MOOLIN FILMS / CINEMA INUTILE / CINERIC CREATIVE / FOURIER FILMS

画像: 『赦されぬ罪』 ©Federation of Hong Kong Filmmakers Limited

『赦されぬ罪』
©Federation of Hong Kong Filmmakers Limited

画像: 『シマの唄』 © Ton Peters

『シマの唄』
© Ton Peters

ワールド・フォーカス

 現在の世界の映画界の潮流を示す作品を上映。ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞したマティ・ディオップ監督のドキュメンタリー『ダホメ』をはじめ、ラヴ・ディアス監督の最新作でベネチア国際映画祭上映作『ファントスミア』、ダヨ・ウォンとマイケル・ホイ共演の香港映画『ラスト・ダンス』、ロカルノ国際映画祭上映作『ボーガンクロック』と『ファイヤー・オブ・ウィンド』、上海国際映画祭上映作『陽光倶楽部』などを紹介する。

画像: 『ダホメ』

『ダホメ』

画像: 『ラスト・ダンス』 ©2024 Emperor Film Production Company Limited. All Rights Reserved

『ラスト・ダンス』
©2024 Emperor Film Production Company Limited. All Rights Reserved

 またナンニ・モレッティ監督作や生誕100年となるマルチェロ・マストロヤンニ主演作を上映するイタリア特集、メキシコの巨匠アルトゥーロ・リプステイン特集など多彩な企画もこの部門で行われる。また共催のラテンビート映画祭では、先日のベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞したペドロ・アルモドヴァル監督作『The Room Next Door』の上映が決まった。

画像: 『The Room Next Door(原題)』 ©El Deseo. Photo by Iglesias Más

『The Room Next Door(原題)』
©El Deseo. Photo by Iglesias Más

日本映画関連

 日本映画の新作を中心に特に海外に紹介されるべき作品を上映する<Nippon Cinema Now部門>では以前Amazon Prime Video テイクワン賞を受賞したキム・ユンス監督の長編デビュー作『あるいは、ユートピア』、同じく同賞受賞のヤン・リーピン監督の『雲ゆくままに』、写真家・深瀬昌久とその妻・洋子を描く『レイブンズ』などを紹介する他、入江悠監督作品の特集で『SR サイタマノラッパー』から『あんのこと』まで5作を上映。また<日本映画クラシックス部門>では生誕100周年・増村保造監督特集で『陸軍中野学校 4Kデジタル修復版』など、没後10年・高倉健特集で『網走番外地』など、製作70周年となる『ゴジラ 4Kデジタルリマスター版』などを上映。一昨年復活した黒澤明賞は三宅唱監督、フー・ティエンユー監督が今回の受賞者となり、これに伴い「黒澤明の愛した映画」で『七人の侍』などを上映する。

画像: 『あるいは、ユートピア』 ©2024 Amazon Content Services LLC or its Affiliates

『あるいは、ユートピア』
©2024 Amazon Content Services LLC or its Affiliates

画像: 『あんのこと』 ©2023『あんのこと』製作委員会

『あんのこと』
©2023『あんのこと』製作委員会

画像: 『陸軍中野学校  4Kデジタル修復版』 ©KADOKAWA1966

『陸軍中野学校  4Kデジタル修復版』
©KADOKAWA1966

第37回東京国際映画祭

期間 2024年10月28日~11月6日(10日間)

会場 TOHOシネマズ日比谷、シャンテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネスイッチ銀座、角川シネマ有楽町、丸の内TOEI、丸の内ピカデリー2ほか千代田区、および中央区の劇場、ホール等を使用

タイムスケジュールなど詳細は公式サイトにて(チケットは発売中)

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