ヴェノムも「スパイダーマン」シリーズの悪役から人気者になったキャラですが、ダークヒーローよりさらに闇の深いヴィランたちも、時にヒーロー以上の人気を呼ぶことがあります。それは際立った個性に加え、演じる俳優の熱演・名演が相乗効果をあげているからかもしれません。ここでは名だたる名優たちが演じたアメコミ映画の代表的な人気ヴィランをピックアップしてみました。(デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:『ジョーカー』より TM & © DC. Joker © 2019 Warner Bros. Entertainment Inc., Village Roadshow Films (BVI) Limited and BRON Creative USA, Corp. All rights reserved.

ジョーカー 演:ホアキン・フェニックスほか

何人もの名優がチャレンジした最狂のヴィラン

画像: 何人もの名優がチャレンジした最狂のヴィラン

バットマン最大の宿敵で、基本的に白塗りの顔に耳元まで裂けて笑っているようなような口、緑色の髪という外見、異常なユーモアを持つサイコパスとして描かれるが、何度も映画に登場するうちに少しずつその背景が変わっている。近年最も有名になったのはホアキン・フェニックスがアカデミー主演男優賞を受賞した『ジョーカー』で、トゥレット障害を持つ貧困層の青年で、次第に精神が病んでいく姿を熱演。続編が公開中だ。その前には名優ジャック・ニコルソン、オスカー助演賞を獲得したヒース・レジャー、ジャレッド・レトもそれぞれに個性的なジョーカー像を生み出している。最新版は『THE BATMAN−バットマン−』に少しだけ登場したバリー・コーガンで、次回作での動向が注目される。他に60年代からTV版のジョーカーもいて、ファンからも長く愛されるヴィランだ。

『ジョーカー』

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発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント

TM & © DC. Joker © 2019 Warner Bros. Entertainment Inc., Village Roadshow Films (BVI) Limited and BRON Creative USA, Corp. All rights reserved.

ハーレイ・クイン 演:マーゴット・ロビーほか

危険すぎる“ジョーカーの恋人”

ゴッサム・シティの精神病棟に勤務する心理学者だった時、患者だったジョーカーと出会って恋におちたことから、ハーレイ・クインと名乗るようになった女性ヴィランで、映画では『スーサイド・スクワッド』で初登場以来、『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』の3作でマーゴット・ロビーがこれを演じ、ポップでキュートでワイルドなハーレイ像が確立。だがDC最新作『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』ではレディー・ガガが、危険な香りが漂う点は同じなのだが、まったく異質なハーレイ役を構築している。

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』

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販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント

BIRDS OF PREY TM & © DC. Birds of Prey and the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn © 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved

ペンギン 演:コリン・ファレルほか

画像: 「THE PENGUIN−ザ・ペンギン−」U-NEXTにて独占配信中 ©2024 WarnerMedia Direct Asia Pacific, LLC. MAX and related elements are property of Home Box Office, Inc. THE PENGUIN and all related characters and elements are copyrights and trademarks of DC. All Rights Reserved.

THE PENGUIN−ザ・ペンギン−」U-NEXTにて独占配信中
©2024 WarnerMedia Direct Asia Pacific, LLC. MAX and related elements are property of Home Box Office, Inc. THE PENGUIN and all related characters and elements are copyrights and trademarks of DC. All Rights Reserved.

ゴッサム・シティの裏社会で暗躍するワル

ジョーカー同様、バットマンを敵視しながら長くファンから愛されるキャラクター。そのバックボーンも映画では多少異なっているが、愛情に薄い子供時代を送ったことがトラウマになっている。ティム・バートン監督の『バットマン リターンズ』で怪演を見せたダニー・デヴィートがはまり役だったが、『THE BATMAN−バットマン−』で特殊メイクを施したコリン・ファレルがヴィランになる前のペンギンを演じ、映画のラストの1週間後からスタートする配信シリーズ「THE PENGUIN−ザ・ペンギン−」で同役をそのまま引き継いでいる。他に60年代TVドラマ版、「GOTHAM/ゴッサム」などにも登場。

ヴァルチャー 演:マイケル・キートン

画像: ヴァルチャー 演:マイケル・キートン

トニー・スタークに恨みを持つ“元会社社長”

『スパイダーマン:ホームカミング』に登場したヴィランで、元は作業会社の社長だったが、トニー・スタークが設立した会社に仕事を奪われてしまう。作業の間に発見したテクノロジーを黙って拝借してハイテク兵器製造に乗り出す。悪事を見抜いたスパイダーマンと戦うことになるが、プライベートの彼にはもう一つの顔が隠されていた…。かつてヒーロー、バットマンを演じたマイケル・キートンが、ここではヴィランとなってスパイダーマン=ピーター・パーカーを苦しめる。ちなみに『モービウス』のエピローグにも登場していたので、また何か悪だくみを考えている模様。

『スパイダーマン:ホーム・カミング』

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権利元:株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
発売・販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング

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マグニートー 演:イアン・マッケランほか

画像: 『X-MEN』ディズニープラスにて見放題独占配信中 © 2024 Marvel

『X-MEN』ディズニープラスにて見放題独占配信中 © 2024 Marvel

人類との共存を否定する古豪ミュータント

「X-MEN」シリーズに登場する最強ミュータントで、磁場を自由に操るパワーを持つ。平和的な人間とミュータントの共存を否定しているため、かつて親友だったが意見の異なるプロフェッサーXが率いるX-MENチームと度々対立。しかし目的に応じて彼らと共闘することもあり、単なるヴィランではない面も見せている。また子供時代にホロコーストを経験し、超能力を使って強制収容所を脱出した背景もあり。英国のベテラン俳優、イアン・マッケランがこれまで5回演じた当たり役の一つ。、その若き日を描くシリーズ3作ではマイケル・ファスベンダーが演じている。

史上最高のヴィランは誰?

アメリカン・フィルム・インスティチュート(AFI)が発表した「映画史上最高のヒーローと悪役ベスト100」では、悪役部門のトップに選ばれているのは『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクター博士。2位は『サイコ』の殺人鬼ノーマン・ベイツ、3位は「スター・ウォーズ」シリーズのダース・ベイダーとなっている。50位まで見て、アメコミ映画のキャラでは45位に『バットマン』の**ジョーカー(ジャック・ニコルソン演)が入っているのみ。おそらくこれはこのリストが発表されたのが2003年で、まだMCU映画などが作られる前のことだからだろう。現時点で再投票されればこの顔ぶれも大きく変わってきそう。ちなみにトップのレクター博士を演じたアンソニー・ホプキンスはMCU映画「マイティ・ソー」シリーズでアスガルドの王オーディンに扮している。

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