不穏さをかき立てる、不気味なパトリック家のこだわりにも迫る!
アメリカ人のベン一家は旅行中に意気投合したイギリス人のパトリック一家に自宅に招待され、週末を一緒に過ごすことに。楽しく滞在していたが、次第に一家の“おもてなし”に違和感を抱き始める・・・。
そんな本作からこの度、ベン一家がある理由でパトリック家を出ようと別れを切り出す場面を捉えた本編映像が解禁された。
ベン(スクート・マクネイリー)とルイーズ(マッケンジー・デイヴィス)は、娘のアグネス(アリックス・ウェスト・レフラー)に寄り添いながらリビングへと入ってくる。彼らはパトリック(ジェームズ・マカヴォイ)の家から離れるため、アグネスに思春期の変化が訪れたと嘘をついたのだ。
不安そうな様子のアグネスに、キアラ(アシュリン・フランチオージ)は「記念すべき日よ」と祝福の言葉をかける。しかし、ベンとルイーズは娘を心配する様子で「気持ちがまいってるみたい。娘を自宅へ帰したいの」と打ち明ける。
突然帰ると言い出した彼らに対し、パトリックとキアラは不満そうな表情を浮かべる。「それじゃ横になる?」と、穏やかに引き留めようとするが、それでもルイーズはアグネスが家に帰りたがっていることを繰り返し強調する。
続けてベンが「出発するよ」と告げると、パトリックとキアラはやむを得ず受け入れる様子を見せ、「たまに2人とも度が過ぎて…」と、自分たちの振る舞いを反省しているような言葉を漏らす。そんな彼らに、ベンとルイーズは「まさか 2人のおかげで気分転換になった」と顔を見合わせながら感謝の言葉を送る。パトリックは「優しいこと言ってくれるね」と嬉しそうに目尻を下げるが、その笑顔の裏には何かを企んでいるかのような不穏な雰囲気を漂わせるのだった…。
表面上はお互いに思いやりのある言葉を交わしながらも、その裏側で秘められた本心がにじみ出ているスリリングな会話を映し出している。
登場人物たちの間に流れる微妙な空気が、物語全体に不安感をもたらしている本作であるが、その不穏さをさらに増幅させているのが、壮絶な“おもてなし”の舞台となるパトリック一家の家だ。
製作陣は、物語の中核となる農場の家を見つけ出すことに並々ならぬ労力を費やした。数々の検討を経て、イギリスのグロスターシャー州にある、人里離れた広大なゲートつきの農場が選ばれ、そこに建つ400年前の木の骨組みとレンガ造りの建物がメインの家となった。
ジェームズ・ワトキンス監督は「中世の城の天守閣や監獄の中庭を連想させるような、防衛的でもあり監禁的でもある、そんな場所だった」と気に入った理由を振り返る。
さらに、美術担当のジェームズ・プライスと彼の美術チームは、家中のカメラに映らない場所にまで不穏な装飾を加えている。その細かい装飾の中には、首を切られたり、木に吊るされたりした人々が描かれたオランダのデルフト焼きのキッチンタイルや、ありふれたデザインの壁紙の剥がれた箇所から顔をだす無数の目玉がプリントされた古い壁紙などがあった。
また、パトリック家のセットを担当したセット・デコレーターたちは、イギリスの田舎の海辺にある店で見られるような奇妙な骨董品や小物で家の中を埋め尽くす装飾に仕上げた。雑然とした物の配置の中には、ひっそりと邪悪な雰囲気を醸し出す小物もいくつか配置されている。
特に目を引くのは、部屋中に所狭しと並べられた何百もの小さな人形たちだ。これらの人形は皆、部屋の中央に目を向けず、別の方向や壁を見つめているように配置されており、まるで何かから目を逸らしているか、自らを隠しているような印象を与えている。この独特な装飾が、パトリック家の不穏な雰囲気をさらに強調している。
こうした美術スタッフによる細部へのこだわりは、キャストにとっても大きな助けとなったのだという。ベン役を演じたスクート・マクネイリーは「撮影前はあの家には何もなかったが、彼らは驚くほど細部までこだわってあの部屋を作りあげてくれた。キッチンのタイルには花やワゴンなど田舎風のモチーフが描かれているけど、よく見ると木からぶら下がっている男など、不気味なタッチのものもあるんだ。家全体がありふれた装飾で溢れていたけど、あちらこちらに奇妙で、居心地を悪くさせるようなものが散りばめられていた。彼らはキャストの役作りを手助けするような雰囲気を見事に作ってくれた。素晴らしい仕事をしてくれたよ」とセット・デザイナーたちの見事な仕事ぶりに賞賛を送っていた。
次第に不穏さを増していく“おもてなし”の先には一体何が待ち受けているのか…。そして、ベン一家はパトリック一家から逃れることができるのか…!?“口には出せない”想像を絶する恐怖を描く。
『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』
12月13日(金)全国公開
配給:東宝東和
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