まもなく2024年も終わり、新たな年を迎えます。そこでこの1年、映画界でどんなことが起こり、
どんな人が活躍し、どんな映画が話題を呼んだか、まとめて振り返ってみましょう!(文・米崎明宏/デジタル編集・スクリーン編集部)
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まずはハリウッドや日本を中心に映画界で起こった事件や出来事、現象などをプレイバック。
パリ・オリンピック、米大統領選挙などが世界的な注目を集めた1年でした。

パリ・オリンピックにトム・クルーズ登場

画像: パリ・オリンピック閉幕式に登場し、スタントを見せたトム

パリ・オリンピック閉幕式に登場し、スタントを見せたトム

2024年の世界的話題と言えば、パリで行われたオリンピックとパラリンピック。その中で映画ファンならずとも大勢の観客を驚かせたのが、閉会式でのトム・クルーズのサプライズ登場。「ミッション:インポッシブル」さながらにスタジアムの屋根から飛び降りたトムはパリの街をバイクで駆け抜け、飛行機に搭乗して次回のオリンピック開催地ロサンゼルスのハリウッドサインにスカイダイブで舞い降りるという離れ業を披露。すべてスタントはトム自身が演じたという。しかもノーギャラでこれをやったというトム。かっこ良すぎ!

イスラエル−パレスチナ問題でハリウッドも揺れる

画像: スーザン・サランドンも参加したパレスチナ支援の抗議運動

スーザン・サランドンも参加したパレスチナ支援の抗議運動

世界中で紛争による悲劇が繰り返されたまま再び年を越しそうな2024年。特に米映画界を二分したのは、いわゆる「イスラエル−パレスチナ問題」。最初はガザ地区のテロ組織ハマスがイスラエルに攻撃を仕掛けたことで、ガル・ガドット、ジェイミー・リー・カーティスら700人ものセレブ、全米監督組合、脚本家組合がハマスを非難する公開書簡を発表。だが今度はイスラエルがガザ地区に反撃を開始してパレスチナ側に犠牲者が急増。これに対してスーザン・サランドンら一部セレブがパレスチナ支援の態度を示すと、これが反ユダヤ人主義的と批判され、エージェントから契約解除などの処置を受けている。ハリウッドが古くからユダヤ系社会に近い構造で成り立っていることもあるかもしれないが、中道的に停戦を呼び掛ける立場を取ってもユダヤ系映画人から批判を受けてしまう事態に。殆んどのセレブたちはこの状況が一刻も早く収束することを願っているはずだ。

トランプか?ハリスか?大統領選でも二分化

画像: ハリス氏の集会にジェニファー・ロペスらも登場していたが…

ハリス氏の集会にジェニファー・ロペスらも登場していたが… 

もうひとつ映画界を2つに分けたのが、10月に行われた米大統領選。民主党のカマラ・ハリス候補と、共和党のドナルド・トランプ候補が熱いバトルを展開したが、民主党推しのセレブが多いのがリベラルな米芸能界。ロバート・デ・ニーロ、ハリソン・フォード、レオナルド・ディカプリオら大物俳優やテイラー・スウィフト、ビリー・アイリッシュ、ジェニファー・ロペスら有力アーティストまでハリス候補支持を表明した。一方のトランプ支持側のセレブには、シルヴェスター・スタローン、デニス・クエイド、ジョン・ヴォイトなどがいる。

民主党支持派はSNSや時には実際に街頭に出てハリス候補への投票を呼びかけたが、結果はご存じの通り。トランプ派のイーロン・マスクが所有するX(旧ツイッター)を嫌ったセレブたち(ジェイミー・リー・カーティス、ベン・スティラーら)がBlueskyに乗り換えたようだ。

AI技術進化に賛成の人、反対の人

画像: 自分の声をAIに盗用されたとお怒りのスカーレット

自分の声をAIに盗用されたとお怒りのスカーレット

日々性能が向上しているAI(人工知能)も映画界では意見が分かれる問題に。ジェームズ・キャメロン監督はAI企業Stability AIの取締役に加わることが公表された。「生成AIとCGI画像制作の交差点が次の波だ」と言うキャメロンは「アーティストたちは想像もしなかった方法で物語を語れるようになる」とAI技術を絶賛。一方OpenAIで作成された声が自分の声と酷似しているとスカーレット・ヨハンソンが激怒した。無断で声を盗用されたと訴訟問題にまで発展。全米俳優組合はAIに懸念を表明しているが、ハリウッドを中心にAIに関する光と影もまだまだ議論を呼びそうだ。

コロンビア映画が100周年、ドリームワークス、サーチライトは30周年

画像: コロンビア映画100周年のロゴマーク

コロンビア映画100周年のロゴマーク

2024年、記念すべき創立100周年を迎えたのがハリウッドの老舗スタジオ、コロンビア・ピクチャーズ。『ある夜の出来事』『アラビアのロレンス』『クレイマー、クレイマー』など歴代アカデミー賞作品賞最多受賞スタジオである同社は、24年も『バッドボーイズRIDE OR DIE』『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』などをヒットさせた。また「シュレック」シリーズなどのドリームワークス、『リトル・ミス・サンシャイン』などのサーチライト・ピクチャーズも30周年を迎え、記念上映やイベント等が行われた。

スカイダンスがパラマウントを合併

画像: ハリウッドの老舗スタジオ、パラマウント・スタジオの玄関

ハリウッドの老舗スタジオ、パラマウント・スタジオの玄関

2024年ハリウッドの大きなスタジオ再編成の動きと言えば、パラマウント・グローバルと映画製作大手スカイダンス・メディアの合併。これまでも噂があったが紆余曲折があり、ようやくという感じも。スカイダンスが80億ドル以上を投資して、パラマウントを保有するナショナル・アミューズメンツ社を買収し、パラマウント・ピクチャーズとCBSネットワーク、配信のパラマウント+などがスカイダンス傘下となる。新生パラマウントのCEOデヴィッド・エリソンには「トップガン」など人気シリーズの拡大など様々な野望があるようだが、どうなるか今後も注目。

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