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キーラン・カルキン
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Photo by Matt Doyle Photo/Contour by Getty Images
2年連続ゴールデングローブ賞に輝いた実力派
1982年9月30日、米ニューヨーク州生まれ。1991年公開の兄マコーレーの主演作『ホーム・アローン』で子役として映画デビュー。主演映画『17歳の処方箋』(2002)でゴールデングローブ賞にノミネートされるなど若い頃から着実に実力派の道を行く。そして今作『リアル・ペイン〜心の旅〜』での演技が評価され、見事第82回ゴールデングローブ賞の助演男優賞に輝いた。(それも2年連続での受賞という快挙!)そんな彼が演じるのはデヴィッドと共に旅に出る従兄弟のベンジー。
interview 映画を見返して、ベンジーを見て初めてこう思うんです、「誰かこいつをひっぱたいてくれ!」ってね。
──この映画のタイトルにもなっている 「a real pain (痛み、厄介な人)」の役としてキャスティングされたことをご存知でしたか?
「実際、最初のページに、カメラが彼の顔をアップにすると、『a real pain(=困ったやつ)』と書いてあるんです。でも、この男のことは読んですぐに分かったし、ただ演じただけです。キャラクターを演じるときは、悪いところは見えず、自分の視点でやっていますから、ツアーガイドに全力で向かっていくときとか、頼んでもいないアドバイスをするときとか、ジェシーのキャラクターを身悶えさせることができるときとか、彼の行動はいつも僕にとって完璧に理にかなっていた。映画を見返して、ベンジーを見て初めてこう思うんです、『誰かこいつをひっぱたいてくれ!』ってね」
──監督と一緒に演技をしながらも、演技指導を受ける形の仕事はいかがでしたか?
「ジェシーが素晴らしい俳優であることは知っていたし、彼が素晴らしい脚本家であることも脚本を読んで分かっていたよ。彼に会って始めて1分も経たないうちに、うん、これはもうデヴィッドとベンジーだ、と思ったんだ。でも、一緒にシーンを演じた直後に、彼が僕の顔を見て、もっとうまくできるはずだとダメ出しする時には、確かに自分の中での調整が大変だった。ほっといてくれ、僕も君に言いたいことがあるよ、と一瞬よぎるんだけど、でも、彼が監督であることを思い出して、『はい、わかりました。言われたとおりにします』ってなるんだ。また、彼は編集の主導権も握っているから、基本的にはずっと彼に媚を売ってなきゃいけないんだ」
──この映画から歴史とポーランドについて何を学びましたか?
「正直に言うと、僕はベンジーのようにやってみたんです。彼(ベンジー)は何の準備もせず、ただスケジュール通りに現れた。だから僕も同じようにしようと思いました。毎日撮影をして、休みの日には新しい場所に移動していたから、その場でじっくりと歴史を振り返る時間はありませんでしたが、でも全て浸み込んできました。強制収容所(マイダネク)での撮影では、部屋から部屋へと移動し、そしてカメラもそこにあった。僕はその場所にあるものを吸収し、僕が演じている役柄と同じように感じました。ただ、あのような場所での撮影は、人々がそれを受け止めている姿を見せることが最も敬意を払った方法だと感じて、そうしました。 だから全体として、僕は自分の役として状況のある側面に挑戦することができたし、またそれに敬意を払い、さまざまな人々が経験するあらゆる方法を理解することができたんです」
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『リアル・ペイン~心の旅~』
1月31日(金)より公開/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
ジェシー・アイゼンバーグ
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Photo by Robby Klein/Contour by Getty Images
本作では監督・脚本・主演も務めたマルチな実力者
1983年10月5日、米ニューヨーク州生まれ。10歳の頃から演劇をはじめ、1999年のドラマ「ゲット・リアル」でデビュー。2010年の映画『ソーシャル・ネットワーク』でアカデミー主演男優賞にノミネートされ世界に名が知れる様に。マルチな実力者としても知られる彼は、本作でも監督・脚本、そして主役のデヴィッドを演じる。祖母の遺言で、最近疎遠だった従兄弟のベンジーとポーランド旅行へ。40代のでこぼこコンビ、彼らの旅路を見届けたい!
interview 私の書くものは全て、おかしな人間関係を、より大きなテーマの背景の前に置いたものです。それが私の作家としての目的です。
──この映画はとてもユーモアのある作品なのですが、トラウマのような難しい問題を扱っています。それは書いていて辛いものでしたか?
「いや、実際、楽しいシーンを書くのは最高でした。それが書くことの素晴らしいカタルシスなのだと思います、なので、映画の中の私の役柄にとって感情が締め付けられる部分を除けば、苦痛ではありませんでした。脚本を書くのはカタルシスのあるプロセスであって、俳優が脚本を気に入ってくれて出演を承諾してくれて、そして自分がスクリーンでそれを観てみんなにも気に入ってもらえたら、たとえ痛みがテーマであっても、痛みよりもむしろ喜びを感じます。20年間、演劇の脚本を書き続けてきて、良い評価を受けたものもありますが、それらはごく少数の人のみが観ていました。だから正直なところ、この感覚は安堵なんだと思います」
──あなたとキーラン・カルキンの、役の相方としての関係について教えてください。リハーサルはどのように行い、アドリブの余地はありましたか?
「ベンジーというキャラクターは、私にとっては非常に個人的な関係であり、私の人生における人間関係や、私が男の友情に対して感じることや、男同士が自分の感情について話すことに対する不快感を映し出しています。なので、ベンジーのキャラクターがそれを包含していることが不可欠で、キーランはすぐにその要素を理解し、彼は虚栄心をまったく持たないという仕事のスタイルを見つけてくれました。この映画全体の中で私が一番気に入っているのは、ベンジーが私たちに反論したり挑発したりしながらも、私たちはベンジーのことを愛おしく思っていることです。キーランは、そのようなことを気取らずに演じることができ、最後までやってのけます。監督としての私にとって素晴らしい才能でした」
──なぜコメディを選んだのですか?ホロコーストは笑いごとではないと感じる人もいるかもしれないのですが。
「ここにはホロコーストに関するジョークはありません。この映画は、従兄弟である2人の登場人物の、面白く問題のある関係を描き、彼らは長い歴史と祖先への深い敬愛を持っています。戦争や苦しみについて冗談であることは何もありません。この映画が面白いのは、この2人が正反対で、2人の化学反応がそこから生まれているからであり、ベンジーは機知に富み、鋭く賢いので、それが映画を面白くしているのです。私はホロコーストのようなトピックを馬鹿にしたりはしません、それは間違っており愚かで、誰も笑いません。私の書くものは全て、おかしな人間関係を、より大きなテーマの背景の前に置いたものです。それが私の作家としての目的です」
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『リアル・ペイン~心の旅~』
1月31日(金)より公開/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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