「別冊少年チャンピオン」(秋田書店)で連載中の奥嶋ひろまさの大人気コミックを実写映画化した『ババンババンバンバンパイア』。吉沢亮が主人公のバンパイア・森蘭丸に扮し、板垣李光人が天真爛漫ピュアボーイ・立野李仁を演じている。2021年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」以来の共演となる吉沢と板垣が挑むのは、おバカでありながら涙もありのラブコメディー。くだらないことを全力でやっている愉快な映画の撮影裏話や再共演の感想や、「恋という武器」というセリフにちなみ、役者として感じているお互いの武器を語ってもらった。(文・タナカシノブ/写真・稲澤朝博/(吉沢亮)ヘアメイク・小林正憲(SHIMA)/スタイリスト・荒木大輔/(板垣李光人)ヘアメイク・KATO(TRON)/スタイリスト・末廣昂大/デジタル編集・スクリーン編集部)

吉沢亮 プロフィール

1994年2月1日生まれ。東京都出身。2020年、一人二役を演じた映画『キングダム』で第43回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞などを受賞。2021年、「青天を衝け」(21)で大河ドラマ初出演にて初主演を務める。2023年は『東京リベンジャーズ2』(23)2部作などの計6作品、2024年は『キングダム大将軍の帰還』(24)に出演。主演作『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(24)では、手話を交えた演技や、中学生から社会人までの演じ分けも話題に。

──共演は「青天を衝け」以来ですが、数年を経て感じた印象の変化はありましたか?

吉沢「『青天』の時は現場がすごく忙しかったし、僕も切羽詰まっていたから、人と話す時間がそもそもなくて。李光人と話した記憶がないなって感じだったけれど、今回は割とね」

板垣「しゃべってますね(笑)」

吉沢「仲良くやってたよね?」

板垣「仲良くさせて頂いてました(笑)。『青天』の時に話した内容はほとんど記憶になくて。僕も久しぶりの大河の現場で恐縮していたのもあったし、確かに静かでしたね、僕(笑)」

──撮影に入る前に、一緒にご飯に行く機会があったとの板垣さんのコメントもありましたが。

吉沢「共通の友達がいて。『今度作品一緒にやるんでしょ? 李光人とご飯に行くけど、一緒にどう?』って感じで誘われて。たまたまタイミングが作品に入る前って感じになったんだよね。でも、作品の話は全くしてなくて。超くだらない話ばかりだった気が(笑)」

板垣「覚えてないくらいくだらないことだった気がします。撮影のことはほとんど話してないことだけは覚えています(笑)」

吉沢「お酒を飲みながら、くだらない話をして。あとはモンハンの話。新作出るねとか(笑)。昨日も一緒にゲームしたんだよね」

板垣「そう! だから今日も久しぶりな感じがしなくて」

吉沢「ホントに。さっきぶり! って感じ(笑)。李光人がついこの前、PCを買って」

板垣「そうそう!」

吉沢「それからちょくちょく一緒にモンハンやってます!」

──今やすっかりゲーム仲間に(笑)。本作には思わず笑ってしまうシーンもたくさん登場しますが、撮影中に笑いを堪えるのが大変だったシーンなどはありましたか?

板垣「僕はフランケン(関口メンディー演じる篠塚健)とのシーン一択! 3人で一緒にお風呂に入るシーンです」

吉沢「筋トレしてるところね(笑)。フランケンがアドリブで筋トレとかしだすんですよ」

板垣「メンディーさん、体積が大きいから動くとお湯がすごいことになる」

吉沢「すごかったよね(笑)」

板垣「ばっしゃん、ばっしゃん波打って。すごい握力だったし」

吉沢「握力、マジですごかったよね」

板垣「筋肉も鍛えているから。かっこいいんだけど、笑いが止まらなくて」

吉沢「やっぱり、裸でお芝居をするっていうのはなかなか慣れないよね(笑)」

板垣「ですね。なかなか慣れないです」

──裸の付き合いで生まれる特別な絆のようなものは感じましたか?

吉沢「生まれて……ましたね(笑)」

板垣「『この環境に慣れないと!』とは思っていました。森さんが何も着ていない状態で寝ているのが日常なので、慣れないといけないという気持ちはありました」

吉沢「銭湯のシーンはみんな裸だから別にいいけれど、部屋のシーンでは僕だけ裸だからなんか気まずい(笑)」

板垣「森さんと李仁がちょっとぶつかるようなシーンでも、(森さんが)何も着ていないから、芝居をする上でもちょっと慣れない感じがあって。笑わないようにしなきゃいけないし」

吉沢「なかなか慣れないよね(笑)」

板垣李光人 プロフィール

2002年1月28日生まれ。主な出演作は映画『陰陽師0』(24)、『ブルーピリオド』(24)、『はたらく細胞』(24)、ドラマ「silent」(22)、「フェルマーの料理」(23)、「マルス−ゼロの革命−」(24)、大河ドラマ「どうする家康」(23)など。2024年には俳優の活動と並行しながら新たに制作された展示作品による初の個展「愛と渇きと。」を開催。アーティストとしても活躍している。

──吉沢さんは浜崎慎治監督とは『一度死んでみた』(20)に続きコメディーで再びタッグ、板垣さんは本作で本格的なコメディーに初挑戦とのこと。コメディーではテンポもとても大事ですが、掛け合いの前にはどのような打ち合わせをしたのでしょうか。

吉沢「リハを何回かやる中で、お互いのお芝居をしながら空気感を合わせていく感じかな。事前に細かく打ち合わせしたりすることはなかったです」

板垣「吉沢さんが現場でフラットでいてくださったので、僕も肩の力を抜いていられる感じがありました。そういう現場の空気感を作ってくださったので、本格的なコメディーは初めてでしたが、リラックスしてやれた感じがあります。あとは、みなさんの芝居を見て吸収するというか。李仁のおじいちゃん役の笹野(高史)さんとか、一言ポツッというだけでもなんかすごく面白くて」

吉沢「ホント、面白いよね」

板垣「テクニックとかそういうものではない。いろいろな経験をされているからこそ出てくる何かなんだろうなと思いました。真似しようとしてもできないことだから、すごいなと思いました」

吉沢「なんかいつもあのまんまの感じで現場にいるよね(笑)」

板垣「本当のおじいちゃんみたいに感じていました(笑)。音尾(琢真)さんも昨年作品で長くご一緒していたので、なんだかお父さんって感じもあって。僕はやりやすかったです」

※全文はSCREEN2025年3月号に掲載

映画『ババンババンバンバンパイア』

老舗銭湯で住み込みバイトをする森蘭丸(吉沢亮)。彼の正体は450歳のバンパイア。究極の味わいである“18歳童貞の血”を求め、銭湯の一人息子で15歳の李仁(板垣李光人)の童貞を守り続けている。ところが、思春期を迎えた李仁に異変発生!!同じクラスの葵(原菜乃華)に一目惚れしてしまったのだ!!「李仁くんの童貞は絶対死守!!恋をさせてはなるものか!!」蘭丸、決死の“童貞喪失阻止作戦”が幕を開ける!!

森蘭丸(吉沢亮)

銭湯「こいの湯」で住み込みバイトとして働いているが、真の姿は450歳のバンパイア。究極の味わいである“18歳童貞の血”を求め、立野李仁の成長と純潔をそばで見守る日々を送っている。

立野李仁(板垣李光人)

15歳。蘭丸が働く銭湯「こいの湯」のひとり息子。天真爛漫でピュアな性格のため、蘭丸の正体に全く気付いていない。クラスメイトの葵(原菜乃華)に一目惚れする。

映画『ババンババンバンバンパイア』
2025年7月4日(金)公開
日本/2025/配給:松竹
監督:浜崎慎治 脚本:松田裕子 原作:奥嶋ひろまさ「ババンババンバンバンパイア」(秋田書店「別冊少年チャンピオン」連載)
出演:吉沢亮、板垣李光人、原菜乃華、関口メンディー、満島真之介、堤真一、音尾琢真、映美くらら、笹野高史 、眞栄田郷敦

©2025「ババンババンバンバンパイア」製作委員会
©奥嶋ひろまさ(秋田書店)2022

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