【第97回アカデミー賞のゆくえを大予想】日本公開決定！アカデミー賞ノミネートの話題作群

And More ! 今春以降日本公開が決定しているオスカー・ノミネート作品群

ここまで紹介してきたアカデミー賞ノミネートの日本上映（または配信）が迫る話題作に続き、この春以降も今回のオスカーを賑わせている必見作の公開が次々決定。

最も気になるのは今回主要部門を含む13の最多ノミネートを記録している『エミリア・ペレス』（ギャガ配給）だろう。麻薬王だった男性が性適合手術を受け女性としての新たな人生を踏み出す、誰も見たことのないようなエンタテインメント作品である本作は、作品賞など本命の一本として高い評価を受けている。

もうひとつ、作品賞など５部門で候補となっている『サブスタンス』（ギャガ配給）も見逃せない一本だろう。元人気女優のエリザベスは50歳を越え、容姿と人気の衰えに悩んでいたが、ある新しい再生医療に手を出してしまう。そこから始まる驚愕の展開でヒロインを演じたデミ・ムーアの熱演はまさに必見。

コールマン・ドミンゴの主演男優賞など３部門で候補になっている『シンシン／SING SING』（ギャガ配給）は実話を基にした感動篇。ニューヨークのシンシン刑務所内で更生プログラムの一環である舞台演劇を通じて、収監者たちに強い絆が生まれていく様子を描く。SXSW映画祭では観客賞を受賞している。

長編アニメーション映画賞にノミネートされた『かたつむりのメモワール』（トランスフォーマー配給）は『メアリー＆マックス』などで知られるアダム・エリオット監督が8年の歳月をかけて完成させた感動の手作りストップモーション・アニメ。かたつむりを集めることだけが心の拠り所となっている孤独な少女と陽気なおばあさんの友情を描く。

視覚効果賞の候補に挙がった『BETTER MAN／ベター・マン』（東和ピクチャーズ配給）は『グレイテスト・ショーマン』のマイケル・グレイシー監督の新作ミュージカルで、世界的ポップスター、ロビー・ウィリアムズの波乱に満ちた半生を斬新な表現で描く。ロビーは意図的に猿の姿で自身を演じ、ミュージカルシーンと共にこの優れた技術が評価されている。また撮影賞など全4部門で候補となったロバート・エガース監督のゴシックホラー『ノスフェラトゥ』（パルコ、ユニバーサル映画配給）も5月16日公開が決まった。

この他にブラジル映画で作品賞、国際長編映画賞とフェルナンダ・トーレスの主演女優賞候補になっている『アイム・スティル・ヒア』（クロックワークス配給）が8月公開予定。軍事政権下、苦難の道を進む一家の物語だ。国際長編映画賞候補になった『ガール・ウィズ・ニードル』（トランスフォーマー配給）も5月16日公開。デンマークで実際に起きた殺人事件を基に描く恐ろしくも美しいゴシックスリラーだ。