今回は、SCREENでも毎度1位2位を争うほど大人気の愛され監督、スティーヴン・スピルバーグやリドリー・スコットなどのベテラン勢もランクインしているものの、今回20位までにランクインした監督のほとんどが昨年は圏外だったため、例年に比べ入れ替わりが激しい回となりました。(文・相馬学/デジタル編集・スクリーン編集部)
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5位 ドゥニ・ヴィルヌーヴ

画像: 5位 ドゥニ・ヴィルヌーヴ

21世紀を代表するカナダ出身の鬼才。待望の続編『デューン 砂の惑星PART2』は、前作から4年を費やしたが期待にたがわぬ出来で、アカデミー賞5部門ノミネートも納得。ひとつひとつの作品にじっくりと時間をかけるタイプだけに、次回作はしばらく先となりそうだが、候補の中には「デューン」シリーズの第3作も挙げられている。

\\ Fan's Voice //

40代・男性

まさかの期待以上の続編になっていて、映画館で大興奮!3も楽しみにしています。

4位 ティム・バートン

画像: 4位 ティム・バートン

一昨年まではTVシリーズ「ウェンズデー」のプロデュースに専念していたが、昨年は『ビートルジュース』の36年ぶりの続編で気を吐いた。想像力豊かな映像作や、奇抜な展開は健在。自作に基づく舞台ミュージカル版を記録した「エドワード・シザーハンズ ダンスバージョン」にも関わっている。今年は「ウェンズデー」のシーズン2に全力投球。

40代・男性

相変わらず大好きな世界観を創造し続けてくれる監督には頭があがりません。『ビートルジュース ビートルジュース』は観たかったものを全て魅せてくれました。

リドリー・スコット

画像: リドリー・スコット

昨年の6位からランクアップを遂げた英国の鬼才。御年87歳だが、老いてますます盛んで、80代になってから生み出した作品はすでに6本という多産ぶり。そのいずれもが高評価を得ているのだから恐れ入る。2025年はTVシリーズ「Dope Thief」の第1話を手掛けた後、新作映画に着手するが候補企画が数作あり、相変わらず精力的だ。

60代・男性

リドリー・スコットは年齢を感じさせない常に新しい挑戦的な映画作りが素敵だと思います。

スティーヴン・スピルバーグ

画像: スティーヴン・スピルバーグ

言わずと知れたヒットメーカーにして、2度のオスカー受賞歴を誇る名匠。2024年は監督作こそなかったが、『ツイスターズ』『トランスフォーマー/ONE』で製作総指揮を務めて存在をアピールした。盟友である音楽にスポットを当てたドキュメンタリー『ジョン・ウィリアムズ/伝説の映画音楽』でもプロデュースを担当。

30代・映画

いつもワクワクさせてくれる映画を制作し続けてくれて嬉しい。小さな頃からスピルバーグは映画のヒーロー!

総評

例年に比べて、今年は入れ替わりが大きく、ベストテンの10人中7人は圏外からのランクイン。とはいえ、多くは大きな実績を築いてきた監督だ。まずはこの組からみていこう。返り咲き組最上位、4位のティム・バートンは『ビートルジュース ビートルジュース』の高評価が躍進の理由。長編映画の監督作は5年ぶりで、ファンには“待ってた”感も強かったのでは? 5位のドゥニ・ヴィルヌーヴは3年越しの続編『デューン 砂の惑星PART
2』が、9位のジョージ・ミラーは9年ぶりの続編『マッドマックス:フュリオサ』が、それぞれ歓迎された。いずれも世界観の徹底に妥協しない鬼才で、各作品ともそれが反映されているだけに高評価も納得がいく。10位のヨルゴス・ランティモスは『哀れなるものたち』と『憐れみの3章』の2作でカムバック。寓話的な前者と、シュールなオムニバスである後者で作家性の深みをアピールした。

6位の94歳・最年長者のクリント・イーストウッドは2024年の新作『陪審員2番』が昨年末になってようやく日本でも配信公開された。2度のアカデミー賞に輝く巨匠の新作にしては寂しい公開のされ方だが、人間を鋭い視線で見つめながらサスペンスを紡ぐ手腕はみごと。逆に7位のジェームズ・キャメロンは2024年の監督作はなかったが、TV用ネイチャードキュメンタリーシリーズで製作総指揮を務めた。何より、2025年に公開を控える大ヒットシリーズ「アバター」第3弾への期待が表われたのかもしれない。また、8位のフェデ・アルバレスは今回が初のチャートイン。スリラーの分野で着実に実績を築き、『エイリアン:ロムルス』でそれが結実した格好となった。

最後に上位の2強について触れたい。スティーヴン・スビルバーグは監督としての新作はなかったので昨年のトップからランクを下げたが、それでも2位なのだから人気の根強さに驚かされる。3位のリドリー・スコットは『グラディエーターⅠⅠ英雄を呼ぶ声』に対する評価。いずれもハリウッドの監督にしては多作なので今年以降もランキングを賑わせるだろう。

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