CHECK POINT
豪華キャストが集結した吹替版にも注目!
プレミアム吹替版には、キャラクターの感情を細部まで伝えミュージカルシーンをダイナミックに表現するキャストがオーディションを経て選ばれた。俳優、ミュージシャン、ミュージカル俳優としても活動する吉柳咲良が白雪姫役に抜擢されたほか、「JO1」のメンバー・河野純喜がジョナサン役で初の吹替に挑む。また、月城かなとが女王役を演じ、諏訪部順一が魔法の鏡の声を務める。

レイチェルの力強い歌声に圧倒される!
重要なミュージカル・ナンバー「夢に見る ~Waiting On A Wish~」
白雪姫が歌う劇中歌「夢に見る ~Waiting On A Wish~」は、『ラ・ラ・ランド』『グレイテスト・ショーマン』の作曲家パセク&ポールが本作のために手掛けたクラシカルなミュージカルナンバー。女王に支配されてしまった王国の今を憂いている白雪姫の“変わりたいのに、変われずにいる葛藤”が表現されている。ふたりが手がけるオリジナル曲と、アニメーション映画『白雪姫』にも登場した『口笛ふいて働こう』などの名曲が揃って披露され、まるで夢の世界に入り込んだような華麗でファンタジックな場面が次々に登場。レイチェルの美しい歌声に圧倒されること間違いなし!

久しぶりにオーディションに臨んだガル・ガドット
試行錯誤を重ねた女王の煌びやかな衣装にも注目!
女王を演じるガル・ガドットは、今作で初めて本格的なヴィラン役、そしてミュージカルシーンに挑戦。『白雪姫』に出演するためには、“歌唱力”を証明する必要があり、久しぶりにオーディションを受けることになったそう。「私が歌えるという確証を得る必要があったんです。この映画はミュージカルですから。なので、私は1ヶ月間その歌に取り組んで、オーディションに臨みました」とインタビューで明かしており、今作では、歌って踊るガルの新境地に期待できそう。また、女王の煌びやかな衣装にも試行錯誤を重ねており、衣装デザインを手掛けたサンディ・パウエルは「イメージは変えず、迫力ある風貌にした」と語っている。
Special Column
未知の領域への大きな挑戦だった世界初の長編カラー・アニメーション

実写版『白雪姫』はアニメーション版へのリスペクトに溢れたシーンがいっぱい!
『白雪姫』 ディズニープラスで配信中 © 2025 Disney
すベては、ここから始まったのだった。そう、ウォルト・ディズニーが世界に送り出した世界初の長編カラー・アニメーション『白雪姫』(1937)である。色鮮やかで流れるような映像。ストーリーと絡み合う素晴らしい楽曲。多彩で魅力的なキャラクターたち。それらが見事に融合したディズニー・アニメーションの、記念すべき第一作であった。
作品の芽生えは1934年。ウォルトが、50人のスタッフを前にグリム童話を元にしたストーリーを語り、その長編アニメーション化を提案したのだ。とはいえ、当時はカラー映画さえまだ少ない時代。ロイとウォルトが1923年に設立したスタジオは短編アニメーションをヒットさせていたものの、『白雪姫』は未知の領域への大きな挑戦だった。
かつてない長尺。それも1秒を24枚のセルで綴るフル・モーション。白雪姫のモデルは当時16歳のM・ベルチャー(後にダンサー・女優として活躍)で、衣装を着けた彼女の演技をなぞり、滑らかなアニメーションを実現。もちろん、他のキャラクターも同様だ。当初300人のスタッフは最終的に750人に膨れ、25万超のセルが作成された。巨額を投じ独自に開発したマルチ・プレーン・キャメラを駆使し、深度のある映像も追求した。

アニメーション版は製作総指揮や全面的な監修をウォルト・ディズニーが務めた。
Photo by Getty Images
『白雪姫』は「私の願い」「ハイ・ホー」「いつか王子様が」などの曲が織り込まれたミュージカル仕立て。それらの曲は録音され、初の映画サウンド・トラックともなった。挿入曲では「いつか王子様が」が幅広い層に人気で、多様なミュージシャンがカバーしスタンダード・ナンバー化する。記録だらけの『白雪姫』だが、語るべきは作品そのものの魅力だ。原作の残酷さを緩和しドラマティックに練られた脚本、ウォルトがこだわったこびとたちの個性、素敵な楽曲が織り込まれた繊細で美しい映像…。作品は国境を越え世代を超え、さらに時代を超えて愛され続けていく。
『白雪姫』に続き、ディズニーは『ピノキオ』(1940)や『ファンタジア』(1940)を製作、長編アニメーションの歴史を作ってきた。また『白雪姫』を起点に“ディズニー・プリンセス”の系譜も紡いできた。『シンデレラ』(1950)『眠れる森の美女』(1959)『リトル・マーメイド』(1989)『美女と野獣』(1991)…と、優しく気高い心はそのままに時代とともにアップデートしてきたヒロインたち。そのDNAを受け継いで、いままた21世紀の新たな『白雪姫』が誕生する。
(文・萩尾瞳)
『白雪姫』
2025年3月20日(木・祝)公開
アメリカ/2025/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
監督:マーク・ウェブ
出演:レイチェル・ゼグラー、ガル・ガドット、アンドリュー・バーナップ
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