ミュージカル映画の主人公といえば、常に“ドラマティック”な人生を歩んでいるもの。そんな勇気に溢れた“生き方”で、私たちの背中を押してくれるミュージカル映画をご紹介します。今回は、人気アーティスト、ロビー・ウィリアムスの半生を描くミュージカル『BETTER MAN/ベター・マン』をピックアップ。(文・相馬学/デジタル編集・スクリーン編集部)

Who is ロビー・ウィリアムス 

画像: ロビー・ウィリアムス Photo by Getty Images

ロビー・ウィリアムス
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ロビー・ウィリアムスは1974年、イングランド北部のストーク=オン=トレント生まれ。17歳のときにオーディションに合格し、テイク・ザットの最年少メンバーとなった。このボーイズグループは世界を席巻し、解散までに8曲の全英ナンバーワンソングを送り出す。その中の一曲でダン・ハートマンのカバー「リライト・マイ・ファイア」は劇中でも使用された。ロビーは1995年にテイク・ザットを脱退し、ソロに転向して、さらに華々しい成功を築くことになる。アルバムトータルセールスは全世界で8000万枚。14曲のナンバーワンヒットに加え、14枚のアルバムをチャートのトップに送り込んだ。これはソロアーティストとしては第1位の記録。本作のサントラもロビー名義なので、これを含めると15枚目のナンバーワンであり、ビートルズの記録にも並んでいる。本作でも描かれる2003年の英ネブワースでの公演は3日間で37万5000人を動員。英国の野外コンサートでは歴代最多の観客数を記録した。近年は、2023年にネットフリックスで自身のドキュメンタリーシリーズ「ロビー・ウィリアムス」を配信。こちらも好評で、わずかひと月で550万回再生という驚くべき数字をたたき出している。

画像: 世界を席巻したボーイズグループ、テイク・ザット(画像の一番左がロビー・ウィリアムス) Photo by Getty Images

世界を席巻したボーイズグループ、テイク・ザット(画像の一番左がロビー・ウィリアムス)
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“名声”は人をサルにする

ロビーをサルとして描いた理由はグレイシー監督のアイデア。打ち合わせをする度に、ロビーが頻繁に“サルのように踊っていた”“サルのようにパフォーマンスをしていた”など頻繁に引き合いに出していたことから、いっそサルにしてしまおう、ということになった。何より、サルを映像でとらえると、人はそこから目が離せなくなる。そんな視覚的な効果も狙いとしてあったと、監督は語っている。なお、ロビーのアルバム「エスカポロジー」には「ミー・アンド・マイ・モンキー」という、サルを自分の相棒に見立てたナンバーがある。

今作で注目したいロビーの名曲たち!

圧巻のミュージカルシーンの数々が描かれる今作での、特に注目したいロビー・ウィリアムス名曲を解説!観る前に知っておくと、映画がより楽しめるかもしれません!

画像: 今作で注目したいロビーの名曲たち!

Rock DJ (ロック・ディージェイ)

2000年のナンバーワンソングを再録音。レコード契約にサインしたテイク・ザットの面々がストリートに飛び出すとともに、この曲に乗って一大ミュージカルシークエンスが展開。ロンドンの大通り、リージェントストリートを封鎖し、500人のエキストラを投入して撮影した大がかりなシーンだ。

画像: Rock DJ (ロック・ディージェイ)

Let Me Entertain You(レット・ミー・エンターテイン・ユー)

1997年リリースのファーストソロアルバム「ライフ・スルー・ア・レンズ」からのヒットナンバーで、劇中ではネブワース公演のオープニングとしてプレイされる。ステージ上では“俺が楽しませてやる”と自信満々にパフォーマンスを繰り広げるも、胸の内にはダークな葛藤が隠されていた。

画像: Let Me Entertain You(レット・ミー・エンターテイン・ユー)

Angels (エンジェルス)

これもファーストアルバムからのヒット曲。最愛の祖母の死を知らされ、子供の頃を思い出しながら、深い喪失感を抱いて葬儀に出席するロビーの姿に重なる。映画のために新たにレコーディングされたバージョンで、シンフォニックなサウンドとなっており、オリジナルよりもドラマチック。

画像: Angels (エンジェルス)

She’s The One(シーズ・ザ・ワン)

1999年のナンバーワンヒットで、オリジナルは故カール・ウォリンジャー率いるバンド、ワールド・パーティ。船上パーティでニコールと出会い、踊りながらこの曲をデュエットする。こちらも再レコーディングバージョンで、デュエットの相手はミュージカル女優ケイリー・マクナイト。

Better Man(ベター・マン)

2000年リリースのサードアルバム「シング・ホェン・ユーアー・ウィニング」から。これまで傷つけてきた人たちや自分自身を見つめ直し、“よりよい人間になる”というロビーの決意が表われている。ストリングスを重層的に強調した再レコーディングバージョン。

画像: Better Man(ベター・マン)

My Way (マイ・ウェイ)

有名なスタンダードナンバーのカバー。映画の序盤、幼少期のロビーがテレビに映るフランク・シナトラに合わせて、父と一緒に歌うこの楽曲は、クライマックスシーンのロイヤル・アルバート・ホール公演でも披露される。

SCREEN読者が好きなミュージカル映画は?

SCREEN2月号の読者アンケートにて募集したアンケート結果を発表!

1位 『グレイテスト・ショーマン』
2位 『ラ・ラ・ランド』
3位 『雨に唄えば』
4位 『サウンド・オブ・ミュージック』
5位 『レ・ミゼラブル』

1位は、マイケル・グレイシー監督作『グレイテスト・ショーマン』。ミュージカル映画を好きになったきっかけの作品であり、本作を観てからミュージカル映画の概念が変わったとの声や、ストーリーはもちろん全曲素晴らしい!と読者のアツいコメントが多数。2位は『ラ・ラ・ランド』で、特にラストが感動的で素晴らしい、何もかもが完璧という声が多かった。3位はMGMミュージカルの金字塔『雨に唄えば』がランクイン! ジーン・ケリーのダンスシーンは、いつ観てもポジティブなエネルギーを運んでくれるのだそう!(text/編集部)

『BETTER MAN/ベター・マン』
2025年3月28日(金)公開
アメリカ/2024/2時間16分/配給:東和ピクチャーズ
監督:マイケル・グレイシー
出演:ロビー・ウィリアムス(声)、ジョノ・デイヴィス、スティーヴ・ペンバートン、アリソン・ステッドマン、デイモン・ヘリマン、ケイト・マルヴァニー、ラシェル・バンノ

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