広がり続ける「スター・ウォーズ」の銀河。ファンたちが気になっているポイントとは? 弊誌おなじみの映画ライターのお2人に加えてお笑い芸人・映画紹介人のジャガモンド斉藤さんに聞きました。話は尽きませんでしたが、ここではギュッと詰め込んだ濃縮版でお届け!(文・横森文/デジタル編集・スクリーン編集部)

杉山すぴ豊さん(右)
アメキャラ系映画ライターとして活躍。SCREENをはじめとする映画雑誌や映画パンフレットなどに原稿を執筆。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』『ヴェノム』などアメコミ映画の日本語吹替版の監修や東京コミコンMCなど幅広く活動。
横森文さん(中央)
映画ライター。78年に今は無きテアトル東京のシネラマ上映方式でSWを観劇。映画の虜になって、アチコチの名画座に通い始める。『美女と野獣』『アラジン』『フォレスト・ガンプ』など様々な劇場パンフレットにも寄稿。
ジャガモンド斉藤さん(左)
お笑い芸人。K-MIX「ジャガモンド斉藤の映画宣伝にアレコレつっこむラジオ」(毎週土曜)、テレ玉「マチコミ」(毎週金曜)出演中。YouTube「ジャガモンド斉藤のヨケイなお世話」「シネマンション」も出演中。
今一番気になる作品はやはり「マンダロリアン」!

「マンダロリアン」の映画は、初のドラマありき。そこも楽しみ(杉山)

シーズン3のクライマックスは、もう『新たなる希望』の再現を見ているような気持ちになりました(横森)

ジョージ・ルーカスが作った道を新しい装備で歩みます!! みたいな。それを感じて泣けてしまった(斉藤)
横森「個人的に気になる作品というと、私は圧倒的に『マンダロリアン』シリーズです」
斉藤「そうですね。映画化も確定してるし」
杉山「今までのSWは映画ありきでしたけど、今回はMCUパターンで、初のドラマありきの映画。そういう意味でも楽しみですよね」
斉藤「『マンダロリアン』には『子連れ狼』感があったり、『七人の侍』感もあったり、西部劇的要素やSWから引用した要素など、活劇のDNAをネジ込んでますよね」
横森「そこもSWらしさ。もともと過去の名作からたくさんインスパイアして作られている作品ですからね、特に一番始めに製作された『新たなる希望』は。特に『マンダロリアン』のシーズン3のクライマックスは、もう『新たなる希望』の再現を見ているような気持ちになりましたよ。例えばR5ユニットが懸命に敵のコンピューターにコネクトしてシールドを開けるとか、デス・スターでのR2−D2を思い出しました」
斉藤「『マンダロリアン』のシーズン2ではルークが登場しましたが、あれは『帝国の逆襲』のヨーダらに止められながらも助けに行くルークの良さがにじみ出ていて良かった」
杉山「あのルークの使い方はいいですよ」
斉藤「あとN−1スターファイター。どっちかっていうとモブ的な戦闘機で『ファントム・メナス』以降出てこなかったのに、ここで出すかと。しかもタトゥイーンで改造されて早くなってポッドレースの道を走った時、考え過ぎかもしれませんが、ジョージ・ルーカスが作った道を新しい装備で歩みます‼ みたいな。それを感じて泣けてしまったんです」
杉山「まさしく“我らの道”‼」
横森「皆さんは『マンダロリアン』の映画版は展開的にはどのようになると思います⁉」
杉山「完結作となると最終的にはグローグーと別れるのかな…とは思いますけどね」
斉藤「個人的にはEP7(エピソード7)と繋がる流れは作ってほしいですよ」
横森「『マンダロリアン』は『アソーカ』とも同じ年代の話ですし、どうせならひっくるめて“EP7への道”になっても面白い」
杉山「でもEP7に繋がるとファースト・オーダーが出てくるわけだから、時代的には悪くなる状況。『マンダロリアン』見て改めて思ったのは、共和国が全然勝ってないし、帝国軍ってしぶといのねってこと(笑)」
斉藤「僕はドラマ版『アソーカ』を観た時に『反乱者たち』とめちゃくちゃ繋がるなと思いまして。『マンダロリアン』『アソーカ』『反乱者たち』は言ってみればデイヴ・フィローニ・バースじゃないですか。EP7〜9はキャスリーン・ケネディ・バース。いわばジョージ・ルーカスの2人のパダワンは分派して違う方向に歩き出すけど、それがひとつの道になったらいいと思う」
杉山「とにかく『マンダロリアン』の映画版は、マンダロリアンがIMAXとかで空中を飛び交って闘う様などを観たい」
斉藤「やっぱり『マンダロリアン』が素晴らしいのは、このキャラクターが出てきたから面白いとかそういうことじゃなく、“行い”を踏襲しているからですよね。SWの精神性を紡いでいてくれるところが素晴らしい。あとドンパチだけじゃないんですよね、SWの魅力は。ちゃんと人物像が生きてるし、ひとりひとりにドラマがある」
横森「人間ドラマに力が入った『帝国の逆襲』のヒットからみてもわかりますよね」
杉山「そういう精神性がどう映画『マンダロリアン』でも活かされるのか」