「愛が足りない世代」の生き様、友情、絆の物語
原作は自身の経験を基に書いた「マルチの子」が各種メディアで話題となった西尾潤のデビュー作「愚か者の身分」(徳間文庫)。監督は岩井俊二の元で長年助監督として活躍し、人間ドラマを巧みに描くことに定評がある永田琴。主演に北村匠海、共演に綾野剛、林裕太を迎え、Netflixドラマ「今際の国のアリス」シリーズや「幽☆遊☆白書」(23)などの話題作を手掛けるグローバルコンテンツを創造するプロデューサー集団THE SEVENが初の劇場作品として映画化した。
貧しさから闇ビジネスの世界に足を踏み入れてしまい、抜け出せなくなった3人の若者たちの運命と、友との絆を描く。彼らの“3日間”の出来事を、3人それぞれの視点が交差するトリック感のある展開でエンターテインメントに仕上げながら、若者たちの貧困・世界に侵食される日本・闇ビジネスの深淵など、今多くの人が感じている共感できる社会的テーマも織り込まれている。
SNSで女性を装い、身寄りのない男たちを利用して“戸籍売買”で稼ぐ主人公・タクヤ役に『君の膵臓をたべたい』(17)、『東京リベンジャーズ』シリーズなどの北村匠海。犯罪に手を染めながらも騙した被害者を気にかける一面を併せ持つ若者を繊細かつ大胆に演じ、「3つの世代の想いのリレーのように感じられた」と綾野、林との“魂の競演”について語り、「剛さんから僕へ、僕から裕太へ。その先に「裕太」は、「マモル」は何を思うのか。映画館で是非感じて欲しいです。」と熱いコメントを寄せた。
裏社会の運び屋で、かつてタクヤを“闇ビジネス”に誘い戸籍売買の仕事を教えた兄貴的存在の梶谷役に『カラオケ行こ!』(24)、Netflix「地面師たち」(24)などの綾野剛。組織で働くことにうんざりしながらタクヤを気にかける姿や、彼女に対する優しさが全面に表れるなど、これまでにない新たな顔を魅せた本作について「北村匠海が織りなす繊細な煌めきと、林裕太が生み出す瑞々しい輝き。そんな彼らの呼吸を抱きしめ続けた永田琴監督。」と称賛を贈り、「光を奪われた者と、光を諦めた者。そして光を切り開く者の物語。ぜひ劇場でその光に触れて頂けたら幸いです」と観客へ向けてメッセージを贈った。
そして、複雑な家庭環境で家族の愛を知らずに育ったマモル役にABEMA「透明なわたしたち」(24)、『HAPPYEND』(24)などで話題の若手俳優林裕太。兄のように慕うタクヤに誘われ大金目的の軽い気持ちで“闇ビジネス”の世界に足を踏み入れてしまう難しい役を演じたことについて、「この作品ができるまでに色々な人がマモルに居場所をくれました。」と振り返り、「人にしてもらったことを誰かにしてあげたい、そう思うことが生きようとする力に繋がる。それを教えてくれた映画です。」と役柄を通して感じた想いも語った。
制作陣は、今世界に伝えたい「日本の若者が抱える貧困、愛情に飢えた心の“闇”」がテーマと語る。
原作の西尾潤は、「永田監督のもとにたくさんの人と出会い、映像化されたことは、今でも夢の中の出来事」と映画化について語り、「善と悪、欲望と絶望の狭間で揺れる青年たちの選択を、ぜひ劇場で見届けてください」とメッセージを贈った。
原作を読み、興味を抱いたという監督の永田琴は、本作について「この数年、若者の深刻な貧困や犯罪を私自身も目の当たりにし、何か表現できないかと考えていたところ、西尾潤さんの原作と出会い、これだ!と企画しました」と語り、「日本の社会問題を露わにしつつエンターテイメントに仕上げた渾身の一作です」と本作の出来に自信を魅せた。
プロデューサーの森井輝は、本作で描かれる若者たちについて「この者たちの人生は、私たちの知りえないところで起きて消えている。しかし、それはすぐ側にあり、自分や家族にも起きうることです。」と映画を通して現代社会が抱える問題に触れ、「どうか観客の皆さんの温かな目線で包み込んであげて欲しいです」と公開に向けての想いを語った。
個性派キャストが魅せる3人それぞれの視点で描く3日間の逃亡サスペンス
この度解禁されたビジュアルは、タクヤ、マモル、梶谷の3人が、ネオン輝く新宿・歌舞伎町の街をバックに肩を組み笑いあう姿。“闇ビジネス”で生きる背景を感じさせることのないごく“普通”の日常の瞬間をとらえたエモーショナルなカットとなっている。

また、プロジェクト映像は、本作のメイキング風景に加え、北村匠海、林裕太、綾野剛の3人が、自身の演じた役柄や本作に懸ける熱い想いを語り、制作陣が世界に伝えたい“日本の今”というテーマが感じられる映像になっている。
映画『愚か者の身分』プロジェクト映像 2025年10月24日(金)公開
www.youtube.comコメント全文
北村匠海(松本タクヤ役)
失うものなど何も無くなった男たちが、それでも生きようとする映画です。林裕太さん、北村匠海、綾野剛さん、3つの世代の想いのリレーのように感じられた撮影期間。剛さんから僕へ、僕から裕太へ。その先に「裕太」は、「マモル」は何を思うのか。映画館で是非感じて欲しいです。
綾野剛(梶谷剣士役)
彼らに名前はあるのだろうか。彼らは自身を生きているのだろうか。いつから彼らは自分で自分を抱きしめなければいけなくなったのか。北村匠海が織りなす繊細な煌めきと、林裕太が生み出す瑞々しい輝き。そんな彼らの呼吸を抱きしめ続けた永田琴監督。光を奪われた者と、光を諦めた者。そして光を切り開く者の物語。ぜひ劇場でその光に触れて頂けたら幸いです。
林裕太(柿崎マモル役)
マモル役の林裕太です。いっぱい食べろと言われると、生きろ!と言われている気がします。大丈夫と言葉をかけられると、本当に大丈夫な気持ちになります。この作品ができるまでに色々な人がマモルに居場所をくれました。人にしてもらったことを誰かにしてあげたい、そう思うことが生きようとする力に繋がるのだと思います。それを教えてくれた映画です。沢山の人に届いて欲しいです。
監督:永田琴
この数年、若者の深刻な貧困や犯罪を私自身も目の当たりにし、何か表現できないかと考えていたところ、西尾潤さんの原作と出会い、これだ!と企画しました。私にとって初となる男たちの物語を素晴らしい役者たちが彩ってくれています。経験に裏打ちされた深みと純粋さが同居し、画面に映った瞬間ハッとさせられる存在感を放つ北村匠海。芝居をどこまでも追求し物語に深みを与えてくれた綾野剛。等身大の繊細な表情で私の心を鷲掴みにしてくれた林裕太。日本の社会問題を露わにしつつエンターテイメントに仕上げた渾身の一作です。
原作者:西尾潤
『人は生まれる身分を選べない。では、それが売買できるとしたら——?』
本作は現代社会に潜む歪みと、そこに翻弄される人間たちの姿を描いた物語で、自身のデビュー作です。
ひっそりと一人の部屋で生まれたキャラクターたちが、こうして永田監督のもとにたくさんの人と出会い、映像化されたことは、今でも夢の中の出来事のよう。善と悪、欲望と絶望の狭間で揺れる青年たちの選択を、ぜひ劇場で見届けてください。スクリーンに現れたタクヤ、マモル、梶谷は、原作者の中で動いていた時よりも、遥かに魅力的な愚か者でした!
プロデューサー:森井輝
親も、社会も、誰からも手を差し伸べられず、それでも生きてきたことで現代社会の闇に飲まれ、翻弄されてしまう青年たち。一体誰が悪なのか・・どこで間違えたのか・・・
この者たちの人生は、私たちの知りえないところで起きて消えている。しかし、それはすぐ側にあり、自分や家族にも起きうることです。この殺伐とした世界で、ほんの小さな、当たり前の幸せだけを望むタクヤ、マモル、梶谷。どうか観客の皆さんの温かな目線で包み込んであげて欲しいです。素晴らしい原作を、素晴らしいキャスト、監督、スタッフで映画化に臨めたことに大感謝。
<ストーリー>
SNSで女性を装い、言葉巧みに身寄りのない男性たち相手に個人情報を引き出し、 戸籍売買を日々行うタクヤ(北村匠海)とマモル(林裕太)。 彼らは劣悪な環境で育ち、気が付けば闇バイトを行う組織の手先になっていた。 闇ビジネスに手を染めているとはいえ、時にはバカ騒ぎもする二人は、ごく普通の若者であり、いつも一緒だった。 タクヤは、闇ビジネスの世界に入るきっかけとなった兄貴的存在の梶谷(綾野剛)の手を借り、 マモルと共にこの世界から抜け出そうとするが──。
『愚か者の身分』
2025年10月24日(金) 全国公開
出演:北村匠海 林 裕太 綾野剛
プロデューサー:森井 輝
監督:永田 琴
脚本:向井康介
原作:西尾 潤「愚か者の身分」(徳間文庫)
製作:映画「愚か者の身分」製作委員会
製作幹事:THE SEVEN
配給:THE SEVEN ショウゲート
©️2025映画「愚か者の身分」製作委員会