ジャケット¥121,000 パンツ¥49,500 (ともにユーゲン/イデアス 03-6869-4279)
ポロシャツ¥42,900 (ジョン スメドレー/リーミルズ エージェンシー 03-5784-1238)
シューズ¥286,000 (ジョンロブ/ジョン ロブ ジャパン 03-6267-6010)
鈴木亮平 プロフィール
1983年3月29日生まれ、兵庫県出身。2006年俳優デビュー。『椿三十郎』(07)にて映画初出演。NHK連続テレビ小説「花子とアン」(14)にてヒロインの夫役を、NHK大河ドラマ「西郷どん」(18)で主人公の西郷隆盛を演じる。主なテレビドラマ出演は「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」(21/TBS)、「エルピスー希望、あるいは災いー」(22/CX)、「下剋上球児」(23/TBS)など。主な映画出演作は『HK/変態仮面』(13)、『俺物語!!』(15)、『孤狼の血 LEVEL2』(21)、劇場版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』(23)、Netflix映画『シティーハンター』(24)など。『エゴイスト』(23)で第78回毎日映画コンクール男優主演賞ほか多数受賞。
“「兄貴やから俺の方が偉いねんぞ」って言いながらも、
「嫌われたら嫌やな……」という、
そういう兄と妹のリアルな感じを意識しながら演じました”

──『花まんま』で鈴木さんが演じたのは、両親を亡くし、妹のフミ子を一生懸命守ってきた兄の俊樹ですが、この役を演じることに決まった時、どのような気持ちでしたか?
「地元・兵庫に近い大阪が舞台ということで、自分が生まれ育った言葉で演じられますし、僕にも妹がいるので、関西にいた頃の自分が成長したと思って、自然体でやりたいなと思いました」
──俊樹をどのような兄と捉えて演じましたか?
「僕は平成の時代に育ってきましたが、昭和の価値観もありつつ、平成と令和の価値観も入ってきている、ちょうど間の世代なんです。俊樹は結婚がゴールではないと言いつつ、すごくフミ子の結婚を気にしている。妹の恋人から『フミ子さんを僕にください』と挨拶されると、『昭和か、君は』と返しつつも、相手に妹を持っていかれるみたいな気持ちもあって。俊樹のそういう部分は、平成育ちらしいなと思いました」
──俊樹のフミ子を大切に思う気持ちに胸が熱くなり、涙なくしては見られませんでした。特に、フミ子の結婚式で俊樹がスピーチをするシーンには号泣してしまいました。スピーチは、鈴木さんからのアイディアも脚本に反映されたそうですね。
「そうですね、自分自身も妹の結婚式でスピーチをした気分になりました。実際にはしていないんですけど。俊樹は妹を育ててきて、それをアイデンティティとして誇っていて、そんな兄が妹の結婚式に何を思い、何を言うのだろうというのを大事にしたかったんです」
──完成した本作をご覧になって、いかがでしたか?
「この映画は、見る人によって刺さるところが違うんだろうなと思いました。僕はフミ子が関わる繁田家のパートにすごく感情移入しましたが、人によってそれぞれ違うキャララクターに感情移入できるんじゃないでしょうか。それだけ本作はテーマが重層的で、家族愛だけじゃない、良い物語が描かれていると思います」
──撮影中に前田監督からかけられた言葉で印象に残っていることはありますか?
「監督はずっとギャグばっかり言ってるんですよ(笑)。僕は突っ込まないと失礼だと思って、毎回拾っていましたが、架純ちゃんは半分くらいスルーするんです。でも、監督がそういうことばっかり言うのは、役者をリラックスさせるためで、自由に演技させたいということなんだなと感じました。とにかく愛情が強い人なんです。熱いハートを持っていて、それを関西の笑いに包んでいる人ですね」
──鈴木さんと有村さんは同じ兵庫県出身ですが、俊樹とフミ子を演じるお二人は本当の兄妹のように見えました。
「それは嬉しいですね。僕がお芝居しながら意識していたのは、思春期のフミ子には戻ってほしくないという感覚。実際の妹との関係を思い出すと、思春期はイライラしていたり、言葉遣いもきつくなったりして、なぜか睨まれて怒られるんです。兄貴の生き方を否定し始めるみたいな感じで。兄から見たら思春期の妹はすごく怖いんですよね。あんまり言うと、妹に怒られるけど(笑)。兄は妹にベタベタできないし、嫌われたくないからって下手に出るのも癪なので、『兄貴やから俺の方が偉いねんぞ』って言いながらも、『嫌われたら嫌やな……』という、そういう兄と妹のリアルな感じを意識しながら演じました」

※全文はSCREEN2025年6月号に掲載
Q.)最近のおすすめ映画・気になる映画は?
「『ブルータリスト』は面白かったので、おすすめしたいです。フィクションでここまでの世界観を作り上げるのはすごいですよね。一人の人間が建築に込めた思いや、実際の建築を作り上げる描写に引き込まれましたし、映画というものへの信頼感を映画人が持っているのをすごく感じられました。『ANORA アノーラ』はアカデミー賞を取ったし、すごく気になっている映画です。『ウィキッド ふたりの魔女』も時間ができ次第、早く見たいです」
花まんま

第133回直木賞を受賞した朱川湊人の短編集「花まんま」の表題作を『そして、バトンは渡された』(21)などの前田哲監督が映画化。物語の中心となるのは、早くに父母を亡くし二人きりで生きてきた兄妹。「兄貴は損な役回りや」という言葉と裏腹に妹思いな兄・俊樹を『エゴイスト』(23)や『シティーハンター』(24)の鈴木亮平、ある秘密を持つ妹・フミ子を『花束みたいな恋をした』(21)や『月の満ち欠け』(22)の有村架純が演じている。共演に、鈴鹿央士、ファーストサマーウイカ、六角精児、キムラ緑子、酒向芳ら。
あらすじ
「花まんま」それは、大切な人に贈る小さな花のお弁当。早くに父母を亡くし、妹のために必死に働いてきた俊樹(鈴木亮平)。死んだ父と交わした「どんなことがあっても妹を守る」という約束を胸に、妹のフミ子(有村架純)を守り続けてきた。フミ子の結婚が決まり、やっと肩の荷が下りると思った俊樹だったが、遠い昔に封印したはずのフミ子の〈秘密〉が今になって蘇る・・・・・・フミ子には幼少時から別の女性の記憶があったのだ。
『花まんま』
全国公開中
日本/2025/1時間58分/配給:東映
監督:前田 哲
脚本:北 敬太
出演:鈴木亮平、有村架純、鈴鹿央士、ファーストサマーウイカ、オール阪神、オール巨人、六角精児、キムラ緑子、酒向 芳
©2025「花まんま」製作委員会