『ノスフェラトゥ』〜ロバート・エガース監督が吸血鬼映画の古典を独自の映像美で現代に甦らせる〜

登場人物 〜闇の世界の住人とその魔力に翻弄される人々〜

オルロック伯爵（ビル・スカルスガルド）

異様な古城に住まう謎めいた伯爵。その恐るべき正体は?
トランシルバニアの大きな古城に暮らす不気味な人物。昼の間はその姿を現さず、夜間に限って行動する。

エレン・ハッター（リリー＝ローズ・デップ）

夫を愛しながらも心に葛藤を抱え、闇の存在に狙われる若妻
恐ろしい幻覚に悩まされるトーマスの妻。トーマスが商談で訪問した謎の伯爵オルロックに狙われる。

トーマス・ハッター（ニコラス・ホルト）

愛妻エレンと幸福な家庭を築こうとしている物静かな青年
不動産会社に勤め始めた真面目な青年で、新妻エレンを残して遠方のオルロック伯爵の城を一人で訪ねる。

フリードリヒ・ハーディング（アーロン・テイラー＝ジョンソン）

親友夫妻のために一肌脱ぐ良識のある人物だが…
トーマスの友人で彼が出張する間にエレンを客人として受け入れる。家族思いで思慮深い人物。

アンナ・ハーディング（エマ・コリン）

夫フリードリヒと共にトーマスとエレンを救おうとする優しい女性
フリードリヒの妻でエレンの親友。夫婦には2人の子どももおり、完璧に見える家庭を築いている。

フォン・フランツ医師（ウィレム・デフォー）

エレンを襲う異変の正体を感じ取る一風変わった医師
トーマスの留守中に容態が悪化していくエレンを治療するためフリードリヒが雇った風変わりな医師。

インタビュー

リリー＝ローズ・デップ

本作ではオーディションを受け、ロバート・エガース監督を感動させる演技を見せてエレン役を獲得したというリリー＝ローズ・デップ。

「元々吸血鬼映画にとても興味があって、この役はどうしても欲しいと思ったんです。今回はオーディションを受けて良かったと思います。自分の力で手に入れたと感じられるから。監督もキャストがどんな演技を見せてくれるか垣間見る機会になると思うし、いろんな意味で良かったです。」

「今回役作りもあっていろんな吸血鬼映画を事前に見たんですけど、1922年版の『吸血鬼ノスフェラトゥ』も初めて見て、好奇心をくすぐられて、歴史的な意味でも勉強になりました。今回の映画はリメイクというよりエガース監督の独創的な視点で描かれていると思いますけど。監督はいろんな資料を提供してくれて、すでに明確なビジョンも持っていたからそれらを基に役を作り上げていったんです。」

「吸血鬼映画の他にもヒステリアがテーマの映画も見ました。それに衣装も大いに役立ちましたね。1830年代の衣装を着ることで、体の動かし方や息の付き方もわかった気がして、一日中コルセットをつけることとヒステリアの関連性も想像でき、キャラクターの内部に入ることができました」

ロバート・エガース監督

1922年の『吸血鬼ノスフェラトゥ』はロバート・エガースが子供の頃、映画監督になりたいと思わせた作品だが、今回独自の映画として作り直すためにどんな苦労があったのか。

「自分らしい映画にするために脚本には1年ほどかけました。エレンを主人公として全面に押し出し、彼女とハーディング家の関係を入れ込んだり、オルロックをフォークロア（民間伝承）的な存在の吸血鬼として描きました。以前一度決めたキャラクター設定や当初からあった映画の意図は変わりませんでした。」

「ホラー映画にもいろいろありますが、私は人間性における闇とは何かを考えさせるものにしたかったのです。もっと時間をかけ急がずに製作したらベターになったかもしれませんが、この映画を作ろうとしたのはもう3回目だったので完成したのが嬉しく誇らしいです。」

「今回集まったキャストたちもみんな出演を熱望した俳優ばかりで幸運でした。求めたのは時代設定に合った顔であること。リリー＝ローズ（デップ）もビル（スカルスガルド）もみな素晴らしい演技を見せてくれました。ウィレム（デフォー）とは3回目の仕事ですが、細かい説明をしなくても意思疎通ができます。知っている顔に囲まれた現場は楽しいんです」

Photos by GettyImages

『ノスフェラトゥ』
2025年5月16日（金）公開
アメリカ＝イギリス＝ハンガリー／2024年／2時間12分／配給：パルコ、ユニバーサル映画
監督・脚本：ロバート・エガース
出演：ビル・スカルスガルド、ニコラス・ホルト、リリー＝ローズ・デップ、アーロン・テイラー＝ジョンソン、エマ・コリン、ウィレム・デフォー

© 2024 Focus Features LLC. All rights reserved.