カバー画像:©2024 The Apartment S.r.l., FremantleMedia North America, Inc., Frenesy Film Company S.r.l.
イントロダクション
『君の名前で僕を呼んで』『サスペリア』『チャレンジャーズ』等を手掛け、DC映画『サージェント・ロック(原題)』が控えるなど多様なジャンルで活躍するルカ・グァダニーノ監督。彼が「007」シリーズのダニエル・クレイグを主演に迎えて文豪ウィリアム・S・バロウズの未完の小説を映画化した『クィア/QUEER』が、5月9日に日本公開を迎える。波乱万丈な生涯を過ごした作家バロウズの私小説的要素を含む本作は、1950年代のメキシコシティを舞台に、狂おしいまでに愛を求めてしまう駐在員と彼を翻弄するミステリアスな青年の刹那的な関係、その形容しがたい距離感を赤裸々に描き出したラブストーリー。
グァダニーノ監督が長年温めていた念願の企画であり、本人も「最も個人的な映画」と語っていることから察せる通り、熱がこもったメキシコシティから湿度に満ちたジャングルに至るまで全編を通して才気と作家性がほとばしっている。2024年・第81回ヴェネツィア国際映画祭でお披露目された本作は、『ムーンライト』『ミッドサマー』の映画会社A24が米国配給権、『aftersun/アフターサン』『サブスタンス』を買い付けたストリーミングサービスMUBIが英国ほかの権利を獲得したことも話題に。
「DUNE/デューン」シリーズのドゥニ・ヴィルヌーヴ、『パスト ライブス/再会』のセリーヌ・ソンといった名だたる監督からも2024年のお気に入り映画として激賞され、ナショナル・ボード・オブ・レビューではクレイグが主演男優賞を受賞&「今年のトップ10」に『ANORA アノーラ』や『教皇選挙』と共に選出。クレイグは第82回ゴールデン・グローブ賞の主演男優賞(ドラマ部門)にもノミネートされた。格調高いこれまでのイメージをかなぐり捨て、愛に全振りしたクレイグの熱演、相手役に扮したドリュー・スターキー(『Love,サイモン 17歳の告白』「アウターバンクス」)の存在感、グァダニーノ監督のパッション—各々の強烈な個性は、スクリーンに収まりきらないほど濃く、切実に訴えかけてくる。
ストーリー

1950年代のメキシコシティ。アメリカ人駐在員のウィリアム・リー(ダニエル・クレイグ)は小さなアメリカ人コミュニティの中で退屈な日々をやり過ごしていた。ある日、通りすがりの青年ユージーン(ドリュー・スターキー)と目が合い、心惹かれるリー。他者を拒まないがどこか周囲に壁を作り、なかなか本心に立ち入らせないユージーンにやきもきしながらもなんとか距離を詰めようとアプローチを続け、遂に念願かなって一夜を共に過ごすのだが—。
登場人物

ウィリアム・リー(ダニエル・クレイグ)
ウィリアム・リー(ダニエル・クレイグ)
周囲にはクールに振る舞っているが、その胸の奥では愛情を渇望しているアメリカ人駐在員。

ユージーン・アラートン(ドリュー・スターキー)
ユージーン・アラートン(ドリュー・スターキー)
リーが熱を上げる青年。好奇心旺盛な一方、自分語りを行わず懐に入らせない二面性を持つ。

ジョー(ジェイソン・シュワルツマン、右)
ジョー(ジェイソン・シュワルツマン)
リーの飲み仲間であり、本音を明かせる良き相談相手。リーを見守り、時にはアドバイスも。

コッター博士(レスリー・マンヴィル)
コッター博士(レスリー・マンヴィル)
リーとユージーンが南米の旅で出会う人物。治癒の儀式を体験したがる2人を品定めする。
『クィア/QUEER』
5月9日(金)公開
イタリア=アメリカ/2024年/2時間17分/配給:ギャガ
監督:ルカ・グァダニーノ
出演:ダニエル・クレイグ、ドリュー・スターキー、ジェイソン・シュワルツマン、レスリー・マンヴィル
©2024 The Apartment S.r.l., FremantleMedia North America, Inc., Frenesy Film Company S.r.l.