全世界興行収入900億円越えの大ヒットを記録した「パディントン」シリーズ最新作『パディントン 消えた黄金郷の秘密』。今回は出演者たちのインタビューをお届けします。(文・編集部/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:Photos by Getty Images

ベン・ウィショー

“この作品が世界中に届くことを願っているよ。パディントンは誰にとっても魅力的だ。”

画像1: Photo by Getty Images

Photo by Getty Images

ベン・ウィショー プロフィール

1980年10月14日、イギリス・ヘッドフォードシャー州生まれ。1999年『ザ・トレンチ 塹壕』でスクリーンデビュー。『パフューム ある人殺しの物語』(06)『ブライト・スター いちばん美しい恋の詩(うた)』(08)で主演を務め、「007」シリーズ第23作『スカイフォール』(12)のQ役でハリウッド大作に初出演。その後の英国TVドラマでの活躍は目覚ましく「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠」(12)で英国アカデミー賞、「英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件」(18)でゴールデングローブ賞を受賞。

──最初にこの映画の台本を読んだときの印象を教えてください。

「3作目の台本は本当にすばらしいと感じたよ。前の2作は言うまでもなく大成功だった。だからこそ考えてしまう。とても心配だったよ。3作目では 何が必要になるだろうって。失敗できないというプレッシャーもあった。変化を加えることで台無しにしたくなくて。それでもすごくよかったのは、これまでよりも冒険的な物語になった点だ。本作でパディントンはしっかりとした明確な目的を持っている。もちろん前の2作もそうだったけど、本作ではますますパディントンの身に危険が降りかかるんだ。とても興奮したし楽しかった、それに感動的だったね。僕としては本当にワクワクしたし、ある意味で安心した。これは必ず成功するってね」

──パディントンと故郷ペルーについて教えてください。

「パディントンの帰郷はとても喜ばしいシーンだ。ペルーはクマとしての故郷だからね。とにかく楽しいのが、パディントンの新たな一面を見られることだ。彼は自分がクマであることに対し、新たな視点や考えを得るんだ。イギリス人であることに対してもとてもすばらしくて感動的な大切なメッセージが込められてる」

──ブラウン一家とパディントンの関係性の変化について教えてください。

「今回の物語で大きな変化が起こる。今までパディントンはウィンザー・ガーデンのブラウン家で暮らしていたけれど、本作ではその関係性が逆転するんだ。ブラウン家の人々はジャングルの未知の世界に入っていく。本作では一人ひとりがそれぞれの問題に立ち向かう。冒険を通じて自分自身と向き合ったり、家庭内での役割を考えたり、詳しく言えないけど危機にぶち当たるんだ。彼らがどんなふうに団結していくのか、そこが感動的だ」

画像1: “この作品が世界中に届くことを願っているよ。パディントンは誰にとっても魅力的だ。”

──パディントンの声を演じる工程について教えてください。

「今までのどの撮影現場よりも孤独を感じていた。でも監督たちがいてくれるし、画面の奥にはすばらしい役者たちがいる。でも変わった工程の中で不思議なことが起こるんだ。声だけでなく体を使って演技をしていくうちに周りの人の姿が見えなくなる。でもそうすることで演技に集中できるんだ。クマの動きを想像して細かい体重移動を考える。注意を向ける方向なんかもものすごく複雑な作業なんだ。そんな僕の映像も残ってるよ。毎回貴重な経験をしてる」

──演じてみて特に楽しかったシーンはありますか?

「パディントンにとって、敵役と出会う場面はいつも最高だ。アントニオとのシーンは演じていて本当に楽しかった。彼の演技はすばらしかったよ。それに対するパディントンの反応を演じるのも 面白かったね。パディントンには相手の本性が分からない。彼は人のよいところだけを見てるから。だけど本能でちょっと変だと気づくんだ。とても楽しいシーンだったよ」

──シリーズを通じてパディントンの声はどのように進化しましたか?

「大切なのはやりすぎないことだ。最初の演技ではパディントンの声を高めの声にしようとしたけど、最終的にクマらしい低音になった。彼の声には温かみがあって純粋で、それにユーモアや弱い部分も必要だと思う。すべて混ざってるよ」

画像2: “この作品が世界中に届くことを願っているよ。パディントンは誰にとっても魅力的だ。”

──パディントンについて大切にしていることは?

「最も大切だと思うのは、彼の世界に対する果てしない探求心だ。常に喜びを見つけ物事を前向きに捉えて人を信じる純粋な心を持つところが好きだね。それから失敗するところも親しみが持てる。いつもやり方を間違ってしまうんだ。そんなところも魅力的だね。もし人間の役だったら、あんなに前向きで礼儀正しく無邪気には演じられない。クマだからこそできるんだと思うし、彼自身の人柄でもある」

──本作を通じて観客の心に響くテーマは何だと思いますか?

「パディントンは喜びや、前向きさ、優しさにあふれ、たとえ落ち込んでもすぐに元気になるんだ。このシリーズにはそんな精神が込められてる。違いを認め合い、互いに思いやりと尊敬を持つ。人生の喜びと楽しみもね。とても価値のある作品だと思ってる」

──本作を見た人に感じてほしいことは?

「観客の皆さんには、とにかく楽しんでほしい。きっと幸せな気持ちになれると思う。楽しみ、喜び、笑いにあふれた作品だからね。メッセージ性もある映画だ。パディントンはクマであり、イギリス人であると自覚しその中間にいることに気づく。そしてそのすばらしさにもね。ブラウン一家はそんな彼を受け入れて愛する。この作品が世界中に届くことを願っているよ。パディントンは誰にとっても魅力的だ。すてきなクマだよ」

『パディントン 消えた黄金郷の秘密』
2025年5月9日(金)公開
イギリス/2024/1時間47分/配給:キノフィルムズ
監督:ドゥーガル・ウィルソン
出演:ベン・ウィショー(声)、イメルダ・スタウントン(声)、ヒュー・ボネヴィル、エミリー・モーティマー、アントニオ・バンデラス、オリヴィア・コールマン、ジュリー・ウォルターズ、サミュエル・ジョスリン、マデリン・ハリス、ジム・ブロードベント、カルラ・トウス

© 2024 STUDIOCANAL FILMS LTD. – KINOSHITA GROUP CO., LTD. All Rights Reserved.

This article is a sponsored article by
''.