今年は、立て続けに注目作が公開されているフローレンス・ピュー。ここでは、世界中の映画ファンの心を掴んで離さない彼女の魅力を改めてご紹介します。まずは、これまでのキャリアから振り返ってみましょう!(文・SYO/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:Photo by Gareth Cattermole/Getty Images

注目を浴びるきっかけとなった初主演作『レディ・マクベス』

心を動かす名演にも様々な種類があるが、ことフローレンス・ピューにおいては「弱さ」と「痛み」──もっというと「虚勢」とその奥の「本音」をさらけ出す覚悟と感性が図抜けている。映画を信じ、仲間を信じ、そして何より観客を信じているからこそ「きっと届く」とブレーキをかけずに堂々と飛び込む──その捨て身ともいえる際限も誇張も偽りもない真実の感情表現に、どうしようもないほど揺さぶられてきたファンは多いはずだ。

米アカデミー賞に1度、英国アカデミー賞に2度ノミネートされ、マーベル映画でもメインを張る彼女は、群雄割拠の映画業界において他の追随を許さない確固たる地位を築いている。しかしそのキャリアは、まだ10年ほどというから恐れ入る。『フォーリング 少女たちのめざめ』(14)で長編映画デビューを飾ると、わずか2年後には『レディ・マクベス 17歳の欲望』(16)で初主演を飾り、英国インディペンデント映画賞の主演女優賞をいきなりもぎ取った。

その後もジャウム・コレット=セラ監督×リーアム・ニーソン主演のアクション映画『トレイン・ミッション』(18)やクリス・パインが主演を務めたNetflixの歴史劇『アウトロー・キング スコットランドの英雄』(18)に参加し─最大級の転機が訪れる。『ヘレディタリー/継承』(18)で批評家や観客を震撼させ、鮮烈な長編デビューを飾ったアリ・アスター監督の次回作『ミッドサマー』(19)の主演に抜てきされたのだ。

『レディ・マクベス 17歳の欲望』(2016)
© iFeatures Limited 2016.

『レディ・マクベス 17歳の欲望』発売中

DVD:4,180円(税込)
発売元:アット エンタテインメント
販売元:TCエンタテインメント

日本ではミーム化するほどの人気作となった『ミッドサマー』

本作でピューが演じた女子大生ダニーは、妹が両親を道連れに無理心中を図ったトラウマから回復できず、恋人にウザがられていると知りながらも依存してしまう人物。その痛々しいまでの傷つきぶりは圧巻で、スウェーデンのカルト的なコミュニティで巻き起こる衝撃的な事件の数々に気圧されながらも「ここは自分の居場所なのでは?」と救済されていくメンタル変化のグラデーションは見事としか言いようがない。本作では日本でもミーム化するほどの人気作となったが、彼女の熱演なくしてはこの結果は得られなかっただろう。

続くグレタ・ガーウィグ監督作『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(19)では、シアーシャ・ローナンやエマ・ワトソンと共演。一見明るく奔放な末っ子気質ながら、その一方で長女への愛と嫉妬に苦しむナイーブな四女エイミーをなんとも立体的に演じ切り、第92回アカデミー賞助演女優賞ノミネートほか絶賛を浴びた。

『ミッドサマー』(2019)
©2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.

『ミッドサマー』発売中

Blu-ray:5,390円(税込)
発売・販売元:TCエンタテインメント

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(2019)
© 2019 Columbia Pictures Industries, Inc.,Monarchy Enterprises S.a r.l. and Regency Entertainment (USA), Inc. All Rights Reserved.

『ストーリー・オブ・マイライフ/
わたしの若草物語』

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権利元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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