飛び交う噂から探るDCユニバースの今後!
『スーパーマン』から本格的に開幕したDCユニバース(DCU)。今後も続々と話題作がやってくる模様です。おなじみ杉山すぴ豊さんに解説してもらいました。

5月のアップフロントで、新作「ランタンズ(原題)」をプレゼンするガン(右)とサフラン
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DCUの広がりの布石が『スーパーマン』にあるはず!
いよいよジェームズ・ガン監督の『スーパーマン』が公開されます。本作はガン監督とプロデューサーのピーター・サフランが陣頭指揮をとる新たなDC映画・ドラマ世界=DCユニバース/DCUの記念すべき1作目の劇場公開作となります。(なぜこういう書き方をしたかというとDCUとしての1作目はアニメ「クリーチャー・コマンドーズ」だからです。
従って『スーパーマン』は、もちろん単独の映画としても楽しみですが、本作において今後のDCUがどういう風に広がっていくのかを示す要素もいくつか散りばめられているはずです。そもそもこのガン版がユニークなのは、スーパーマン以外のヒーローが沢山出てくるということです。いま現在確認されているだけでもグリーン・ランタン、ホークガール、ミスター・テリフィック、メタモルフォ、エンジニア等のDCヒーローたちが登場します。つまりDCUは映画1作目からヒーローたちのいる世界という前提で始まるわけですね。そして本作にはスーパーマンの従妹(従姉かもしれません、これは映画やドラマごとに設定が異なるので)であるスーパーガールことカーラ・ゾーエルが出ることも決まっているようです。彼女を主役にした『スーパーガール:ウーマン・オブ・トゥモロー(原題)』が1年後の2026年6月26日に全米公開。本作にはジェイソン・モモアがDCコミックの中で人気の過激キャラ、宇宙の賞金稼ぎでありロボ役で登場するということも話題です。
二大巨頭のもう一方“バットマン”の映画も?
そして気になるのはこれ以降の作品です。これまでいくつかのタイトルが発表され、しかし製作準備が止まったりしてハッキリしない部分があるのですが、いま映画準備が進んでいると言われているのが『ザ・ブレイブ・アンド・ザ・ボールド(原題)』です。これはDCU版のバットマン物! コミックではバットマンことブルース・ウェインとラーズ・アル・グールの娘タリアの間に生まれた息子ダミアンがバットマンの相棒ロビンとして活躍しています。このブルースとダミアンの父子関係を描いた作品になる、つまり子連れバットマン物です。監督は『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』2作、『ザ・フラッシュ』のアンディ・ムスキエティとの噂。やはりDC世界はなんだかんだいってスーパーマンとバットマンが揃わないとジャスティス・リーグとかに発展していかないので早くDCU版バットマンのデビューを待ちたいところ。
ただここでややこしいのはマット・リーヴス監督×ロバート・パティンソン出演の『THE BATMAN−ザ・バットマン−』の続編もいま準備中です。全米公開は2027年10月1日予定。このザ・バットマンはDCUとは別世界観の“DCエルスワールズ”という傘の下で作られます。同じ年に違う世界観のバットマン映画を2つ公開するとは考えにくいので、『ザ・ブレイブ・アンド・ザ・ボールド』は早くても2028年公開?
ヴィラン主役のホラーやドラマシリーズなど多彩に展開
けれどまたまたややこしい話がありまして(笑)、2026年9月11日公開を目指して『クレイフェイス』なる作品の準備が進んでいるようです。このキャラはバットマンのヴィランで、クレイフェイス=粘土顔という名からもわかるようにあらゆるものに変身できる特殊体質の怪人です。ドロドロのモンスターっぽいところもあるのですが、彼を主人公としたホラー映画として作るみたい。その証拠に脚本は『ドクター・スリープ』のマイク・フラナガン、監督は『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』のジェームズ・ワトキンスとホラー畑ですから。一説によると『サブスタンス』のヒットを受けてGO!が出たようです。
その他製作されると言われているのが異色の超人チームを描く『ジ・オーソリティ(原題)』。本チームのメンバーの一人“エンジニア”というキャラが映画『スーパーマン』に登場することが決まっているので(『スーパーマン』の予告で両手が回転ノコギリみたいに変形する女性)、つまりこのチームの存在はDCUで認められているということです。
最後はジェームズ・マンゴールド監督が撮ると言われているホラー系植物怪人ヒーロー『スワンプシング(原題)』。ただしグロい怪人モノは『クレイフェイス』とキャラが被るので少し間を空けるかな。という感じです。
ここでは字数の関係で駆けませんですが「ピースメイカー」シーズン2*や「ランタンズ(原題)」(グリーン・ランタンもの)といったDCUドラマもいくつかリリースされるようです。色々な情報・噂がとびかうDCUですが、いずれにせよ今後の展望・展開はガン監督の『スーパーマン』のヒットにかかっています。DCUを楽しみたかったら、まずは『スーパーマン』を観にいきましょう!
(文・杉山すぴ豊)