ジェームズ・ガン版『スーパーマン』で、スーパーマンの宿敵レックス・ルーサーを演じるのはニコラス・ホルト。幅広い役柄で培ってきた“極端さ”と“誠実さ”をブレンドさせ活躍する、近年の軌跡に改めて迫ってみましょう。(文・斉藤博昭/デジタル編集・スクリーン編集部)
Photo by Gareth Cattermole/Getty Images for IMDb

インタビュー

ニコラス・ホルト、レックス・ルーサー役を語る

──レックス・ルーサーの性格について話してもらえますか?

「レックスは、ある意味ヒューマニストなんです。人類を愛している。人類が自身の運命を決めることを望んでいて、自分が人類の頂点に立ちたいと願っています。知的にも、肉体的にも、すべてにおいて。だから、自分よりも才能があり、すべての面で優れているスーパーマンが現れたことは、彼にとって苦痛なんです。それが彼の心に深い恨みを生みます」

──ある種の型があるレックス・ルーサーという役に、あなた自身の見解や経験を注入する際、どうバランスをとりましたか?

「あまり意識的には行っていないと思います。もし僕が意図的に『僕はこれを違う風にやろう』と思って、目立とうとしたり、物事に違う解釈を加えようとしたりするのは、真実味がなく、不誠実であるような気がしますから。さまざまなリサーチをたどったり、これまでレックスを演じてきた俳優たちと僕自身が違う人間であったりと、すべてが相まって、少し違う感触になったのだと思います」

──この映画のレックス・ルーサーは、原作コミックと同じくスキンヘッドです。実際に頭を剃りましたか?

「僕は頭を剃るのが好きなんです。開放的で気分も変わりますから。この映画のレックスは髪なんて軽薄なものに構っている暇はないんです。最終的なゴールと達成すべきことにとても集中しているから、髪があるとその進行が遅れるんです(笑)」

──ちなみに頭を剃るのを息子さんに手伝ってもらったそうですね?

「そうです。僕の息子がバリカンで剃ってくれたんですよ!」

Profile

1989年12月7日、イギリスのバークシャー生まれ。大伯母はデイムの称号を持つ女優アナ・ニーグル。3歳の時にピアノ教師だった母の演奏会場で見出され演劇学校に通う。96年に子役で映画デビュー。『アバウト・ア・ボーイ』(02)で注目された。

演技力が光る直近の代表作

『陪審員2番』Juror #2 (2024)

画像: 『陪審員2番』Juror #2 (2024)

クリント・イーストウッドが94歳で送り出した監督作。ある夜、運転中の車で何かを轢いてしまった主人公ジャスティンが、裁判で陪審員に選ばれる。恋人を殺害したとされる被告だが、ジャスティン当夜の記憶と重なり、陪審員としての判断が試されることに。自己弁護と正義の間で揺れ動くニコラスの演技が作品の大きな見どころ。

『陪審員2番』デジタル配信中

ブルーレイ&DVDセット5,280 円(税込)

発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

販売元:NBC ユニバーサル・エンター
テイメント

©2024 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.

『オーダー』The Order(2024)

画像: Prime Videoで独占配信中 © Amazon MGM Studios

Prime Videoで独占配信中 © Amazon MGM Studios

1980年代のアイダホ州を舞台に、実在した白人至上主義の犯罪集団「オーダー」と、FBI捜査官の攻防を描いた骨太なクライムサスペンス。ジュード・ロウの捜査官と、ニコラスが演じるオーダーのリーダー格という両主人公がなかなか顔を合わせない分、ついに対峙する瞬間の緊迫感が凄まじい。犯罪シーンもリアリティ満点!

『ノスフェラトゥ』Nosferatu(2024)

画像: © 2024 Focus Features LLC. All rights reserved.

© 2024 Focus Features LLC. All rights reserved.

『ライトハウス』などのロバート・エガース監督が、持ち前の映像美を生かして演出した吸血鬼ホラー。19世紀のヨーロッパで、不動産売買でオルロック伯爵の古城に向かったトーマスが壮絶な運命を強いられる。オルロックとの危うい攻防、自宅に残した妻エレンを苦しめる呪い……。徐々に精神を蝕まれるトーマスをニコラスが熱演。

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