初共演となった『鯨が消えた入り江』で最高のケミストリーを魅せたテレンス&フェンディ。そんな2人に、お互いの第一印象や、撮影で苦労したこと、日本のカルチャーで興味があることなどをたっぷりと語ってもらいました。(インタビュー&テキスト&デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:『鯨が消えた入り江』より ©2024 DRAMA CULTURE COMPANY LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

フェンディ・ファン/阿翔(アシャン)役

“(テレンスと)一緒に撮影してて本当に楽しかったし、面白かったし、
何より安心感のある人でした”

──本作に出演を決めた理由を教えてください。脚本のどんな部分に惹かれましたか?

「阿翔と天宇が、実在しない“ある場所”に強く惹かれていくところが、僕にはすごく面白く感じられました。しかもこの2人は、昔ながらの文通でつながっているんですよね。今の時代って、ネットがあれば会うのなんて簡単だけど、手紙だけで相手を想像して、返信を待つ─その時間があることで、心が動くというか…僕はそういうロマンチックな感じがすごく好きなんです。この映画を通して、自分のなかにあるその気持ちが、観てくれる皆さんにも伝わったら嬉しいなと思っています」

──初共演のテレンスさんとは、撮影初日から意気投合したとのことでしたが、お互いの第一印象はどんなものでしたか。また、撮影中の思い出深いエピソードがあれば教えてください。

「最初の印象では、テレンスって無口なときはちょっとクールで距離がある感じがしたんです。でも仲良くなってみると、実はお互いにちょっとおちゃめなところがあるって気づいて(笑)。撮影中、あるシーンで僕がうっかりドアのガラスを割っちゃったことがあったんです。しかもその時、僕もテレンスも上半身裸で(笑)、一瞬『ヤバい…!』って固まったんですけど、テレンスはすごく落ち着いてて、すぐに僕をガラスの破片から引っ張って助けてくれました。一緒に撮影してて本当に楽しかったし、面白かったし、何より安心感のある人でした」

──もしまたテレンスさんと共演するとしたら、どんな作品に挑戦してみたいですか?

「うわぁ、それは本当に思ってもみなかったけど、テレンスの『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』を観たとき、僕も『一緒にアクションやってみたいな!』って感じたんです。僕自身もアクションシーン、けっこう好きなんですよ!」

──本作は、天宇と阿翔が心を重ねながら旅をするロードムービー。作品を通して印象に残っているロケ地はありますか?

「僕、墾丁がとても好きなんです。あのジリジリした暑さとか、歩いててどこかの路地をふと抜けると、全然違う海の景色が広がってたり、秘密のビーチに出会えたりするのがたまらないんですよね。それに、阿翔と天宇が一緒に電車に乗るシーンもすごく良かったなと思っていて。短い旅なんだけど、トンネルをひとつ抜けるたびに景色が変わって、山があって、海があって、広い平原も見えて─あの感じ、僕すごく好きです」

──旅の途中で、阿翔がサーフィンをするシーンもとても印象的でした。撮影で特に大変だったことはありましたか?

「サーフィンのシーンの撮影は、やはり簡単じゃなかったですね。でも、僕のなかではすごくワクワクしてました! 普段からサーフィンが大好きなので、まさかお芝居の中でそれを表現できるなんて思ってもみなくて、本当に嬉しかったです。自然のなかでの撮影って、思い通りにならないことも多いし、さらにカメラのアングルとか、光のタイミングとか、いろんな条件があったんですが…撮影監督が本当にすごくて、あのシーンもスムーズに撮れて、時間もあまりかからなかったんです。感謝しかないです!」

──日本の映画やカルチャーで好きな作品や興味のあることはありますか?

「是枝裕和監督の映画が、僕はすごく好きなんです。小さな家のなかで、ひとつの食卓を囲んで、家族や誰かと話す─そんな何気ない日常のなかに、人と人との関係性がちゃんと感じられて、登場人物ひとりひとりの気持ちが伝わってくる。ああいった世界観にすごく惹かれます。それから、日本の神社も大好きです。ひとつひとつにちゃんと歴史があって、それぞれの物語があるところが魅力的で。日本に行くと、よく神社を歩いてまわったりしています」

──最後に日本のファンの皆さんに向けてメッセージをお願いします。

「日本で皆さんにお会いできる日がくることを願っていますし、もっとたくさんの作品をお届けできたら嬉しいです。文通のように、待っている時間やその期待感があるからこそ、ひとつひとつの出会いがより大切なものになるんですよね」

Profile)Fandy Fan

1993年11月4日、台湾生まれ。主な出演作は、「HIStory2超界〜君にアタック!」(18)、『運命のマッチアップ』(19)、『孤独 不倫の代償』(21)、「悲しみより、もっと悲しい物語」(21)、「輝く君に~The way you shine~」(23)など。

『鯨が消えた入り江』8月8日(金)〜21日(木)2週間限定上映
台湾/2024年/1時間41分/マーチ配給
監督:エンジェル・テン
出演:テレンス・ラウ、フェンディ・ファン
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