初共演となった『鯨が消えた入り江』で最高のケミストリーを魅せたテレンス&フェンディ。そんな2人に、お互いの第一印象や、撮影で苦労したこと、日本のカルチャーで興味があることなどをたっぷりと語ってもらいました。(インタビュー&テキスト&デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:『鯨が消えた入り江』より ©2024 DRAMA CULTURE COMPANY LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

テレンス・ラウ/天宇(ティエンユー)役

“(フェンディと)一緒にいるととても心地よくて、素の自分でいられるんです”

──心に深い傷を負った香港の人気作家・天宇を演じてみていかがでしたか。

「天宇は、きっと多くの人がどこかで共感できるような存在だと思います。僕は、彼が『わかってほしい』と願う気持ちに、丁寧に寄り添うことを大切にしました。そして、誰かを心から探し続けるそのまっすぐな想いには、僕自身も深く心を動かされました」

──本作では天宇と阿翔の関係性が非常に深く、繊細に描かれています。そんな2人の関係性をどう捉えて演じられましたか?

「人と人とのあいだには、いろんな形の感情があると思うんです。それって、ごく自然なことだと僕は感じています。この映画でも、その感情をどう捉えるかは観た人それぞれの想像に委ねられているので、僕たちも『これはこういう気持ちだ』とは決めつけずに、感じたままを大切にして演じました」

──初共演のフェンディさんとは、撮影初日から意気投合したとのことでしたが、お互いの第一印象はどんなものでしたか。また、撮影中の思い出深いエピソードがあれば教えてください。

「フェンディと初めて会ったのは、レストランで食事をしていたときでした。最初の印象は、『すごくかっこいい人だな』というもので、気づいたら自然に話し始めていて…演技のことや、日常のことをいろいろ話しました。彼はとても明るくて、まっすぐな人。まるで海のように澄んだ、大きな男の子という感じで、一緒にいるととても心地よくて、素の自分でいられるんです」

──もしまたフェンディさんと共演するとしたら、どんな作品に挑戦してみたいですか?

「どんな題材でもきっと挑戦できると思うし、またフェンディと一緒に作品をつくる機会があれば、それだけで嬉しいです」

──本作は、天宇と阿翔が心を重ねながら旅をするロードムービー。作品を通して印象に残っているロケ地はありますか?

「この作品の撮影を通して、台湾で今までに行ったことのなかった場所をたくさん訪れました。なかでも一番心に残っているのは『海』です。北海岸や、台東・花蓮の海岸線、そして恆春の海辺にも行きました。とくに印象的だったのは、クランクアップの日。ちょうど夕暮れ時で、恆春の海の向こうに広がる赤やオレンジの空を見ていたら、言葉にならないような幸福感がこみ上げてきて─世界って本当に美しいんだな、と心から思いました」

──本作のテーマである「再生」や「癒し」にちなみ、テレンスさんご自身が「心が癒される」と感じる瞬間を教えてください。

「自然の中にいると、いつも心が癒されるんです。何も考えずに、ただ木々が揺れるのを眺めたり、空に浮かぶ雲を追いかけたり。山の中を歩きながら、自分の内側の声にそっと耳を傾ける─そんな時間が、僕はすごく好きです」

──日本の映画やカルチャーで好きな作品や興味のあることはありますか?

「僕は日本がとても好きなんです。日本には、美に対する感性や、自分たちの文化に対する強いこだわりや誇りがあって、それが本当に素晴らしいなと感じています。」

「僕自身、日本映画を観て育ったところもあって北野武監督の『あの夏、いちばん静かな海。』や『キッズ・リターン』、是枝裕和監督の『海よりもまだ深く』、河瀨直美監督の『光』、滝田洋二郎監督の『おくりびと』、空音央監督の『HAPPYEND』など、大好きな作品がたくさんあります」

──大ヒットを記録した『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』で“信一(ソンヤッ)”役を演じられたことで、日本にも多くのファンがいらっしゃいます。最後に日本のファンの皆さんへ、メッセージをお願いします。

「日本の皆さん、本当にありがとうございます!『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』にこれほどまでに温かい応援をいただけるなんて、正直、思ってもみませんでした。九龍城砦という、今はもう存在しない場所について、多くの日本の方々が熱心に資料を集めたり、記録を残そうとしてくださっていることを知って、とても感動しています。この場所が、別のかたちで未来へと受け継がれていくのは、皆さんのおかげです。本当に、心から感謝しています」

Profile)Terrance Lau

1988年9月26日、香港生まれ。主な出演作は、『夢の向こうに』(19)、「二月二十九日」(20)、『アニタ』(21)、『トラブル・ガール』(23)、『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』(24)、『スタントマン 武替道』(24)など。

『鯨が消えた入り江』8月8日(金)〜21日(木)2週間限定上映
台湾/2024年/1時間41分/マーチ配給
監督:エンジェル・テン
出演:テレンス・ラウ、フェンディ・ファン
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