イントロダクション

カンヌ、ベネチア、ベルリンの世界3大国際映画祭ですべての監督賞を制覇した現代ハリウッドが誇るトップ・クリエイター、ポール・トーマス・アンダーソン。彼の最新作に主演するのは『レヴェナント 蘇えりし者』でアカデミー賞主演男優賞に輝くレオナルド・ディカプリオ。元革命家の男に扮し、初タッグとなるアンダーソン作品で、息もつかせぬ逃走劇ならぬ闘争劇を展開する。さらに『ミルク』のショーン・ペン、『トラフィック』のベニチオ・デル・トロとやはりオスカー受賞経験者が共演。他にも『最終絶叫計画』のレジーナ・ホール、『星の王子ニューヨークへ行く2』のテヤナ・テイラー、新星チェイス・インフィニティらが出演。

冴えない元革命家がある目的で異常な執着心を持つ軍人に狙われた愛娘を守るために、次々襲いかかる障害と戦う姿を描く本作は、『インヒアレント・ヴァイス』でもアンダーソンが映画化したトマス・ピンチョンの小説「ヴァインランド」に着想を得ており、今回もアンダーソンが脚色して、これまでのアンダーソン作品で最大の製作費をかけた大作となっている。撮影をアンダーソンとマイケル・バウマンが共同で務め、衣装を初のコラボとなるコリーン・アトウッド、音楽を常連のジョニー・グリーンウッドが担当する。
ストーリー

かつて世を騒がせた元革命家のボブ(ディカプリオ)は最強の革命家だった妻ペルフィディア(テイラー)と共に軍人ロックジョー(ペン)が警備するメキシコ国境地帯の移民拘留施設を襲撃し作戦成功した。そんな革命活動に明け暮れる日々の中、娘を生んだペルフィディアは突然、ボブと娘を残して姿を消してしまう。

それから月日が経ち、娘ウィラ(インフィニティ)もすっかり成長し高校に通っていたが、当局から追われる身だったボブは常にウィラの危険を心配するものの、すでに革命家の面影もないダメ中年になっていた。そんなある日、出世したあのロックジョーが、何らかの事情でウィラを捕えようとしていた。恐るべき情報収集力で親子が秘密裏に暮らす街に兵士たちを引き連れ侵攻してくるロックジョー。学校にいたウィラはかつての両親の革命同志であるデアンドラ(ホール)と共に逃げ出すが、娘の安否を気遣うボブはテンパってしまい、逃走しながらウィラを探すうちにいくつものピンチに見舞われる。それを救ってくれたのはウィラが通う空手道場のセンセイ(デル・トロ)だった。なんとしても娘を救おうと奔走するボブ。はたしてロックジョーの狙うものは何か? ボブは最愛の娘を取り戻すことができるのか?
チェックポイント
1. 映画のエンドクレジットの最後に「アダムに捧ぐ」という記述と共に、ある人物の一枚の写真が映し出される。この人物は『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』以来、アンダーソン作品で長年にわたり共同製作、また助監督を務めてきたアダム・ソムナーその人。彼は24年11月に甲状腺がんのため亡くなった。本作が最後のアンダーソンとのコラボとなり、哀悼の意を込めてラストを飾ったのだ。
2. レオナルド・ディカプリオは今回念願のポール・トーマス・アンダーソン監督作に初めて主演できたことをことのほか喜んでいる。米エスクワイアによる監督との対談で、レオは「自分にとって一番後悔したことは監督の『ブギーナイツ』(97)への出演を断ったことだった、あの作品はボクの世代にとって深い意味を持っているから」と語っており、夢のコラボ実現まで30年近くかかってしまった。
予想不可能の闘争劇を彩るクセ強キャラクターたち

ボブ(レオナルド・ディカプリオ)
ボブ(レオナルド・ディカプリオ)
元有名な革命家だが今はラリってばかりのダメ中年。愛する娘ウィラを守るため危険な状況に身を投じていく

ロックジョー(ショーン・ペン)
ロックジョー(ショーン・ペン)
異常な執念でボブとウィラを追い詰めてくる、ちょっと変態チックな軍人。その裏には深い理由が?

センセイ(ベニチオ・デル・トロ)
センセイ(ベニチオ・デル・トロ)
ウィラが通っている空手道場の先生で何かとボブのピンチを救ってくれる謎の人。実はもう一つの顔も?

デアンドラ(レジーナ・ホール)
デアンドラ(レジーナ・ホール)
昔からのボブとペルフィディアの革命同志で、ロックジョーに狙われたウィラを安全な場所へ導こうとする。

ペルフィディア(テヤナ・テイラー)
ペルフィディア(テヤナ・テイラー)
最後のカリスマ革命家と言われるボブの妻で、ウィラの母親だが、娘を産んだ後に姿をくらました。

ウィラ(チェイス・インフィニティ)
ウィラ(チェイス・インフィニティ)
ある理由でロックジョーに狙われ追いかけられるボブの高校生の娘。空手を習い、銃の扱いも母親譲り?
『ワン・バトル・アフター・アナザー』
2025年10月3日(金)公開
アメリカ/2025/2時間42分/配給:ワーナー・ブラザース映画
監督・脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:レオナルド・ディカプリオ、ショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロ、レジーナ・ホール、テヤナ・テイラー、チェイス・インフィニティ
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