本日10月10日より、海外ドラマ『奥のほそ道 -ある日本軍捕虜の記憶-』(原題:The Narrow Road to the Deep North)全5話の独占見放題配信をU-NEXTにて開始!ブッカー賞受賞原作を豪華国際チームで映像化した、太平洋戦争を背景に人間の尊厳と愛を描いた重厚なヒューマンドラマだ。本作に日本人キャストとして国際チームに参加した笠松将が、ナカムラ少佐という難役と真摯に向き合い、現場での葛藤や撮影秘話を語った。
画像: ――主人公ドリゴとの関係性は、敵対しながらも絆を深めていく緊張感のあるものだったと思います。ジェイコブ・エローディさんとはディスカッションをされましたか?また、関係性を描く上で現場でされていたことや、印象的なシーンがあれば教えてください。

――海外制作チームと共に作る国際的なドラマということで、日本の作品とはまた違う過酷な現場だったのではないかと思います。オーストラリアのチームとのお仕事は、笠松さんにとってどのような体験になりましたか?

この作品をやって一番思ったことは、「面白いかどうかは出来上がらないと分からない」ということです。撮影中は疑問もありましたし、監督と話し合う瞬間もありました。何度もぶつかりましたけど、やっぱり出来上がったものを見た時にすごく衝撃を受けました。自分のやっているお芝居だったり、カメラの前でのパフォーマンスって何なんだろうってすごく考えさせられました。

例えば、2秒ぐらい山を登ってるシーンも2〜3時間ずっと撮ってるんですよ。川をみんなで歩くみたいなのも、ずっと撮ってる。そういう繰り返しの毎日でした。このチームとやれた意義はめちゃくちゃ大きいですが、それが全て前向きなものなのかと言われると難しい。でも一度知ってしまったからには、自分自身はそのレベルを追求しなきゃいけないなと思ってしまう。撮影も終わって時間が経って整理すると、とてもいい経験だったな、という感じですかね。すごく難しいですけど。

――こういった海外での作品は、笠松さんのキャリアにとっても大きな意味を持つかと思います。今後も国際的な作品への挑戦は考えていらっしゃいますか?

今はちょうど意識してないですね。この数年間はすごくそういうものをやろうと思ってやってきましたけど、あんまり国内、国外というよりかは、何をやりたいか、誰とやりたいかというものをより意識するようになりました。どの国で、どの国の人とやるかとかは、あんまりもう気にしなくなりましたね。あんまり関係ないかなっていう感じで。

――ご自身が出演されている作品の日本語吹き替えをされましたが、吹き替えの演技と実際の演技で、意識したところや経験としていかがでしたか?

すごく面白かったですね。自分が英語で喋ったセリフを、日本語という全然言ったことのないリズムや単語で表現するわけだから、言ったことがあるような気がするけど、全然口が覚えてないっていうのがすごく奇妙な体験でした。当たり前なんですけど、僕の顔で僕の声を当てた時に、「あ、ハマってる」「ああ、そうか、僕か」っていう、すごい面白い、変な経験でしたね。

画像: ――ご自身が出演されている作品の日本語吹き替えをされましたが、吹き替えの演技と実際の演技で、意識したところや経験としていかがでしたか?

――本作は全世界の方々にご覧になる機会があると思いますが、世界へ向けた作品というところで何か意識されたことはありましたか?

多分あんまり意識してないんだと思うんですよね。これまで、すっごいたくさんの人に見られた作品もあったし、全然見られなかった作品もあって、いろんなことを思った結果、もう誰が見るかも結構どっちでもいいというか、僕が満足できるかどうかっていう、もうそれだけかなって。

映画とかドラマ、お芝居の仕事でもそうじゃなくても、僕の家族とか仕事仲間に「いや、こんなことあったんだよ」「面白かったよ、すっごいこんな感じだったよ」って言いたいだけなんですよね。本当に日本に帰ってきて、アイスコーヒー飲みながらちょっと話すだけ。その繰り返しなんです。だから、世界とかインターナショナルとかはあんまり気にしてないですね。どっちにしてもいいものっていうのは、日本で撮ってても世界に広がりますし。

――戦争、記憶、愛など様々なテーマが重なり合う本作について、視聴者に見ていただきたいポイントはありますか?

やはり、善悪がないというか、すごい曖昧だっていうことが、僕の中では興味深い点だなと思います。「これって誰が悪くて、誰が正解なんだ」「じゃあ、どうしてれば良かったんだ」っていうのが、もう本当にめちゃくちゃ遡って修正かけていかないと直せない。僕らが生まれるずっと前から歴史をちょっとずつ変えていかないと直らないぞ、というのが、僕が結構突き刺さった部分でしたね。

向こうには向こうの事情があったんだろうし、ということを考えると、「じゃあどうしたら良かったんだっけな」とか、「僕もじゃあどうすればいいんだっけな」みたいなことをすごく感じました。なので、見ていただいた方と「どうすればいいんだろう」って話をしていきたいですね。できるだけいろんな方面から、いろんな人の立場に立って物事を見なきゃいけないし、僕もそれができてない。そういうことができれば、もう少しだけ何かが良くなりそうだなと。

――最後に、U-NEXTでご覧になる皆様へメッセージをお願いします。

もちろん、見る側の精神状態とかもあると思うんですよ。ただただ笑っていたいみたいな時ももちろんあるし。でも、きっと僕は、こういう作品ってすごく上質な、最高峰のエンターテイメントだと思ってるんです。この作品に関わってる全ての人が、誰も慢心することなく、自分のやるべきことにこの瞬間、すごく集中して作った作品です。是非、皆さんのタイミングで、こういうものに興味を持っていただける時が来たら、見ていただけたらなと思ってます。

『奥のほそ道 -ある日本軍捕虜の記憶-』
U-NEXTで独占配信中

画像: © 2024 Curio Pictures Pty Ltd and Screen Australia.

© 2024 Curio Pictures Pty Ltd and Screen Australia.

【キャスト/日本語吹替キャスト】
ドリゴ・エヴァンス役(1940年代):ジェイコブ・エローディ/小林親弘
ドリゴ・エヴァンス役(1980年代):キアラン・ハインズ/佐々木勝彦
エイミー・マルヴァニー役:オデッサ・ヤング/田村睦心
エラ・エヴァンス役(1940年代):オリヴィア・デヨング/高橋雛子
エラ・エヴァンス役(1980年代):ヘザー・ミッチェル/磯西真喜
ナカムラ少佐役:笠松将/笠松将
キース・マルヴァニー役:サイモン・ベイカー/郷田ほづみ

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