断線した黒電話から聞こえる死者からのメッセージを頼りに、少年が連続殺人鬼からの脱出を図る。『ブラック・フォン』(2022)はホラー映画のあらゆるカテゴリーを超越する予測不能な展開で世界を震撼させたサイコスリラーである。斬新な設定と恐怖の先に描かれる兄妹の絆が感動を呼んだ。11月21日公開の続編『ブラックフォン 2』は今も地下室のトラウマに苦しむ17歳になったフィニーと、意志の強い少女へと成長した15歳になった妹のグウェンが死してより強力になった最恐のサイコキラーに立ち向かう姿を描いている。4年ぶりに主人公フィニーを演じたメイソン・テムズのインタビューが届いた。

リサーチを重ね、デリクソン監督と何度も話し合いながら、丁寧に作っていった


──『ブラック・フォン』は世界中で高く評価されて、君の映画キャリアの出発点にもなったね。

 あのときは初めての映画だったから、何を期待すればいいのか全く分からなかった。撮影を終えたときも「楽しくて、小さな映画だったな」って感じで、完成版を観ても「うん、いいホラー映画だな」と思ってた。それが公開されたら、まさかの大反響で本当に驚いたよ。自分では全力で演じたし、キャストもスタッフもみんな同じ気持ちで作ってた。だから、その努力が世界中で受け入れられたことが嬉しかったんだ。そして続編を作ることになるなんて、全然想像してなかった。話を聞いた瞬間、「いつ?どこ?すぐ行く!」って叫んだよ。

──続編に参加することは、君にとってどんな意味があった?

 最高の経験だったよ。同じメンバーともう一度仕事ができるなんて、最初は信じられなかった。自分にとって初めての続編でもあったしね。『ブラック・フォン』の魅力は、登場人物たちに“ハート”があったことだと思う。みんな本当に愛せるキャラクターだった。だから続編でその“ハート”が失われないか、少し怖かったんだ。でも脚本を読んで、現場でみんなと再会したら、むしろ前作以上に“ハート”を感じた。キャラクターがさらに成長して、人間として深くなっている。僕が映画を観る理由もそこにあるんだ。キャラクターの変化を見たいから。だから、あの出来事を経たフィニーにもう一度会えたのは本当に嬉しかった。

──ホラー映画のどんなところが好き?

 怖がるのが好きなんだ。友達と映画館に行って、みんなで叫ぶのが楽しい。ジャンプスケアのシーンでは、つい隣の友達につかまっちゃうタイプ(笑)。だから僕の隣でホラーを見るのはおすすめしないよ。でも、それこそが映画の醍醐味だと思う。怖いのに楽しい。その感覚がたまらないんだ。

画像1: リサーチを重ね、デリクソン監督と何度も話し合いながら、丁寧に作っていった

──今回、フィニーを再び演じて一番良かったことは?

 フィニーというキャラクターが大好きで、彼を手放したくなかったんだ。妹のグウェンとまた向き合えたのもうれしいし、スコット・デリクソン監督やイーサン・ホークと再び仕事できたのも最高だった。

──『ブラックフォン 2』はどんな物語になっている?

 物語はフィンと妹のグウェンから始まる。グウェンはもう少女というより“大人の女性”に近くなっていて、フィンは心の奥に怒りを抱えながら生きている。前作とはまるで別人だ。一方のグウェンは、夜ごと不可解な夢を見るようになり、自分はおかしくなったんじゃないかと感じ始める。その夢の中で亡くなった母から電話がかかってきて、「ウィンターキャンプに行きなさい」というメッセージを受け取る。実際にその場所に行ってみると、グラバーがフィンへの復讐のために、グウェンを狙っていることが分かるんだ。

──再登場するフィンは怒りを抱えているんだね。

 そう。彼は怒っている。前作でも複雑なキャラクターだったけど、今作ではさらに深い。トラウマを抱えたままPTSDに苦しみ、マリファナで気を紛らわせようとしている。再びグラバーと向き合うのか、それとも逃げるのか——彼の再生の物語はそこにある。

──そんなフィンを演じるうえで、どんな挑戦があった?

 僕はいつもキャラクターを深く掘り下げるタイプなんだけど、フィニーには特別な思い入れがある。彼が経験したことはあまりにも過酷で、PTSDを抱えた人物をもう一度演じるのは簡単じゃなかった。でも、その挑戦を楽しんだよ。リサーチを重ね、デリクソン監督と何度も話し合いながら、今のフィンがどんな状態にあるのかを丁寧に作っていった。彼は本当に複雑な人間なんだ。

──再びイーサン・ホーク演じるグラバーと共演してどうだった?

 イーサンは僕にとって憧れの存在。彼が現場に入るだけで、空気がピリッと引き締まる。彼の演技のチョイスを見るだけで刺激を受けるし、前作で初めて共演したときも本当に多くを学んだ。もう一度共演できたことに感謝しているよ。そしてもちろん、彼のグラバーは今作でも本当に恐ろしい。人間の殺人鬼から“怨霊の殺人鬼”へと進化していて、それがまた最高なんだ。

画像2: リサーチを重ね、デリクソン監督と何度も話し合いながら、丁寧に作っていった

──妹グウェンを演じたマデリーン・マックグロウも再登場するね。

 マディは本当にすごい。前作でもちょっと生意気で強い女の子だったけど、今回はその10倍だよ。グラバーに立ち向かう姿は圧巻だった。

──グウェンの能力もさらに掘り下げられる?

 前作では彼女の“夢”が印象的だったけど、今回はさらに深く描かれている。彼女はその力をコントロールしようとして、グラバーを倒す方法を探る。まるで“小さなスーパーヒーロー”みたいだよ。

──フィンとグウェンの関係も変化している?

 二人の絆は相変わらず強い。ただ今のフィンは怒りと苦しみを抱えていて、もうあの無邪気な少年じゃない。でも妹と一緒にいるときだけは優しさを見せる。彼にとって一番大切なのはグウェンなんだ。彼女のためなら命を懸ける。そしてグラバーはそれを知っていて、妹を狙うことでフィンを追い詰める。そこが本当に恐ろしい。

画像3: リサーチを重ね、デリクソン監督と何度も話し合いながら、丁寧に作っていった

──父親テレンス(ジェレミー・デイヴィス)との関係にも変化がある?

 そうだね。前作のラストで少し“贖罪”が描かれたけど、今作では彼が過去の過ちを償おうとしている。酒を断って、子どもたちに変わった自分を見せようとしてるんだ。ジェレミーとの再共演もうれしかった。彼は本当に素晴らしい俳優だよ。

──スコット・デリクソン監督との再タッグはどうだった?

 スコットは最高の監督のひとり。前作でも明確なビジョンを持っていたけど、今作ではそれをさらに発展させていた。脚本も素晴らしくて、『ブラックフォン 2』で彼が何を作ろうとしているのか、最初から明快だったよ。

──この経験で一番楽しかったことは?

 やっぱりフィニーとして戻れたこと。それがすべてだよ。彼をもう一度演じられたのが、心の底からうれしかった。

──最後に、『ブラックフォン 2』を観る観客にどんな体験をしてほしい?

 とにかく“最高に楽しい時間を過ごしてほしい”。前作が好きだった人なら、今回は間違いなくハマると思う!

画像: © Jasmine Archie  © Universal Pictures and Blumhouse

© Jasmine Archie  © Universal Pictures and Blumhouse

【STORY】
4年前―13歳の少年フィニーは、連続殺人鬼グラバーによって誘拐される。しかし、これまでに命を奪われた少年たちが断線した黒電話で伝える「死者からのメッセージ」によってグラバーを地獄へと葬り、ただひとり生き残った。だが、真の悪は死をも超越する。そして再び黒電話が鳴り始める。死者となったグラバーから怨念の着信だ。無敵と化したサイコキラーを演じるのは、アカデミー賞®に4度ノミネートされたイーサン・ホーク。キャリア史上最も不気味な役グラバーとして再び登場。死の彼方からフィニー(メイソン・テムズ)への復讐をたくらみ、妹グウェン(マデリーン・マックグロウ)を脅嚇し始める。

 『ブラックフォン 2』 
11月21日(金)劇場公開 
監督:スコット・デリクソン 
脚本:スコット・デリクソン & C. ロバート・カーギル 
原作キャラクター:ジョー・ヒル 
キャスト:イーサン・ホーク、メイソン・テムズ、マデリーン・マックグロウ、デミアン・ビチル、ミゲル・モラ、ジェレミー・デイビス、アリアンナ・リヴァス 
配給:東宝東和 
© 2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

This article is a sponsored article by
''.