リサーチを重ね、デリクソン監督と何度も話し合いながら、丁寧に作っていった
──『ブラック・フォン』は世界中で高く評価されて、君の映画キャリアの出発点にもなったね。
あのときは初めての映画だったから、何を期待すればいいのか全く分からなかった。撮影を終えたときも「楽しくて、小さな映画だったな」って感じで、完成版を観ても「うん、いいホラー映画だな」と思ってた。それが公開されたら、まさかの大反響で本当に驚いたよ。自分では全力で演じたし、キャストもスタッフもみんな同じ気持ちで作ってた。だから、その努力が世界中で受け入れられたことが嬉しかったんだ。そして続編を作ることになるなんて、全然想像してなかった。話を聞いた瞬間、「いつ?どこ?すぐ行く!」って叫んだよ。
──続編に参加することは、君にとってどんな意味があった?
最高の経験だったよ。同じメンバーともう一度仕事ができるなんて、最初は信じられなかった。自分にとって初めての続編でもあったしね。『ブラック・フォン』の魅力は、登場人物たちに“ハート”があったことだと思う。みんな本当に愛せるキャラクターだった。だから続編でその“ハート”が失われないか、少し怖かったんだ。でも脚本を読んで、現場でみんなと再会したら、むしろ前作以上に“ハート”を感じた。キャラクターがさらに成長して、人間として深くなっている。僕が映画を観る理由もそこにあるんだ。キャラクターの変化を見たいから。だから、あの出来事を経たフィニーにもう一度会えたのは本当に嬉しかった。
──ホラー映画のどんなところが好き?
怖がるのが好きなんだ。友達と映画館に行って、みんなで叫ぶのが楽しい。ジャンプスケアのシーンでは、つい隣の友達につかまっちゃうタイプ(笑)。だから僕の隣でホラーを見るのはおすすめしないよ。でも、それこそが映画の醍醐味だと思う。怖いのに楽しい。その感覚がたまらないんだ。

──今回、フィニーを再び演じて一番良かったことは?
フィニーというキャラクターが大好きで、彼を手放したくなかったんだ。妹のグウェンとまた向き合えたのもうれしいし、スコット・デリクソン監督やイーサン・ホークと再び仕事できたのも最高だった。
──『ブラックフォン 2』はどんな物語になっている?
物語はフィンと妹のグウェンから始まる。グウェンはもう少女というより“大人の女性”に近くなっていて、フィンは心の奥に怒りを抱えながら生きている。前作とはまるで別人だ。一方のグウェンは、夜ごと不可解な夢を見るようになり、自分はおかしくなったんじゃないかと感じ始める。その夢の中で亡くなった母から電話がかかってきて、「ウィンターキャンプに行きなさい」というメッセージを受け取る。実際にその場所に行ってみると、グラバーがフィンへの復讐のために、グウェンを狙っていることが分かるんだ。
──再登場するフィンは怒りを抱えているんだね。
そう。彼は怒っている。前作でも複雑なキャラクターだったけど、今作ではさらに深い。トラウマを抱えたままPTSDに苦しみ、マリファナで気を紛らわせようとしている。再びグラバーと向き合うのか、それとも逃げるのか——彼の再生の物語はそこにある。
──そんなフィンを演じるうえで、どんな挑戦があった?
僕はいつもキャラクターを深く掘り下げるタイプなんだけど、フィニーには特別な思い入れがある。彼が経験したことはあまりにも過酷で、PTSDを抱えた人物をもう一度演じるのは簡単じゃなかった。でも、その挑戦を楽しんだよ。リサーチを重ね、デリクソン監督と何度も話し合いながら、今のフィンがどんな状態にあるのかを丁寧に作っていった。彼は本当に複雑な人間なんだ。
──再びイーサン・ホーク演じるグラバーと共演してどうだった?
イーサンは僕にとって憧れの存在。彼が現場に入るだけで、空気がピリッと引き締まる。彼の演技のチョイスを見るだけで刺激を受けるし、前作で初めて共演したときも本当に多くを学んだ。もう一度共演できたことに感謝しているよ。そしてもちろん、彼のグラバーは今作でも本当に恐ろしい。人間の殺人鬼から“怨霊の殺人鬼”へと進化していて、それがまた最高なんだ。

──妹グウェンを演じたマデリーン・マックグロウも再登場するね。
マディは本当にすごい。前作でもちょっと生意気で強い女の子だったけど、今回はその10倍だよ。グラバーに立ち向かう姿は圧巻だった。
──グウェンの能力もさらに掘り下げられる?
前作では彼女の“夢”が印象的だったけど、今回はさらに深く描かれている。彼女はその力をコントロールしようとして、グラバーを倒す方法を探る。まるで“小さなスーパーヒーロー”みたいだよ。
──フィンとグウェンの関係も変化している?
二人の絆は相変わらず強い。ただ今のフィンは怒りと苦しみを抱えていて、もうあの無邪気な少年じゃない。でも妹と一緒にいるときだけは優しさを見せる。彼にとって一番大切なのはグウェンなんだ。彼女のためなら命を懸ける。そしてグラバーはそれを知っていて、妹を狙うことでフィンを追い詰める。そこが本当に恐ろしい。

──父親テレンス(ジェレミー・デイヴィス)との関係にも変化がある?
そうだね。前作のラストで少し“贖罪”が描かれたけど、今作では彼が過去の過ちを償おうとしている。酒を断って、子どもたちに変わった自分を見せようとしてるんだ。ジェレミーとの再共演もうれしかった。彼は本当に素晴らしい俳優だよ。
──スコット・デリクソン監督との再タッグはどうだった?
スコットは最高の監督のひとり。前作でも明確なビジョンを持っていたけど、今作ではそれをさらに発展させていた。脚本も素晴らしくて、『ブラックフォン 2』で彼が何を作ろうとしているのか、最初から明快だったよ。
──この経験で一番楽しかったことは?
やっぱりフィニーとして戻れたこと。それがすべてだよ。彼をもう一度演じられたのが、心の底からうれしかった。
──最後に、『ブラックフォン 2』を観る観客にどんな体験をしてほしい?
とにかく“最高に楽しい時間を過ごしてほしい”。前作が好きだった人なら、今回は間違いなくハマると思う!

© Jasmine Archie © Universal Pictures and Blumhouse
【STORY】
4年前―13歳の少年フィニーは、連続殺人鬼グラバーによって誘拐される。しかし、これまでに命を奪われた少年たちが断線した黒電話で伝える「死者からのメッセージ」によってグラバーを地獄へと葬り、ただひとり生き残った。だが、真の悪は死をも超越する。そして再び黒電話が鳴り始める。死者となったグラバーから怨念の着信だ。無敵と化したサイコキラーを演じるのは、アカデミー賞®に4度ノミネートされたイーサン・ホーク。キャリア史上最も不気味な役グラバーとして再び登場。死の彼方からフィニー(メイソン・テムズ)への復讐をたくらみ、妹グウェン(マデリーン・マックグロウ)を脅嚇し始める。
『ブラックフォン 2』
11月21日(金)劇場公開
監督:スコット・デリクソン
脚本:スコット・デリクソン & C. ロバート・カーギル
原作キャラクター:ジョー・ヒル
キャスト:イーサン・ホーク、メイソン・テムズ、マデリーン・マックグロウ、デミアン・ビチル、ミゲル・モラ、ジェレミー・デイビス、アリアンナ・リヴァス
配給:東宝東和
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