世界的な大ヒットとなった前2作に続いてジェームズ・キャメロン監督が送り出す全映画ファン待望のシリーズ第3弾『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』。驚異的な映像と神秘の惑星を舞台にした壮大なストーリーで観客を虜にしたこれまでの2作以上に気になる本作の見どころは? 注目したい重要ポイントを取り上げてみましょう。(文・渡辺麻紀/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』より © 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

3)クオリッチとスパイダーの関係

前作『ウェイ・オブ・ウォーター』で、現在はサリー家の元で暮らすスパイダーは、実はジェイクたちの宿敵クオリッチ大佐の子供だったことが匂わされる。戦争孤児であるスパイダーは自分のせいでネテヤムが死んだという負い目を抱え、サリー家の一員になりたいという気持ちとクオリッチに認められたいという渇望の間で、一家と共にハイキャンプに戻ることになるという。クオリッチは人間とナヴィのハイブリッド戦士リコンビナントとなり、再び戦いの準備をしているらしい。キャメロンによれば「クオリッチは彼に期待されるものとはかけ離れた多くのことを成し遂げる」と意味深な発言をしているが、さて?

リコンビナントとなったクオリッチ

4)盟友ジョン・ランドーの死を越えて

これまで『タイタニック』「アバター」シリーズなどでキャメロンの右腕として活躍してきた製作者ジョン・ランドーの2024年の急死は悲しいニュースとして伝わった。今回も彼の名前はクレジットされているが、これまでのシリーズにも関わっていた息子のジェイミー・ランドーが共同プロデューサーとしてスタッフに加わっている。パンドラの世界の知識が豊富なジェイミーは父やキャメロンから信頼され、極秘台本にもアプローチでき、現場での役割が拡大していったという。実写部分の撮影が完了した後もニュージーランドに残ってバーチャルカメラステージでの演出補助を行ったというジェイミーは、父ジョン亡きあとのキャメロン作品を支える重要なパートナーになるかもしれない。

チャイニーズ・シアター前でハンドプリントセレモニーを行った時のジョン・ランドーとキャメロン
Photo by Getty Images

5)進化する撮影技術

故ジョン・ランドーの生前の言葉によれば、「キャメロンが『アバター』の脚本を初めて書いた1995年、我々が描きたい物語を伝える映像技術はどこにもなかった」そう。それは3D技術のことではなく、コンピューターの生成効果でスクリーン上に感情的かつ魅力的なキャラクターを登場させる、という技術。感情面を捉えきれないモーション・キャプチャーではもの足りず、パフォーマンス・キャプチャーへと発展させ、さらにバーチャル・プロダクションに進化させた。存在しない技術を自ら生み出す必要があり、その進化に伴って作品ごとに生まれた最新技術がグレードアップしているのが「アバター」シリーズだ。第1作、第2作に続き、アカデミー賞視覚効果賞3作連続受賞が期待される。

サム・ワーシントンとゾーイ・サルダナを演出中のキャメロン

『ファイヤー・アンド・アッシュ』を観る前に、前2作を復習!

第1作『アバター』(2009)

『アバター』ディズニープラスで配信中

22世紀。地球から遠く離れた惑星パンドラで、人間たちは希少な鉱物資源を採掘し始め、この星に住む先住民族ナヴィと交渉しようとするが、どんな条件を出してもナヴィたちは関心を示さない。そのため資源開発公社のRDAは人間とナヴィのDNAを組み合わせた肉体<アバター>を用いてナヴィと接触を図る計画を開始する。この計画に参加した元海兵隊のジェイク・サリーは、アバターの肉体でパンドラに潜入し、オマティカヤ族のネイティリと出会い、親しくなった彼女の部族の村に招き入れられる。ジェイクはやがて自然と共に生きる彼らの姿に共鳴。パンドラの自然を破壊しようとするクオリッチ大佐ら人間たちに戦いを挑む。

第2作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(2022)

あの戦いから16年後。ジェイクはオマティカヤ族のネイティリを妻として、3人の子供たち、そしてグレース博士のアバターから生まれた養女のキリと共に幸せにパンドラで暮らしていた。だが再びパンドラで人類の侵攻が始まった。そこには死者の記憶を移植されたナヴィのアバター“リコンビナント”となったクオリッチもいた。クオリッチは自分の息子でありジェイク一家と親交を持つスパイダーを誘拐し、彼からパンドラの情報を聞き出す。ジェイクらは森を出て、海の一族メトカイナの元で身を隠すことにする。そこでサリー家は“海の道”の生き方を学び、メトカイナとの絆を深めていく。だが人間たちはこの楽園をも破壊しようとしていた。

『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』ディズニープラスで配信中

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』
2025年12月19日(金)公開
アメリカ/2025年/ウォルト・ディズニー・ジャパン配給
監督、脚本/ジェームズ・キャメロン
出演/サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーヴァー、ウーナ・チャップリン

© 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

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