ブノワ・ブランが挑む! “密室殺人”ד現代の信仰”
ダニエル・クレイグ演じる名探偵ブノワ・ブランが事件を解明する人気ミステリー「ナイブズ・アウト」シリーズの第3作が登場。今回は、名探偵が、小さな町の教会で起きた、司祭の密室殺人事件に挑む。
このシリーズの魅力の1つ、「古典的ミステリー形式」と「現代的な要素」の掛け合わせは、今回も健在。第1作『名探偵と刃の館の秘密』では定番の「富豪一族の遺産争い」x 現代の「階級格差と移民問題」、第2作『グラス・オニオン』では、定番の「孤島の殺人事件」×現代の「セレブたちの虚栄」が描かれたが、本作は定番の「密室殺人」× 現代の「宗教、信仰の状況」になりそう。監督・脚本のライアン・ジョンソンは「今回は信仰と宗教についての物語。今は違うけど、子供時代に宗教的な家庭で育ったから、このテーマには個人的にも繋がりがある」と語っている。
そして、2つ目の魅力は、謎解きを、映画というフォーマットの特徴を活かした演出で面白く描くこと。前作では、同じ出来事を、時間を遡って別の登場人物の視点から描き直すという演出だったが、今回はどんな手法を見せてくれるのか楽しみ。
もちろん、このシリーズの3つ目の魅力、オールスターキャストの豪華共演は今回も継承。「アベンジャーズ」シリーズのサノスことジョシュ・ブローリンが、カリスマ的な司祭役。オスカーノミネート8回の名女優グレン・クローズが信心深い修道女役。『チャレンジャーズ』のジョシュ・オコナーが、元ボクサーの神父役。教会の外にも『エイリアン:ロムルス』のケイリー・スピーニーの元チェロ奏者、『異人たち』のアンドリュー・スコットのベストセラー作家など、多様な人物がいる。今回も、容疑者たちはみな怪しそうだ。
STORY

大ケガから復帰のジェレミー・レナー(左から2人目)ほか豪華出演陣集結
田舎町の小さな教会で、密室殺人事件が発生。司祭が、教会に集まった人々の前で説教した後、説教台の後方にあるコンクリートの扉で密閉された部屋に入り、その30秒後、死体となって発見される。彼は密室の中でどんな方法で殺されたのか。また、誰が何のためにやったのか。名探偵ブノワ・ブランが真相の解明に挑む。
ミステリー映画の醍醐味? 今回もオールスターキャスト集結!

(左から)ミラ・クニス、ダリル・マーコック、ジェレミー・レナー、ケリー・ワシントン、ジョシュ・オコナー、ダニエル・クレイグ、ジョシュ・ブローリン、グレン・クローズ、アンドリュー・スコット、ケイリー・スピーニー
アガサ・クリスティ原作の古典名作映画『オリエント急行殺人事件』(74)、『ナイル殺人事件』(78)などもオールスターキャスト。複数の容疑者を演じるのが全員人気俳優だと、キャスティングが犯人探しのヒントにならないという利点がある。さらに、人気俳優たちが個性的な人物たちを演じて演技を競い合い、群像ドラマの面白さも倍増する。
このシリーズでも、名作ミステリー映画へのオマージュも込めて、容疑者を演じるのは、みな人気俳優。第1作では、富豪一族のはみ出し者をクリス・エヴァンス、一族のやり手の長女をジェイミー・リー・カーティス、長男の未亡人をトニ・コレット、気弱な次男をマイケル・シャノン、看護師をアナ・デ・アルマスと、豪華スターが共演。
第2作では、富豪のIT企業経営者にエドワード・ノートン、元共同経営者にジャネール・モネイ、ファッション系セレブをケイト・ハドソン、インフルエンサーをデイヴ・バウティスタ、州知事をキャスリン・ハーンと、バラエティ豊かな顔ぶれ。
第3作の本作は、本文で触れたキャストに加え、町の警察署長役を『バッド・ママ』のミラ・クニス、医師役を『アベンジャーズ』のジェレミー・レナー、弁護士役を『ザ・プロム』のケリー・ワシントン、政治家役を『ツイスターズ』のダニエル・マコーマック、僧正役を『アメリカン・フィクション』のジェフリー・ライト、墓地管理人役を『サイドウェイ』トーマス・ヘイデン・チャーチと、今回も実力派人気スターが集結する。
謎に挑む名探偵 ブノワ・ブラン

名探偵ブノワ・ブラン(右)が教会で起きた事件に挑む
英国紳士的な風貌だが、米ケンタッキー風の南部訛りに、ちょっと変わった探偵。推理手法は名探偵ポワロ系で、行動ではなく知的な論理によって謎を解く。私生活では、フィリップ(ヒュー・グランド)という男性と同居している。コロナのロックダウン時期は、バスタブでオンラインゲームにハマっていたという意外な一面も持つ。
ミステリーの良作を連発!ライアン・ジョンソン最新作

ライアン・ジョンソン
Photo by Emma McIntyre/Getty Images for SCAD
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(17)で知られるが、初監督作『BRICK ブリック』(05)もミステリーで「アガサ・クリスティの古典ミステリーが大好き」と発言。クリエイターを務めた人気ミステリードラマ「ポーカー・フェイス」(23-)は、視聴者は犯人がわかっていて、主人公がそれを解明していく「刑事コロンボ」型で、定番形式と個性派主人公という組合せが、このシリーズと共通。
12月12日(金)配信開始
『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』
監督: ライアン・ジョンソン
出演: ダニエル・クレイグ、ジョシュ・オコナー、グレン・クローズ、ジョシュ・ブローリン、ミラ・クニス、ジェレミー・レナー、ケリー・ワシントン、アンドリュー・スコット、ケイリー・スピーニー、ダリル・マーコック、トーマス・ヘイデン・チャーチ
Netflix映画『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』12月12日(金)より独占配信開始

