イ・ビョンホン×ソン・イェジン 2ショットインタビュー

ソン・イェジンさんが絶賛される理由がよく分かりました ── イ・ビョンホン
イ・ビョンホンさんは予想した演技の上を見せてくれます── ソン・イェジン
──本作は悲劇であり、コメディーであり、さらにはバイオレンスにアクションまであり、ジャンルが複合的で印象的な映画でした。どのように役柄にアプローチしましたか?
イ・ビョンホン「マンスは平凡な男性です。しかし彼が直面する状況、そして彼が悩んだ末にある決断を下し、実際に行動を起こす状況、それらは極端なものです。果たして観客がリアルに感じてくれるか心配でした。とにかく今回の役柄では、リアルに受け止めてもらいたいと思いました。そういった部分にフォーカスしながら、演技にアプローチしました」
ソン・イェジン「ビョンホンさんが言うように、この映画は現実離れした内容だと思います。一方でミリの立場ならあり得ることだと考えました。夫が失業したなら私もミリと同じ行動を取ったはずです。ミリは登場人物の中で、最も理性的かつ現実的な人物と言えます。私の場合、“こんなふうに演じよう”というより、観客に共感してもらうべくリアルな役作りに努めました」
──ほかの監督と異なるパク・チャヌク監督の独自性は何でしょうか。またパク監督の作品ならではの魅力とは?
ソン・イェジン「パク監督の作品は、いわば“曖昧と矛盾”。そこには人を引きつける魅力というか、魔力があると思います。映画館を出てすぐに『何か食べようか』と気軽に言える映画ではありません。パク監督の作品は観たあとも数日、残像が消えません。きっとパク監督には特異な才能があるのでしょう。演出に関する特別な能力を持ち合わせた芸術家だと思います。あらゆる感覚が鋭い。美的にも、聴覚的にも、視覚的にも、すべての感覚が抜きん出ています。私から見てパク監督は、映画監督というより芸術家だと強く感じました」
──イ・ビョンホンさんはパク監督との関係性に変化はありますか?
イ・ビョンホン「パク監督との第1作(『JSA』)は25年前になります。それ以来、個人的な付き合いをしてきた仲です。昔からの仕事仲間であり、古い友人でもあります。今回、久しぶりに組むことになりました。長年、親しくしてきましたが、パク監督に対する尊敬の念を新たにしました」
──撮影期間中、お二人がお互いについていちばん印象的だったことは?
イ・ビョンホン「なぜソン・イェジンさんと一度も共演しなかったのか、そんな疑問が湧くほどでした。ついに共演するチャンスが巡ってきたわけです。人々が彼女を絶賛する理由がよく分かりました。というのも、どんな感情を表現するのか、普通なら予想がつきます。でも彼女はさまざまな感情を事細かに表現してみせます。“私にできるだろうか”と思わせるほどすばらしい演技力の俳優です」
ソン・イェジン「ビョンホンさんの本心ではないと思います(笑)。いつも思いますが私など比べものになりません。ビョンホンさんの出演作の中で、何が最高傑作かと考えたら、多すぎて選べません。私も多作と言われますが、数えられるほどです。ビョンホンさんの場合は、演じたすべての役柄がとても生き生きとしています。似ているようで違う表現をしています。今回、目の当たりにして、最も驚いたのは自由に演じていることです。それが一番難しいと私は知っています。ベテランでもカメラの前で自由に演じるのは難しい。それだけ演技に力みがなく、自分の中にある表現力を臨機応変に取り出す。表情の変化だとか、自然に相手を笑わせたりとか、狙いどおり演技を組み立てる、それって才能ですよね。努力してもできないので、その才能が羨ましいです。とりわけ今回のマンス役では、私がシナリオを読んで予想した演技の上を見せてくれます」
『しあわせな選択』
2026年3月6日(金)公開
韓国/2025/2時間19分/配給:キノフィルムズ
監督:パク・チャヌク
出演:イ・ビョンホン、ソン・イェジン、パク・ヒスン、イ・ソンミン、ヨム・ヘラン、チャ・スンウォン
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