孤独な“怪物”と、あの世から呼び戻された“花嫁”。エキセントリックなふたりが繰り広げる愛と破壊の逃避行を描く『ザ・ブライド!』がいよいよ公開。監督のマギー・ギレンホールと主演ジェシー・バックリーのインタビューを交えながら、本作の魅力に迫ってみましょう。(文・大森さわこ/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:『ザ・ブライド!』より ©2026 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. ©Niko Tavernise
イントロダクション
パンクセンスをまぶした逃避行×ラブストーリー
昨年は古典的なホラーを現代的に再解釈した『フランケンシュタイン』(25)が話題を呼んだが、今度は『フランケンシュタインの花嫁』(35)にヒントを得た『ザ・ブライド!』が作られた。モンスターのフランケンシュタインより花嫁(ブライド)の方を主役にしたユニークな構成で、奔放で勢いのある彼女のキャラクターが映画をひっぱっていく。
舞台は1930年代。殺された女性がブライドとして蘇って、フランケンシュタインと愛し合うようになるが、やがてはおたずね者となる。そんなふたりの逃避行が奇抜なパンクセンスをまぶし、ちょっと切ないラブストーリーとして描かれる。
主演は『ハムネット』(25)で数々の演技賞を受賞している“旬の女優”ジェシー・バックリーで、ここでは3役を演じて芸域の広さを見せる。フランケンシュタイン役は「ダークナイト」3部作(05〜12)のクリスチャン・ベール。監督は前作『ロスト・ドーター』(21)が高い評価を得た女優のマギー・ギレンホールで、弟のジェイク・ギレンホールや夫のピーター・サースガードも出演。他にもペネロペ・クルスなど実力派の俳優たちが揃った豪華な作品に仕上がっている。
あらすじ
孤独な人生を送ってきたモンスターのフランケンシュタインは、天才的な科学者、ユーフォロニウス博士の家を訪ね、自分の伴侶を作ってほしいと言い出す。ふたりは墓を掘り起こし、殺された女性、アイーダの死体を研究室に運ぶ。新しい命を与えられた彼女はブライドと呼ばれる。大胆な性格の彼女にフランクはほれ込むが、やがて犯罪に巻き込まれる。ふたりは危険な逃避行に出るが、捜査官たちに追いつめられる…。
登場人物
フランケンシュタイン(クリスチャン・ベール)
モンスターとして孤独な日々を送り、自分の花嫁(ブライド)がほしいと思い始める。
アイダ/ザ・ブライド(ジェシー・バックリー)
殺されたアイダはフランケンシュタインの恋人、ブライドとして新しい命を得る。
フランケンシュタイン(クリスチャン・ベール、左)、アイダ/ザ・ブライド(ジェシー・バックリー、右)
ジェイク・ワイルズ刑事(ピーター・サースガード)
ミルナと共にアイーダたちの事件を調べている。生前の彼女と関係がある様子。
ミルナ・マロイ(ペネロペ・クルス)
ジェイクの有能な助手。ブライドたちが起こした事件を調査し、その後を追っている。

ミルナ・マロイ(ペネロペ・クルス)、ジェイク・ワイルズ刑事(ピーター・サースガード)
ユーフォロニウス博士(アネット・ベニング)
アイーダをよみがえらすほどの腕を持っているが、ふだんは助手と静かに暮らしている。

ユーフォロニウス博士(アネット・ベニング、左)
観る前にインプット!3つの関連トピックス
1)本作のアイデアの原点
ホラーの古典『フランケンシュタイン』(31)の続編となったのが『フランケンシュタインの花嫁』(35)。モンスターの花嫁が誕生するシーンが後半で描かれる。マギー・ギレンホールはパーティでこの映画の刺青をいれた人を見かけ作品に興味を持ち、わずか3分ほどの出演だった花嫁の圧倒的な存在感に魅了されたという。人物像を大胆にアレンジして主人公を作り上げ、原版ではセリフがなかった彼女に言葉を与えた。
写真:『フランケンシュタインの花嫁』(1935) Photo by GettyImages
2)参考にされた古典映画
Nerdist Comに掲載された監督の発言によれば、彼女は『俺たちに明日はない』(67)や『バッドランズ』(73)のように、犯罪に手を染め、逃避行を続ける男女のアウトサイダーたちの映画を参考にしたようだ。また、女性のアンドロイドが登場するSF映画の古典『メトロポリス』(27)にもヒントを得たという。そのまま引用するのではなく、あえてスタイルを崩すことに彼女は興味を持ったようだ。
写真:『俺たちに明日はない』(1967) Photo by GettyImages
3)“怪物”の創造主メアリー・シェリー
メアリー・シェリーは英国の女性作家で、1818年に「フランケンシュタイン」を刊行。人間の内なる恐怖を映し出す先駆的な科学小説となり、何度も映画化されてきた。今回はブライド役のジェシーがシェリー役も演じる。大胆な性格のブライドの衝動を促すアクの強い人物像として登場する。『フランケンシュタインの花嫁』にもメアリーが登場するが、『ゴシック』(86)、『メアリーの総て』(17)など彼女が主人公の映画もある。
画像:メアリーの肖像画(1840、R・ロスウェル作) Photo by GettyImages
『ザ・ブライド!』
全国公開中
アメリカ/2026年/2時間6分/東和ピクチャーズ=東宝配給
監督:マギー・ギレンホール
出演:ジェシー・バックリー、クリスチャン・ベール、ピーター・サースガード、アネット・ベニング、ジェイク・ギレンホール、ペネロペ・クルス
©2026 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. ©Niko Tavernise






