いよいよ劇場最新作『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』が公開される「スター・ウォーズ」シリーズ。その原点にある“革命”はいかにして生まれ、やがていかに受け継がれ、広がっていったのか。伝説の誕生と、その軌跡を改めて辿ります。(文・神武団四郎/デジタル編集・スクリーン編集部)
Photo by Twentieth Century Fox Pictures/Sunset Boulevard/Corbis via Getty Images

PART2
銀河の継承と拡張

第1作の大ヒット後、シリーズ化が決定した「スター・ウォーズ」。オリジナル三部作の完結を経て、プリクエル三部作、シークエル三部作、さらには数々のスピンオフへと展開し、その世界は広がり続けてきました。壮大な銀河がいかにして発展してきたのか、その軌跡を辿りましょう。

エピソード5・6でドラマと技術が成熟

『新たなる希望』の大ヒットでシリーズ化が決定。ルーカスらクルーは、前作を受け継ぎながらさらに世界を発展させていった。『スター・ウォーズ/帝国の逆襲(エピソード5)』で新たに加わったのが人間ドラマ。ルークはヨーダと師弟関係を結び、レイアとハンの間にはロマンスが誕生。ダース・ベイダーがルークの父であることも発覚し、善と悪の対立というシンプルな構成から血族や宿命のドラマにシフトしていった。

そして完結編『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還(エピソード6)』でルークはベイダーとの確執を乗り越えて、失われた妹レイアを見つけ、ハンという新たな家族を得る。最新作『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』まで脈々と受け継がれる家族のドラマの原型が完成した。またイウォークの活躍を通し、選ばれし者だけでなく民衆たちの姿も描かれた。名もなき者たちが活躍する物語は、多種多様な人々を題材にしたオリジナルドラマシリーズにつながっていく。

製作面ではルーカスが監督から退き、監督にはUSC時代の師アーヴィン・カーシュナーや英国の俊英リチャード・マーカンドを起用。製作総指揮として作品全体を統括する新体制を確立した。サンフランシスコに移った新生ILMでは、リチャード・エドランドやデニス・ミューレンを中心に技術革新が進み、合成精度の向上やコンピュータと連動したストップモーション・アニメのレベルアップなど視覚効果をブラッシュアップした。この時期CGに着目したルーカスは、CG部門をルーカスフィルムに設立。ILMはその映像を視覚効果に取り入れていく。CGチームがピクサーとして独立した86年には、ILM社内にCG部門が設立された。

画像: 『スター・ウォーズ/帝国の逆襲(エピソード5)』ディズニープラスにて見放題独占配信中 ©2026 Lucasfilm Ltd.

『スター・ウォーズ/帝国の逆襲(エピソード5)』ディズニープラスにて見放題独占配信中
©2026 Lucasfilm Ltd.

画像: 『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還(エピソード6)』ディズニープラスにて見放題独占配信中 ©2026 Lucasfilm Ltd.

『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還(エピソード6)』ディズニープラスにて見放題独占配信中
©2026 Lucasfilm Ltd.

デジタル化が大きく進んだプリクエル三部作

『ジェダイの帰還』から16年ぶりに復活した三部作は、銀河内戦以前を舞台にしたアナキン・スカイウォーカーの物語。それまで背景として語られてきた共和国やジェダイの真の姿が描かれた。銀河皇帝の誕生を通し民主主義の崩壊を描くなど、ポリティカル・フィクションの要素も加わった。また『スター・ウォーズ/クローンの攻撃(エピソード2)』と『スター・ウォーズ/シスの復讐(エピソード3)』の間に起きたクローン戦争を描いたスピンオフのアニメーション『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』とその続編のTVシリーズが製作され、その流れが後のオリジナルドラマシリーズに発展する。

制作面ではジョージ・ルーカスが監督に復帰し、映画のデジタル化を積極的に推進。『クローンの攻撃』は全編デジタル24 Pカメラで撮影された初のメジャー大作として完成した。ILMは従来のミニチュアに加え、97年の『スター・ウォーズ 特別篇』から取り入れてきたCGIを併用。モーションキャプチャによるCGキャラクターを投入するなど、視覚効果のデジタル化も大きく進んだ。デザイン面では平和な共和国時代を象徴する優雅さを取り入れて、オリジナル・トリロジーとは一線を画す世界観を生み出した。

画像: 『スター・ウォーズ/ファントム・メナス(エピソード1)』ディズニープラスにて見放題独占配信中 ©2026 Lucasfilm Ltd.

『スター・ウォーズ/ファントム・メナス(エピソード1)』ディズニープラスにて見放題独占配信中
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画像: 『スター・ウォーズ/クローンの攻撃(エピソード2)』ディズニープラスにて見放題独占配信中 ©2026 Lucasfilm Ltd.

『スター・ウォーズ/クローンの攻撃(エピソード2)』ディズニープラスにて見放題独占配信中
©2026 Lucasfilm Ltd.

画像: 『スター・ウォーズ/シスの復讐(エピソード3)』ディズニープラスにて見放題独占配信中 ©2026 Lucasfilm Ltd.

『スター・ウォーズ/シスの復讐(エピソード3)』ディズニープラスにて見放題独占配信中
©2026 Lucasfilm Ltd.

シークエル三部作は現実世界ともリンクする設定に

2012年にウォルト・ディズニー・カンパニーの傘下に入ったルーカスフィルムは、10年ぶりに『スター・ウォーズ/フォースの覚醒(エピソード7)』にはじまる新たな三部作を製作。当初ルーカスが想定していた全9部作が完結した。今作の舞台は銀河帝国崩壊の30年後で、ルークたちの活躍が神話になって語り継がれている世界。過去を盲信するカイロ・レンを登場させるなど、時間経過を含め現実世界とリンクするメタな設定なのが面白い。オリジナル三部作の流れを踏襲し、フィルムによる撮影や視覚効果もミニチュアを多用するなど原点回帰を果たした。ルーカス本人は製作から離れたが、脚本を『帝国の逆襲』のローレンス・カスダンが担当し、視覚効果でデニス・ミューレンやフィル・ティペットらILMのOBたちも集結した。

画像: 『スター・ウォーズ/フォースの覚醒(エピソード7)』ディズニープラスにて見放題独占配信中 ©2026 Lucasfilm Ltd.

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒(エピソード7)』ディズニープラスにて見放題独占配信中
©2026 Lucasfilm Ltd.

画像: 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ(エピソード8)』ディズニープラスにて見放題独占配信中 ©2026 Lucasfilm Ltd.

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ(エピソード8)』ディズニープラスにて見放題独占配信中
©2026 Lucasfilm Ltd.

画像: 『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(エピソード9)』ディズニープラスにて見放題独占配信中 ©2026 Lucasfilm Ltd.

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(エピソード9)』ディズニープラスにて見放題独占配信中
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時代も主人公も多様 ── スピンオフで拡張する銀河

新生ルーカスフィルムは、トリロジーと並行してスピンオフの劇場映画をスタートした。第1弾『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』と続く『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』はどちらもオリジナル三部作のパズルのピースを埋める物語。しかし第3弾『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』は、それまでとは路線が代わりドラマシリーズ「マンダロリアン」の劇場版という位置づけになっている。

この「マンダロリアン」は実写ドラマシリーズの第1弾。西部劇や時代劇をもとに組み立てた『新たなる希望』への原点回帰を思わせる、アクション主体の痛快作である。ほかにもメインストリームの「オビ=ワン・ケノービ」や銀河帝国の100年前のジェダイ黄金時代を舞台にした「スター・ウォーズ:アコライト」、ジェダイや銀河帝国とは無縁の子供たちを主人公にした「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」など題材は多岐にわたっている。「スター・ウォーズ」銀河を拡張していくオリジナルドラマシリーズの今後の展開も楽しみだ。

「スター・ウォーズ」のキーパーソンたち

ジョージ・ルーカス
『フラッシュ・ゴードン』の映画化を果たせず『新たなる希望』を考案。壮大な世界観から制作体制まで自ら構築。

マーシア・ルーカス(編集)
ルーカスの元妻で彼の初期作品を編集。ポール・ハーシュと共同の『新たなる希望』はドラマ部分を中心に貢献。

ラルフ・マクウォーリー(コンセプトアート)
主要画面やキャラクターを視覚化し「スター・ウォーズ」の世界を形成。『新たなる希望』はマット画にも参加。

ベン・バート(音響)
効果音のほか異星人の言語やベイダーの呼吸音も手がけた『新たなる希望』から『フォースの覚醒』まで担当。

ジョン・ウィリアムズ(音楽)
ルーカスの要望に沿い交響曲風の壮大でロマンチックな曲を提供。演奏はロンドン交響楽団のフルオーケストラ。

ジョン・ダイクストラ(視覚効果)
ILM創設メンバー。産業映画用に同僚と設計したコンピュータ制御のカメラで革新的な宇宙映像を生み出した。

ジョー・ジョンストン(視覚効果)
『新たなる希望』でコンテや宇宙船の図面・色設計など幅広く担当。『帝国の逆襲』でILMの美術監督に就任。

デニス・ミューレン(視覚効果)
『新たなる希望』『帝国の逆襲』のミニチュア撮影を経て、視覚効果監修としてCG導入を含めシリーズを牽引。

アーヴィン・カーシュナー(EP5監督)
ルーカスが人間ドラマの演出力を高く評価していたUSC時代の師。ドラマ重視の『帝国の逆襲』の監督に起用。

リチャード・マーカンド(EP6監督)
サスペンス演出と俳優の演技を引き出す手腕で定評がある。終盤のルークとベイダーの描写などで持ち味を発揮。

ローレンス・カスダン(脚本)
スピルバーグの紹介で『帝国の逆襲』に中途参加。暗いトーンや洗練されたセリフ回しなど大人の雰囲気を加えた。

ダグ・チャン(デザイン)
プリクエル三部作のアートデザインを統括。輝かしい時代を反映し、外観で機能が伝わるデザインを生み出した。

ジョン・ノール(視覚効果)
『特別編』より視覚効果を監修。プリクエル三部作でモーキャプや合成、フルCGの導入などデジタル化を推進。

ロブ・コールマン(視覚効果)
『クローン・ウォーズ』とTV版、プリクエル三部作でCGアニメーションを監修し「マンダロリアン」にも協力。

J・J・エイブラムス(EP7・9監督)
オリジナル三部作の流れを重視しシークエルを構成。『フォースの覚醒』と『スカイウォーカーの夜明け』を監督。

デイヴ・フィローニ(アニメーション・ドラマ)
『クローン・ウォーズ』や「マンダロリアン」などスピンオフで「スター・ウォーズ」を拡張しているキーマン。

ジョン・ファヴロー(「マンダロリアン」シリーズ)
「マンダロリアン」で「スター・ウォーズ」に新たな息を吹き込み、劇場版を監督。他にも主な実写ドラマシリーズに参加。

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