“今日だけの嘘”をきっかけに生まれる世代を超えた友情を、ユーモアと優しさたっぷりに描く感動作『エレノアってグレイト。』。スカーレット・ヨハンソンの初監督作としても注目を集める一作です。(文・米崎明宏/デジタル編集・スクリーン編集部)

故郷ニューヨークを舞台に初めて監督に挑戦したスカーレット・ヨハンソン

画像: Photo by Gareth Cattermole/Getty Images for IMDb

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『エレノアってグレイト。』でついに長編映画監督デビューを果たしたスカーレット・ヨハンソン。本作の主な舞台でもあるニューヨークで生まれ、10歳のときに子役として映画界入りして以来、ずっと俳優として業界で育ってきたベテランだけあって、監督デビュー作も初々しい想いを感じさせつつ、第1作と思えない修練された演出術も備えている感動作に仕上げている。昨年のカンヌ国際映画祭「ある視点部門」に選出され、レッドカーペットを出演者たちと歩く晴れ姿にも監督としての誇りのようなものを感じさせた。

そんな彼女が監督を志したきっかけは子役時代の出世作となった『モンタナの風に抱かれて』で共演し、同時に演出も受けた故ロバート・レッドフォードの影響が大きかったとか。俳優として演技をしながら監督として細かな指示を出し、作品を仕上げていくレッドフォードの姿に憧れを抱いたという。以前にも彼女が監督を務める製作ニュースが立ち上がったはずだが、どうやらそれはいつの間にか断ち消えになってしまったようだ。そんなスカーレットが出会ったのが、トリー・ケイメンの執筆した初脚本。彼女の95歳の祖母や家族の歴史を基に8年かけて書いたもので、そんな脚本に「運命を感じた」と言うスカーレットが監督を務めることを決意。自身の母方の祖母ドロシーもニューヨークを愛した東欧系ユダヤ人で、彼女に捧げられた作品になっていることからもスカーレットの強い思いが感じ取れる。

その想いと同様に「キャストとスタッフ全員が、それぞれに愛する祖母のイメージを持ち寄り、それらが作品を満たしていったのです」と回想するスカーレット。本作で過去の悲しみや孤独を背負いながら生きる者が、他者とのつながりによって癒しへ昇華する様子を描いた彼女は「私たちは皆、悲しみを経験することでつながっています。そして他者とのつながりは悲しみを癒すためのもっとも強力な武器なんです」と強調している。

『エレノアってグレイト。』
2026年6月12日(金)公開
アメリカ/2025/1時間38分/配給:東映ビデオ
監督:スカーレット・ヨハンソン
出演:ジューン・スキッブ、エリン・ケリーマン、キウェテル・イジョフォー

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