大悟×寛一郎×田中泯の異色トリオが体現するもうひとつの“家族”
日本映画では『万引き家族』以来、8年ぶりのオリジナル脚本となる是枝裕和監督最新作『箱の中の羊』が5月29日(金)に公開された。本作で描かれるのは、“少し先の未来”の“夫婦”、そして“家族”の物語。子供を亡くした夫婦が迎え入れたのは、息子の姿をしたヒューマノイド。止まっていた家族としての時間が再び動き出すなかで、彼らは想像を超えた〈未来〉に向き合うことになる――。
主演は綾瀬はるかと千鳥の大悟。綾瀬は妻で、建築家の甲本音々(こうもとおとね)。大悟は夫で、工務店の二代目社長、甲本健介(こうもとけんすけ)。彼らが新たな“家族のかたち”を 織り成す。
甲本家の夫・健介(大悟)が二代目社長を務めるのが、昔ながらの工務店「タマケン」。最先端AIサービス「RE birth Ltd.」の無機質な世界観とは対極にある存在であり、健介を中心に、世代を超えて支え合う彼らの関係性は、本作における“もうひとつの家族”として物語に深い情愛を刻んでいる。
健介と共に働く若手社員・日高玄を演じるのは、寛一郎。是枝監督は「大悟さんの隣に誰を並べるか考えた時に、身長差と顔立ちを全く変えようと思って、寛一郎さんがいいなとなりました」と、その意外な起用理由を明かす。劇中では「大人と子どもの間」に揺れる人物として描かれ、ヒューマノイドの翔を自然に受け入れていく重要な役割を担っている。




健介が尊敬してやまない木工職人・山懸昭男を演じるのは田中泯。是枝監督は「古い木のような人」と、企画当初から田中をイメージして当て書きしたという。ヒューマノイドの翔に対しても、生死の区別なく対等に接する山懸の姿は、本作のテーマである「アニミズム(万物に魂が宿るという考え)」を体現する存在だ。


本作の企画段階から、是枝監督は「建築」と「木」を重要なモチーフとして据えてきた。健介を職人気質の工務店社長に設定した理由について、是枝監督は「最近の建築家の多くが持っている、環境に抗わず、どう順応して建築するかという意識は、僕の映画の作り方に近い」と語る。また、衣裳デザインの伊藤佐智子氏によれば、健介は「天然の無垢材を愛する絶滅危惧種のような人」として設定されており、地下足袋や手ぬぐいを愛用している。最先端のAIである翔が、ハイテクな環境よりも、タマケンの木の匂いや職人たちの手仕事に惹かれていく過程は、人間とAIが、原子や粒子レベルでは本質的に同じものであるという、本作のテーマを象徴している。
<STORY>
息子を亡くして2年、建築家の音々(おとね)と工務店の二代目社長を務める健介の甲本夫婦は、息子・翔の姿をしたヒューマノイドを迎え入れることになる。
彼が到着した日、「おかえり」と駆け寄り喜びを隠さない音々と、戸惑いを隠せない硬い表情の健介。「パパだよね」と問いかけられた健介は、「おじさんでええよ」と答えるのだった。
少しずつ動き始める家族の時間。静かに広がっていく波紋。ほどなく予期せぬ事態が起こり、夫婦がそれぞれに抱く息子の死への想いが露わになっていくのだった。夫婦とは?家族とは?彼らは大きな決断に迫られる。
そんな中、ヒューマノイド翔は密かにヒューマノイドの仲間たちとつながり始める──。
『箱の中の羊』
5月29日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
出演:綾瀬はるか、大悟(千鳥)、桒木里夢、 清野菜名、寛一郎、柊木陽太、角田晃広、野呂佳代、星野真里、中島歩、余貴美子、田中泯
監督・脚本・編集: 是枝裕和
音楽:坂東祐大
配給:東宝 ギャガ
©2026フジテレビジョン・ギャガ・東宝・AOI Pro.

